けむる
「不毛な片思いをこの十年続けてまいりましたが、そろそろ、心の余裕というものもなく、苦しい想いに疲れ果ててきてしまいました。けれどそれを続けているのは怠惰のような、未練がましいもので、辞めるに辞める方法を自分ではわからないのです。どうか」
「ひぃええええええええええ」
我ながら情けない声をあげたと思うが、誰しも生原稿を目の前で音読されたなら転寝していたのも飛び起きて悲鳴の一つもあげても仕方がないと、思う。
思うが横にいる彼は黒縁眼鏡の奥にある鋭い目を――蛇みたいな、細くて、良く見える目をますます細めて不愉快、うるさい、ばか、と無言で語ってきただけだった。
「な、な、な」
真っ赤になって抗議の視線を向けても彼の目は原稿から――わざわざ原稿用紙を買って、万年筆で走り書きしているそれは決して読みやすいものではないはずだが、彼はすらすらと読む。目はいいのだと専門学校時代に口にしていたが、本当だ。
「今度は純文学ですか」
「……ち、ちがいます」
どうにか原稿を取り戻さないと。悪あがきに手を伸ばすと頭にがしっと手が置かれた。あうちゅう!
「一人称もの?」
「ち、ちがいます」
「エッセイ?」
「これは僕の日記ですから読まないでください、お願いします」
「は?」
ものすごく小馬鹿にした声に死にたくなった。
「それで、あの日記は俺と君のことなんですか? それとも俺とあいつのことなんですか?」
「……ノーコメントで」
「鯖焼き没収」
「すいません、おなかすきました。許してください」
両手を合せて拝む。その姿に彼は深いため息をついて没収した鯖焼きの乗った皿をテーブルに置いた。
怒りは、ない。ということを態度から感じ取ると、ほっと安堵のため息を飲み込んだ。長い付き合いでもし本当に怒っていたらそのまま流しにいって鯖焼きがゴミとして捨てられる、という悲劇が起こるか黄金の右拳がでるか、両方の場合もある。――この対応はすごく平和的だ。
専門学校時代から付き合い出した彼は陳腐な言葉で言えば鋭利な刃物、みたいな、ではなく、実際にそういう人物だ。切れたら、切れただけ切る。竹を割ったような性格というよりも、棘を孕んで、吐き出す、けれどそのなかに繊細のところを隠し持っているロマンティストだ。実際、彼は十年に及ぶ片想いをしているのだから筋金入りだと思う。
そんな彼と「本命にならなくていいなら」と口約束を交わして、十年付き合っている。
専門学校を卒業後――元々、リーマンしていたのに会社が不景気で倒産したのをチャンスにアーティスト系の専門学校に入りなおした。そこにいた彼とあいつとなんのかんのと仲良くなった。
あいつも、僕と同じ出戻り組の一人で若い学生たちの間で浮いていたが、僕と違いコミュニケ―ション能力が秀でていて、僅か三年でクラスのほとんどの友人になっていた。僕なんて、あいつと彼の二人だけしか友人はいないが――そんなあいつが「俺ががんがん売るからお前は作れ」とコンビを組んで独立して会社を運営しているのだから、本当にすごいと思う。
彼、の場合はもっと関わり方が複雑だ。
趣味で書いている文章をついうっかり教室に忘れて慌てて取りに行ったとき――勝手に読んでいた。
それまで怖いタイプの若者、というレッテルを貼っていた彼がまじまじと僕の書いた文章を読んで、目を細めたとき――眼鏡の奥の細められた目に怒りや悲しみはなく、僅かな憐みがあった。
はじめて、文章で人を感動させれた相手だ。
「日記にしても今更ですね」
「……うん。まぁ、けど、そろそろだし」
味噌汁をすすっていた彼の眉間に皺が寄る。あ、危険。
「あいつが結婚するの」
「……そろそろカタつけろって?」
低い声に心臓が痛む。彼の細い指がテーブルの上を探る。煙草だと理解して僕はそれを押しだす。彼はそれを受け取って口にくわえる。いつも食事のときは我慢するのに。寂しいと我慢が出来なくなるのだ。
目に痛い煙りが立ち上る。涙を誘う。棘。
「そうですね、そろそろ潮時かな」
「そんな言い方はない、だろう」
「自分からふっておいて良く言う」
ナイフは持てば相手を傷つける。けれど同じくらいその刃は彼自身も傷つける。
失敗した言葉と道を持て余して黙りこくると、彼は席を立った。呼び止めようとしても止まらないことはわかっている。
十年来、彼が片想いをしていたあいつが結婚する。
合コンで知り合った若い女の子で、恐ろしくとんとん拍子で半年のゴールイン。男と女というやつは本当に素早いもんだ。
友人という立場の彼には当然メールが届いたし。
僕は共同経営者としてスピーチを頼まれた。
二人で来てくれよ、などと抜かす。まぁ、あいつには彼と僕が付き合っていて、一緒に暮らしていることも告げている。
学校を卒業したあと、ずるずると続いているセフレ関係のまま離れて暮らすのも面倒――家賃折半、掃除は僕、料理は彼ということで一緒に暮らすことにした。
幸いなことに金銭感覚と趣味と味覚があまり差がなかったというのも暮らす決め手になった。
――ゲイにとって、結婚みたいなものだよ、いいの?
――今更
煙草を握りつぶして鼻で笑われた。
こちらとしては一生の勇気を奮い立たせて申し込んだつもりだけど、彼のその鮮やかな笑みと態度に何も言えなくなった。
潮時。
確かに、潮時かもしれない。
十年続いた物事の終り。
それって――どっちの。
彼は知り合ったときから、ずっと煙草が手放せないでいた。寂しいから、口が。何かをくわえていたい。冗談まじりの笑みで、吸う? と言われても首を横に振った。そのあと、しゃぶろうか、といわれて戸惑った。彼はそうして自分の傷をうまく晒した。なら、しゃぶってほしいと冗談にのりかかったのは誰でもない自分だ。そうして曖昧な煙に包まれて、はじまった。不確かな関係が十年も続いた。
椅子から立ち上がって彼の部屋に急ぐ。ドアを開けると、いない。
潮時。
どっちの?
「……爆弾を抱えてるみたいだ」
ずるりっと膝から崩れ落ちてため息をつく。
あいつを好きだと言う彼を好きになった。はじめて言葉で感動させれた相手。けれど才能はないから、と文章は趣味で、と告げると、また読む、と低い声でねだられて、どきり、と胸が疼いた。細められた目の奥の情熱を、舐めたらきっと火傷する。けど、舐めたいと思った。
僕は家具――現在は女性をターゲットにしたキッチン用品のデザインをメインにやっている。あいつの売り込みがいいのか、大手と何度か契約して仕事も継続している。そのなかで僕が彼にしてあげられたことなんて、彼が欲しいと口にした圧力鍋をたまたまデザインして、試作品だというので譲ってもらったものぐらいだ。それはキッチンで未だに活躍している。僕がデザインしたキッチン用品を彼は使って料理を作る。ここ十年でレパトリーは増え、僕の好物を作ってくれる。
「爆発する」
彼がとりそうな行動を考えて家を出た。
彼の目は気持ちを溜めこんでいて、いつも燃えている。触れたら、きっと火傷する。大やけどだ。けど触れたいと恋をしたときに思った僕の気持ちはまだ色あせていない。煙りに溶けてもいない。
もうすぐ冬も終わる頃合いなのに寒さが身に染みる。手袋とマフラー、コートがないと外に出るのだって辛いくらいだ。寒さも暑いのも大嫌いな僕は家に引きこもっていたい。けど、彼は出ていった。どこに、どこかに、潮時と口にして。終わらせるため。どっちを? ひどい男だ。
スマホであいつに連絡を何度もいれるが出ない。苛立ちながらラインを見ていると、ぽん、と音がした。
――今帰ってるぞー
――え?
――お前んちの近くのファミレスで会って話した。あとはあいつとお前の問題―
――なにが
――告白された
手が止まる。爆発させやがったよ。
――返事はした
――わりぃ、俺鈍感でまったく気が付かなかった
――あとはお前とあいつの問題
待って、それは
――結婚式に来るか、来ないか、ちゃんと二人で返事しろよー
さらりとした無機質の言葉の羅列。けれども言いたいことはわかる。今すぐに電話をして怒鳴りつけてやりたい気持ちを飲み込んで顔をあげる。
「あ」
間の抜け声をあげた彼が笑っていた。きっといろんなことを終わらせて、戻ってきた。何も僕に告げずに一人でなにもかもやってきた顔。
口にくわえた煙草が煙る。目に痛いのか、細められて。反射的に痛みから目を強く閉じた。近づいていく。空気すら凍り付いてしまいそうだ。
「あいつからラインがきた」
「なら聞きました?」
「だいたいは」
「そろそろ潮時かな」
「っ、……君はいつもそうだ! 勝手に決めて、身勝手に完結させる! それで振り回される僕はどうなる! ここまでずっと一緒だったのに……別れないからな。絶対に、絶対にっ」
彼の寂しさの象徴の煙草を地面に捨てて震える腕にしがみつく。みったもない、いい歳した大人が、なにしてんだか。だからだめなんだよ、と心のなかで自分を罵る。この煙草を彼は僕といても捨てれなかった。
今更。
積み重ねた十年.
怠惰だけではなかった、と思う。変化がなかったことも、生まれたもの一つ、ないのかな。
ひらり、と目の前に白いものが落ちた。
雪だ。
それがいくつも、いくつも空か落ちていく。寒いはずだと、身震いする。それが彼との終りへの恐怖からだと僕は知っている。
「片想いの終り」
「へ」
「先、あいつに会って告白してきた」
「うん」
「俺結婚するから無理だ、ごめん、って言われた」
あいつらしい潔い返事だ。これが男だからとかいう常識的なことを言ったなら殴ってやれるのに。
「ますます惚れた」
「いい男だもんねぇ、あいつ」
「……普通怒ったり、嫉妬しません?」
そんなこと言われても。肩を並べると、するっと頭を寄せてきた。すりよってくる黒猫みたいに毛並のいい猫。そっと躊躇いながら肩を抱く。彼は逃げなかった。甘えるようによりかかってくる。しっかりと抱く。
「今更だからねぇ」
「……今更、か」
「ドイツのことわざにある。一度はものの数じゃないって、きっと二度目からは違うって、そういう意味だよ」
もっとうまく言葉がつかえればいいが、これ以上の言葉が浮かばなかった。けれどたぶん使わっている、と思う。
「彼に恋をしていた君の横顔をずっと見ていたし、そのとき、笑った顔がなんだか切なくて、好きになった」
「そんな恋する男をベッドで組み敷いて抱くとか変態」
「う。変態なことは否定しません」
「ベッドのなかでしか強気になれない変態」
「あ、あの、いや、それはそうなんですが」
「もし、俺が貴方を好きになったら、もう貴方は俺なんていらないのかな」
まじまじと見つめられて、細められた目が、はじめて僕の文章を読んだときのよう。目のなかに焦れる気持ちが隠されている。言葉では足りない、目が語る。触れたら大やけど。幸いにも、その目を隠す煙草の煙はもうない。しっかりと見つめ合える。
「……それって告白?」
「今更」
笑う。
そう、今更。
「煙草、吸う?」
「……煙草よりもいいものがあれば吸わない」
「僕でよかったら君にあげるよ。家に帰ろう。二人の家に」
■
「あ、ラインがきた」
「よそ見している暇があるならジャムの瓶、はやく開けてもらえませんか?」
睨まれたが、ぽーん、ぽーんと音をたてているスマホについ視線が向かう。つい昨日、大手のデザインの仕事を終わらせてきたところだから、仕事のお知らせではないはずだ。今日は互いにゆっくり休もう、と一週間ほど職場に缶詰になっていた僕とあいつは今日と明日は仕事については何も言うまい、とかたく誓っていた。
が
なにか不備があったのではないかとよからぬ妄想が尽きない。
一週間ぶりに家に戻って、ようやくシャワーを浴びて、彼に会うと不機嫌オーラばりばりだった。ほったらかしにした猫が不信感を飼い主に向けるみたいなものだ。
こういうときいい男なら寂しくさせてごめん、とかイケメンスマイルの一つも出すのだろうが僕には無理だ。ごめんなさい。
こういうときは触らぬ神にたたりなし、と一緒にごはんを食べて、ジャムの瓶があかないというので、僕がやるとかって出るくらいだ。
「え、まぢか」
「?」
「どうしよう、姪っ子が行方不明だって」
「はぁ?」
「うち、姉がいるんだけど、その姉の娘さん、今年で高校一年らしいんだけど家出をしたって、なんか、僕の名刺もなくなっていて」
「……ふぅん」
「付き合わせてごめん」
「いや、いいですけど」
声がまったく、いい、と言ってない気がするのは僕の気のせいにしておこう。
姪っ子が消えた、と姉から連絡がきたのに朝ごはんもままならず――ジャムの瓶も開かなかったので仕方なく彼と二人で事務所に向かった。
僕の事務所は雑貨ビルの二階。僕とあいつ、ついでにアルバイトの子をいれた計三人でなんとか成り立つので狭いところを選んだのだが
そのビルの前にセーラー服の女の子の姿。
「もしかして、あれ?」
「たぶん、あれ」
僕は彼の後ろ隠れる。と、向こうが気が付いた。
「おじさん!」
姪っ子は見事に彼に抱き着いた。
隠れてよかった。
「……すいませんが、私は君の伯父さんではないですよ」
「え?」
顔をあげてきょとんとするはじめて見た姪っ子。つぶらな、くりくりした瞳に、リップを塗ってつやつやの唇。
まだ十代だというのに恐ろしい女オーラに僕は彼の腕をぎゅうと握りしめる。ごめん、お願い、と無言で訴えるが
「こっち」
おい。
「おじさん?」
彼女の視線に悲鳴をあげなかった自分はえらい、と思う。
薄情者め。
どっちが、と彼に睨まれた。
ここだと話が進まない、というので僕たちは彼女を連れて家に向かった。もう、その場でとりあえず家に帰れ、と口にして回れ右をしたかったが姪っ子は彼の腕にしがみついて離れないし、僕はそれを引き離すほどの度胸もないし、彼は不機嫌オーラをばんばん出して僕を睨むし。
修羅場。
家に通すときょろきょろと部屋のなかを見回す。彼は僕を戦地に残してコーヒーを淹れに行ってしまった。
死んだら化けて出てやる。
「おじさん」
「は、はい」
「ゲイって本当?」
うううううう。
「本当ですよ」
さらっと彼が言う。コーヒー淹れて帰ってきて、さらっとテーブルに置きながら言う。おい!
「じゃあ、お兄さんもゲイ?」
「うん、そうだよ」
にっこりと笑顔。あとがこわそうだ。もう怖くて見たくもない。
「すごいね」
無邪気な声に悪意なんて欠片もない。
「あのね、私、家を出てきたの。おじさんみたいに」
「僕みたいに?」
聞き返す僕の横に彼が腰かけてくれる。手を伸ばして、彼の手を握りしめる。彼は否定はしなかった。ほっとした。
「そうだよ。おじさんもそうだってママが言ってた、私ね、将来、モデルになりたいって言ったのに、ママもパパも反対だって……だからおじさんなら応援してくれるかって、だって、おじさんも夢のために家を出たって」
「君のママは、僕のことそんな風に言っていたのかい?」
「う、ん」
随分といい加減だな、姉さんも。
「だから、おじさんのところに来たら応援してくれるかなって、お、おかね、貯めてあるのおじさん、あげるから、ここに」
「ここには置けない」
彼がぴしゃりと言い返した。
「君が言っても、ここに置くと誘拐になるんだよ」
優しいが容赦ないな、流石。
怯む彼女に僕は笑いかけた。
「僕は別に夢を追いかけて出てきたわけじゃないんだよ」
「え」
「出ていくしかなかったんだ」
「どうして」
「……おじさんがゲイだから」
その言葉に意味がわからない、という顔をされてしまった。そうだろう。わからない、だろうな。まだ。
「おじさんがゲイだってわかって母さん、君のおばあさんはね、理解しようとあれこれとしてくれたよ。けど、それがおじさんには重荷でね、姉さんはそれに耐えきれなくてヒステリックを起こしたし、父さん、君のおじいさんからは絶縁されたんだよ」
それでも姉とは手紙のやりとりだけしていた。けど。結局、母の葬式にだって行けなかった親不孝者だ。
「よく、わかんない」
「わからなくてもいいよ。ただ僕は君の家族と関わりたくないし、君を置いてはおけない。帰りなさい」
「っ」
「もし夢があるなら、ここまできたんだから、その行動力を姉さんに示したらいい。ただ僕は君とは赤の他人なんだ」
「驚くほど、はっきり突っぱねましたね」
「下手なことを言ったら危険だと思ったからね」
タクシーを呼び、彼女を乗せた。おつりはいらないとタクシーの運転手には大目にお金を支払っておいた。姉にもメールをしてだらけている僕に彼は珍しく優しい声で問いかける。
「本当に二度と関わらないって書類に書いてあるから、こういうのもタブーなんだけどね」
「どうしてばれたんです?」
コーヒーを飲みながら問いかける。
「よくある話。高校のときにハッスル用の本をついうっかりベッドの下に隠してあるのが母に見つかった」
「うわぁー」
「それから母はねぇ、ゲイ雑誌を読みふけって理解しようとしたり、病院いったり、ゲイの集まりやら講演会に行ったりしてねぇ」
「うっわー……理解はしようとしたんですね」
「恐ろしく行動力ある方向にねぇ」
「あのこみいな?」
「あれは血だね。僕は生憎と受け継がなかったけど……そのせいで姉は精神的に舞ってしまったし、結婚前っていうので向こうの親のこともあるし、父は昔の人でそういうのが気持ち悪いといって縁を切られてねぇ」
「……ふぅん」
「もう縁は切ったんだ。どんなことがあっても会わない、会いたくない」
「……事故報告で申し訳ないが」
「はい?」
「おっぱいがあたったとき、勃つかと思った。最近の子は発達がいい、ぷるん、ぽろんっと」
「ふぁ! ちょ、……ハウス! シャラップ!」
「なんでいきなり英語?」
「とりあえずその場に正座! 正座!」
「……はいはい」
「な、なんで、なんであんなおぞましいものに勃つとか、君、馬鹿なの? 宇宙人を抱きたい派なの?」
「おっぱいが怖いとかお前それでも男か」
「男だよ! 男だけど無理! 女の体で一番苦手なものはおっぱいですけど、いいですか!」
「……別に女には欲情しないけど、おっぱいは好きですけど」
「あわーあわー、君ってやつは!」
鳥肌をたてて身震いする僕に彼はため息をついた。
「そういいながら俺の胸を執拗に触るのはどこの誰だ」
「僕だよ! 君の可愛いおっぱいと女のおぞましいおっぱいを同じにしないでくれ! うわわわ、もう!」
「大丈夫ですか? おっぱい揉む?」
「揉む」
「え、ちょ、おい、こら、ストップ! ハウス!」
「なんで英語? いつもベッドではしているんだから全力で拒否らなくてもいいじゃないか!」
「ここはベッドじゃない、風呂にも入ってなくて汗臭い!」
「ばちこい! 汗臭いのも服来たままもばちこい! 変態だから燃える!」
「この、へ、ん、た、い、め! っ、なんでジャムの瓶を開けられないくせにこんなときだけパワー強いんだ!」
「ど変態といってくれてもいいよ! ぐぬぬぬっ」
「あー、もう、こんなことせずにさっさとベッド行こう」
「うん、賛成、行こう。今日と明日は休みなんだから、家から、いやベッドから出ないぞー」