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妹の妹による妹のための家庭  作者: 棚から銀髪子猫(求)
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入学式会場っていう出会いバー

「んー? ここら辺だと思うんだけどな……」


お兄ちゃんと別れてから数分、私は体育館の中、自分の席のめぼしい場所辺りを探し回っていた。


話は変わりますが皆さん! 映画館やライブ等で自分の席が分からなくて困って、ついつい挙動不審な程辺りを見渡すなーんて事って有りますよね?


間違えて座ってしまったりして、そこから中々立つことが出来なかったり、恐る恐る近寄って席の名前を確認しようとすると横から席の本人とご対面して気まずくなったり!


そんな貴方に最善の方法を教えてあげます!



例えば、前述の通り間違えて違う席に座ってしまった、静寂の中周りの目線が気になり立ち上がれそうにないそんな時…………


隣の人にお手洗いを尋ねて立ち上がる。それも難しいなら対面したときの為に、「すみません。この近くで足を挫いてしまって、少しの間席を使わせてもらいました」 等々の言い訳を事前に考えておくと良い。


これを施行しておく事によって、失礼の無い対応が可能な上、迷惑掛けてないかが無性に気になる加害妄想を和らげる効果があるのだ。



と、お兄ちゃんが教えてくれました! “孤独を抱える(ソロ)にはやるべき使命があるのだ!” と言っていました。ぜひ試してみてください!


まあ、実際私はそんなこと気になる程神経質じゃないけどね! あはは!


さておき、長ったらしく説明している間に自分の席の近くに来たと思うのでこの話題は終了しておこう。


真ん中辺りの席に何の疑いもせず無自覚に座り、注意が散漫していたのだろうか周囲を確認せず、即座に言い訳を考える。


「あ、お隣座ります」


「ひゃぁっ!? え? あ、あの、え~とですね! 足がもつれてその…………」


「え!? あ、いえ、すみません。驚かせてしまって…………」


行きなり背後から声を掛けてくるものだから、つい声をあげてしまったが、気にする素振りもなく素直に謝って来る。


さらりとした綺麗なショートツインテールに、男子受けの良い甘い顔と声、大きさなど微塵も関係ない美しさを主張することをやめない形の良い胸部と華奢で抜群のスタイルを持つアイドル顔負けのような美少女だ。


そして上品に席に座りこちらの機嫌を窺いながら話しかけてくる。


「あ、あの私、鈴鹿 庵と言います。同じクラスっぽいから、宜しくお願いします」


「い、いえ、こちらこそ。千乃 律奏です」


「う……うん! 宜しくね、千乃さん!」


と言って、隣の席に座ってくる。なんともぎこちない会話だ。


とりあえず初手として突発的なフレンドリーさで迫ってみよう。


「あのさ、鈴鹿さんってとりあえず自己紹介するタイプの人なの? コミュ力高くない? 」


「い、いやいや……そんなにグイグイこられても…………。 ただの挨拶だよ……」


「でも普通に隣の人にしれっと自己紹介出来る人って凄いと思うよ~。だって普通そんなことしてると、大人ぶろうとはしゃいじゃってる可哀想な子に思われるし…………」


「……それ軽く悪口じゃない?」


「え? そう?」


「でもこれから付き合いそうな人に声掛けておくのはいいと思うよ」


「え!? 片っ端からナンパするの!? まさかの真性百合ビッチ(レズッチ)だった!!」


「ち、違うから! ただ単純に友達の話だから! というか結構口悪いね!」


「まあ、でもその心配は要らないと思うよ」


「え、何で?」


「大概、ボーッとしている中二病って妄想して体感時間加速しているから」


「ああー、それ分かる。何故かテロリストが体育館に侵入して、自分だけが活躍してテロリスト達をあしらったりする話とかでしょ…………」


「そうそう。あと、自分だけのキャラクター達のルートを捏造したりとか」


「中等部の時よくやってたけど、今思うともの中々に恥ずかしいね、コレ……」


「そんでもって、テロリストを懲らしめた後、普段使わないような口調で先生達に軍がどーたらこーたらで報告するドヤ顔の自分ときたら」


「思い出したくないね……」


「ふふっ♪」


そんなこんなで話題が費えることなくかれこれ会式されるまで続いた。

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