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第36話 ◆・・・ 孤児王誕生 ・・・◆

既に血の跡が幾つも目立つ大部屋は、喧嘩をしていた者達が一様に静まり返って、駆け付けた大人達が立ち尽くしてしまった中でただ独り、気でも狂ったかのような『俺様は1番だ。俺様は悪く無い』をずっと繰り返す声とは別に、シャナの泣き叫ぶ声が響いていた。


だが、泣き叫んでいたシャナは、耳に届く怒りしか感じさせない声にすっと立ち上がった。

内気で優しい滅多に怒ることのない女の子は今、それこそ激しく怒っていることが分かる表情を初めて見せていた。

女の子の青い瞳にも乗り移った強い憤りは唯一人、真っ直ぐゴードンを睨み付けると、その唇は怒りの感情だけを一気に紡いだ。


「・・・何が1番よ!あなたなんか最低最悪の屑じゃない!!何が俺様は悪くないよ・・・・あなたが1番・・・1番最低で!1番最悪で!1番の屑じゃない!!」


女の子の何処からそんな声が出せるか。

大部屋の外にも響くシャナの金切り声がぶつけた怒りの感情も、ただ、それを叩き付けられたゴードンは、自分を全否定した女の子へ激情とも言える殺意しか抱かなかった。

躊躇うこと無く腰に挿していた短剣を引き抜くと、振り上げた先で一瞬にして怯えた女の子が映したゴードンの不気味な笑み。

右手に握った短剣を真上に振り上げて、それを『俺様が1番だぁぁああ!!』と、叫びながら一気に振り下ろした瞬間。


死の恐怖に怯えたシャナが力いっぱい目を瞑った刹那、それは間一髪間に合った。


ビシィッ!!!

・・・・っ痛っだぁぁああああ”あ”!!!・・・・


ゴードンが振り下ろした短剣は、その凶刃がシャナに届く前に、腕を襲った激痛で握っていた手からすり抜けた。

そのまま宙を舞った短剣は、持ち主の上げた絶叫とは別に床に落ちた弾みで澄んだ金属音を鳴らした後、くるくる回って間もなく動きを止めた。

その直前、短剣を握っていた右腕は振り下ろす動作の途中、背後から一気に間合いを詰めて斬り落とした一閃によって、肘から手首にかけて骨ごと打ち砕かれていた。


大人達の誰一人動けなかったこの状況で、木剣を日頃から使っている男の子だけが間に合った。

そして、激痛に叫び声を上げながら、反射的に振り返ったゴードンが映したもの。


「ゴードン・・・僕は君がした事を絶対赦さない」


ゴードンは怒りしか感じさせない琥珀色の瞳に睨まれて、それだけで動けなくなった。

瞬間、目にも止まらない速さだと感じたその動きによって、ゴードンは腹部から身体が浮く程の強い衝撃をまともに受けると、僅かに遅れて全身を駆け巡った激しい痛みに、喉まで一気に到達した胃液を勢い良く吐き出した後、背中から壁に叩きつけられた衝撃と痛みで意識が途絶えた。


スレイン神父やエストのように後ろ側から見た者には分かり難い部分もある。

ただ、横から見る側になった者達には見えていた。

ゴードンが振り返った直後、腰を沈めるような動きで鋭く踏み込んだアスランが、剣を鞘から抜くような動作で、そこから放たれた柄の部分をゴードンの腹に深々と突き刺した。

そのくらい強く打ち込んだとしか言えない一撃によってゴードンの大きな身体が宙に浮くと、後は背中から勢い良く壁に叩き付けられた。


既にずり落ちたゴードンが両足を広げたような姿勢で、後は床を向いているような感じで気を失っている姿に、そして明らかに青黒く変色した右腕は、骨が折れている事が容易に分かるほど痛々しく映る。


その一連の光景は、結果的に見ていた側の全員を背筋まで凍り付かせると、再び剣を片手に構えた姿勢で振り向いた男の子の視線が余計に恐ろしかった。


「今直ぐ武器を手放せ!逆らう奴は・・・容赦なく僕が斬る!!」


恐ろしいとしか感じさせない男の子からの怒号は、睨み付ける怒り一色に染まった琥珀の瞳と合わさって、しかも見せ付けられた実力の後から今も様になっている構えで木剣を向けられれば、この惨事を起こした当事者達にも選択肢など無い事くらい考える以前に至らせた。


最初にエルトシャンとバスキーが互いに視線を交わした後、無言のまま血で汚れたモップを手放した。

その後で、これも二人から視線を向けられた互いの仲間達が武器に使った掃除道具を床に置いた後、残るゴードンの仲間達も睨むアスランの視線に逆らうこと無く道具を手放した。


視線の先で、この惨事に加担した子供達が全員武器となった道具を手放したことを確認したアスランは、振り返った先で今はアンジェリークだけを映して泣いているシャナへ、普段と変わらない口調で大丈夫だと声を掛けた。


「シャナ。大丈夫だよ。アンジェリークさんも、それからこの馬鹿げた騒動で怪我をした皆も。僕がなんとかするから。だから、もう泣かないで・・・・エレン!」


エレンを呼んだアスランは、呼びかけに直ぐ『此処にいるよぉ♪』と、この状況でも相変わらずな声に対して、気が抜けたような溜息を思わず吐き出してしまった。


「エレン。怪我をしている皆の治療を頼む」

「(・・・うん。良いけど。でも、エレンがやって。それでアスランがまた気味悪がられたら・・・)」

「僕のことは気にしなくて良い。怪我をしている皆を癒せるなら・・・それに、友達のシャナを守ってくれたアンジェリークさんには恩がある。後はまぁ、別にまた仲間外れでも構わないさ。と言うか、エレンはいつだって僕の傍にいるだろ」

「(・・・ふふ~ん♪もっちろ~ん♪じゃあ、全員纏めて。痛いの痛いの・・・飛んでいけぇっ!!・・・)」


精霊の声が聞こえない側にとって、アスランの声はやはり変な独り言という印象を抱く者が殆どだった。

それは大人も子供も関係なく、ましてアスランが精霊と言葉を交わせる存在だと信じている者は極一握りしか居ない。

その極一握りの者達も最初から信じていたのではなく、実際に確かめた女王シルビアが事実だと認めた事で、まぁ嘘ではないのだろう程度に受け止めている。

しかし、その極一握りの中にあってスレイン神父とエストだけは別格だった。

スレイン神父はアスランの中に在る確かな面影と察している部分で、一方のエストは単に無条件で信じることを選んでいる。


その二人が何かとアスランを気に掛けたことによって、アスランは完全な孤独とか孤立と無縁だったことも事実である。


ただ、アスランの方も自分が精霊と言葉を交わせる。

この部分を今日まで薄めて来たことは紛れも無い事実。

周りから不気味がられ気味悪がられた事で、アスランは無意識の内に精霊のことを皆の居る所では口にしなくなっている。

そして、独りの時にだけエレンと言葉を交わしていた。


エレンの方はアスランがそうして来た事を分かっているだけに尋ねたのだが、アスランから大丈夫だと言われて治癒のアーツを行使した。

そして、エレンの唱えた治癒のアーツが起こした事象干渉が、今度はそれを現実に映すことになった側の者達を驚きで包み込んだ。


それは巻き込まれた側も、騒動を起こした側も一様にただ驚かされた光景。

負傷した全員を一人ずつ、金色に光る粒子が包み込むと、その光る粒子は穏やかに渦を巻いていた。

一瞬、これは何かの夢だと抱いた者が何人も居た。

しかし、全員が同じ光景を見ていると知った時、この優しく温かみすら感じさせる現象は紛れも無い現実で、今度は感動に近い驚きを得ていた。


負傷者を包み込む光の粒子は、その形状から何か卵や繭のようにも見えていた。

ただ、その内側は十分見ることも出来るし、手を伸ばせば今も光る粒子が作った膜の内側に入れることも出来る。

そして、膜の内側では負傷者が、受けた傷が目に見える速さで立ち所に癒えて行く光景を何人もが見ていた。


これが現実に治癒の魔導だと察したのは大人達である。

ただ、同時に不可解な事実も一様に共有していた。

現代魔導において、負傷者を治療出来る魔導は水の属性だけだとされている。

そして、水の属性の魔導を行使すれば、その時の事象干渉は青い発光現象を伴う事も知る側には常識だった。


しかし、今見ている発光色は明らかに金色。

それは存在だけが確かめられている【空】の属性色で、今も未だ特性を含めた性質について、何一つ理解っていない未知の領域。


その中でスレイン神父も此処までは察していた。

同時に、自身の知る現代魔導の治癒について、此処まで急速な癒やしの効果は確認出来ていない。

水の属性だけが持つ特性の治癒については、自身も魔導器さえあれば使うことが出来る。

ただし、それですら此処まで急速な治癒を行うことは出来ない事実の他に、スレイン神父が最も驚いたのは、致命傷のような重傷者は治癒の魔導でさえも救えた例が存在しなかった事実を目の前で覆された事にある。

今も金色の発光色と合わさって、神の奇跡を見ている心境にすらなっていた。


そんなスレイン神父の瞳にも、死すら過ぎった重症を負ったアンジェリークが、僅かな時間で今はもう身体を起こして辺りを見回している姿と、そこへ飛び込むように抱きついたシャナを今は慈しむように抱きしめている情景だけで、詮索よりもただ胸が熱くなった。


実際、この未知の領域の魔導についても知りたい関心はある。

けれど、それも今この時だけは無用。

今、一番喜ぶべきは惨事によって傷を負った者達が治癒を受けられた事実。


スレイン神父はアスランが皆の前では精霊の事を意図して口にしていないくらいは察して来た。

同時にその理由にも察しが付いている。

だが、アスランはそれをこの場で、再び心傷を負う事になるかもしれない中で口にした。

その結果、負傷者が治癒を受けて救われた。

そこには、ただ感謝以外に何もなかった。


エストはこの治癒の光景の中で、そこに身体を起こしたアンジェリークの姿を映した途端、走っていた。

傍に寄った先で、アンジェリークが抱きついて泣いているシャナを、まるで母が娘を抱くような優しい雰囲気で包み込んでいる姿を映したエストは、それだけで目頭が熱くなった。

声を掛けて無事を確認したエストに、アンジェリークはこれが治癒の魔導という事までは察しながら、しかし、不可解な点も同様に抱いていた。

その点についてエストは、『アスランが精霊の加護を私たちにも与えてくれた恩恵』という表現で伝えている。

当然、それはアンジェリークをハッとさせるくらい驚かせたのだが、その後で微笑んだ表情を覗かせると『そうですか・・・これが精霊の加護という事なら。それだけで十分です・・・』後は何一つ詮索する言葉を口にしなかったアンジェリークは、以前とは異なる印象をエストに抱かせた。

そう、以前までは感じられなかった内側から滲み出る慈しみを、今のアンジェリークからエストは確かに感じ取っていた。


ただ、エストもその部分は敢えて口にしなかった。

そんな事よりも、今のアンジェリークの姿に素直に好感が持てる。

此方の方が遥かに優っていた。


-----


周りが次々と全快する中で、アスランは先に短剣を拾うと、程なく目覚めて今は何が起きているのか理解らないでいるゴードンを映していた。


「ゴードン。君が持っていたこの剣だけど、これを今直ぐは返せない。理由は分かるな」

「んだと!それは俺様の家の家宝だ。町長をやっている父ちゃんから預かったものだ。返せ!!」


アスランから返せないと告げられて、途端にまた怒りに染まったゴードンが取り返そうと駆け出した。

ところが、皆の見ている前でアスランに飛び掛かったゴードンが、直後には両膝を付いて蹲る。

そこには飛び掛かったゴードンの鳩尾を、躊躇うこと無く木剣の柄で深く打ち抜いたアスランの冷め切った表情が映っていた。


「まだ、懲りないんだな。ゴードン・・・君は自分が犯した過ちをちゃんと理解っていないのか」

「俺様は・・・1番でないと・・・そうしないと・・・・」


何か1番に執着しているようにしか感じられないゴードンを映して、そしてアスランは横目に近付くスレイン神父も捉えた。

アスランが近づくスレイン神父に対して、その歩みを止めるよう促した行為は、木剣を構えるように真っすぐ伸ばした左腕だけでも十分だったが、続く言葉に意を察したスレイン神父は一先ず立ち止まった。


「神父様。申し訳ありませんが、この問題。今は先に子供達だけで話し合わせてください。そして、僕達の話し合いを先ずは聞いていてください」


スレイン神父はアスランの声ではなく、その横顔に重なった面影だけで実は足が止まっていた。

しかし、紡がれた言葉にも、また思う所あってスレイン神父は立ち止まると、ただ一言「では、私達大人はこのまま貴方達の話し合いを見させて頂きます」と、自らの返事に何処か申し訳ない面持ちのアスランが再びゴードンへ視線を戻すところまでを見送った。


「ゴードン。何故、君はそうまでして1番に拘るんだ」

「・・・・父ちゃんと約束したんだ。俺様が1番になれば・・・それを父ちゃん達が探すときに・・・」

「要するに、君が1番になるくらい有名になれば、君の家族が君を探すときに頼りに出来る・・・・何処に居るのかを知る手掛かりに使えるってことだな」

「だから俺様は1番じゃなきゃダメなんだ。その剣は父ちゃんと別れる前に預かった俺様の家の家宝で、目印にもなるって言われたんだ」

「分かった。だけど、今直ぐは返せない。この短剣は神父様に預かって貰う。そして返して貰うための条件を君が飲んで、ちゃんと果たす日が来るまで預かる」

「んだと!」

「当然だ。君は家宝の剣で何をしようとした。怒り任せの人殺しに剣を使う奴に、剣は預けられない」


起き上がれない程の痛みを抱えるゴードンの、それでも露骨に不満だと分かる視線がアスランを映して、そこに映った抗えないくらい怖さを感じさせられた琥珀色の瞳が真っ直ぐ突き刺さる。

それだけで、ゴードンは反論する言葉を失くした。


「返す条件は、君が1番になることだ。ただし、善き行いをする者として皆から認められるくらいの1番という意味でだ。簡単だろ」

「俺様はとっくに1番だ」

「ああ、最低最悪のクズ野郎って意味では1番だな。小さい子供や女の子達が嫌がったり怖がるような事ばかり繰り返した。シスターさん達にも嫌がることを君はしたし、極めつけはエスト姉を悲しませた・・・罪状を挙げれば、木剣で千回叩いても足りないんだよ」

「っヒィッ!!・・・・」


アスランが木剣を態とらしく握り直しただけで、既に痛い目に遭っているゴードンには十分過ぎた。

大きな身体で蹲るように丸くなって震えている。

そんなゴードンに、けれど既に怖い思いを受けた子供や、嫌がらせをされた女の子達からの同情は一つも紡がれない。

それくらいゴードンが嫌われていることもまた事実だった。


「なぁ、ゴードン。君のお父さんは町長をしていたんだよな」

「ああ、俺様の父ちゃんは町で一番偉い町長なんだ」

「うん。それで聞きたいんだけどさ。お父さんはどんな人だった」

「父ちゃんは強くて偉いんだ」

「ん~・・・。具体的にはどう強いんだよ」

「喧嘩は強いって町の大人達が言っていたんだ。あと、重い荷物なんかも父ちゃんは余裕で持ち上げていた」

「確かに力は強いんだろうな。それでさ・・・町の大人達は君のお父さんの事を話す時だけど、楽しそうに話していたか」

「ああ。みんな父ちゃんは町の自慢だっていつも言っていたぞ。そうだな・・・ああ、楽しそうに笑いながら言っていた」

「つまり、君のお父さんは喧嘩でも強いし、そして町の皆が自慢だと楽しそうな顔で言ってくれる。そういう格好良いお父さんだった。間違いないか」

「ああ、その通りだ。俺の父ちゃんのこと格好良いって知っているなんて・・・お前、頭が良いんだな」

「いや・・・普通だよ」


今は上機嫌に納得した感のゴードンを映して、けれどアスランの存在感は確かに際立っていた。

もっとも、それを当人が認識していないのだが。


「じゃあ、ゴードンが目指す1番は、お父さんのような強くて格好良い男だ。君のお父さんって弱い者苛めとか許さないだろ」

「父ちゃんは喧嘩は強いけど、町長になってから一度もしていないって。それは大人達から聞いたことがある。なんでかは分からないけどな」

「はぁ~ったく・・・・町長になったという事は、それだけで1番なんだ。だから町の人達は皆、家族同然で守らないといけないんだよ。それとも、君の強くて格好良いお父さんは家族を殴ったりするのか」

「いや、父ちゃんはしない。母ちゃんには怒りっぽいって叱られるけど、父ちゃんは子供は元気なのが1番だっていつも言ってるぞ」

「じゃあ、もう分かっただろ。君はこれからも元気でいれば良い。そして、お父さんのように喧嘩は強いけど喧嘩をしない。それから皆に良い奴だって思われる事をすれば、それで君は今度こそ本当の1番になれる筈だ」

「父ちゃんは確かに皆から良い奴だって褒められていた・・・・俺様は・・・」


やっと自覚したらしいゴードンを見つめながら。

そのゴードンは腰に挿してある鞘を抜くと、未だ痛みはあっても立ち上がってアスランへ突き出した。


「約束だぞ。俺様が今度こそ父ちゃんのような1番になったら。必ず返してくれよな。俺様の家の家宝なんだ」

「ああ、そこは僕が必ず神父様から約束を取り付けるよ。それに、神父様のような人をゴードンは見習うと良い」

「あの爺さんをか?」

「ああ、君の父さんのような喧嘩に強い力は持っていないけど、知識という力は持っているし、何よりも此処の近所でも皆から尊敬されている。そういう部分は君の父さんとも似ているだろ」

「なる程な・・・俺様の父ちゃんのような力はないが、皆から尊敬されているというのは分かるぞ。んで、知識って・・・なんだ?」

「文字の読み書きが出来る事も知識の一つだよ。そして文字が読めるようになれば本を読むことも出来る。書けるようになれば手紙だって書けるんだ」

「!!・・・・それってさ。俺様が大好きな聖剣伝説物語も読めるようになれるのか」

「ああ、僕は此処で文字を学んで、此処にある聖剣伝説物語を何度も読んでいるよ。自分で読めるようになりたくて、それも聖剣伝説物語を僕も大好きだからだけど。エスト姉から文字を習って、それで読めるようになったんだ」

「!!・・・なに!・・・じゃあ、俺様も文字を習うぞ。それで、俺様も自分で聖剣伝説物語を読めるようになる。お前だけずるいぞ」

「狡くはないけどさ。まぁ、エスト姉は文字を教えてくれるよ。だけど・・・」

「なんだ・・・まさか、俺様には文字を教えてくれないのか」

「そうだねぇ~・・・・エスト姉の言う事をちゃんと聞くなら。それも守れるなら教えてくれるように頼んでも良いよ」

「そのエスト姉とかいう女の言い付けも聞けば良いんだな。約束するから俺様にも文字を教えてくれ」

「じゃあ、破った時は覚悟するように・・・・・エスト姉の本気で怒った時の鉄拳は・・・・死ぬぞ」


アスランが態とらしい溜めまで作って口にした『死ぬぞ』の部分は、それを耳にしたゴードンを一瞬、身震いさせた後で無言のまま何度も頷かせた。

そして、ゴードンを一先ず納得させた後、アスランの視線はバスキーとエルトシャンへ向けられた。


「バスキー・・・君は前にも僕に打ちのめされた筈だけど。どうやら今度は死ぬほど痛い思いをしないと反省しないようだな」


既に一度は治癒を受けて全快したバスキーも、春にこてんぱんに伸された痛い思い出は健在。

バスキーの瞳はアスランが先に鞘へ収めた短剣をスレイン神父に預けた後、そこから一歩また一歩と近づくだけで背筋から震え上がっていた。


アスランはゴードンの短剣については、それを話を聞いていたスレイン神父へ預けるように渡した後で、視線は真っ直ぐバスキーだけを映しながら距離を縮めた。

そうして近付いただけで、表情が凍り付いたバスキーの口から紡がれた悲鳴のような必死な自己弁護にカチンっと来た。


「・・ッヒ!・・・・お・・お・・・俺は、元々先に仕掛けたのはゴードンと手下達だ!それにこいつらは、エルトシャン達はな。戦争に負けたくせにでかい態度で当番仕事もサボっていたんだ。負け犬のくせに。だから悪いのはこいつらなんだよ!!俺たちは・・・・俺は悪くな・・・!!」


バチンッ!!☆☆


「全然反省していない事は理解った。次は平手打ちじゃなくて剣で叩こうか?」

「っヒィッ・・・や・や・や止めてくれ。俺は未だ死にたくない!」

「君が何を過ったのか。先ず、エルトシャン達は負け犬じゃない。戦争って、そうだな・・・さっき君達がやった血が流れるような大喧嘩。それより酷いことを国同士でやったんだ。この大部屋でも逃げ遅れた子供の他に、怪我をしても逃げることが出来た子供だっている。エルトシャン達は確かに故郷から此処に逃げて来た事は事実だよ。でも、そうしなかったら殺されていたかもしれないんだ。バスキーはもし自分が殺されそうになったら・・・・黙って殺されるのか」

「・・・それは・・・逃げる」

「だろ。僕やカールやシャナ達はエルトシャン達から聞いたんだ。街が燃えて、住んでいた家も焼かれたり壊されたって。そして見た事もない大人達が銃を向けて撃って来たって。その時の恐怖を、バスキーは分かっていないから負け犬だなんて言えるんだよ」

「・・・・・たぶん・・・・俺もそんな目に遭ったら・・・・逃げている」

「僕だって逃げるよ。きっとカールやシャナ達だって・・・皆死にたくないからきっと逃げる筈さ。なのに、それをバスキーは負け犬って言ったんだ。逆だったら腹が立つだろ」

「ああ・・・俺はあいつらが怒って当然の言葉を言った。それが分かった」


ゴードンに続いてバスキーもようやく自分の過ちを認めたのだが、アスランは春の一件もあって態と呆れたような態度を取った。

勿論、そこにはちゃんとした思惑が仕組まれてのこと。


「さてと・・・勉強会に参加しないから馬鹿のままのバスキーには、春のこともあるし・・・・木剣で百叩きくらいは罰が必要かもな」

「っヒィッ~・・・・嫌だ!。もう痛いのは嫌だ!!」

「どうしよっかなぁ~・・・・前の時はシャナ達を苛めて、なのに反省しないから今回はこうなったんだし・・・・・だろ」


明らかに不敵な笑みだった。

アスランを映したバスキーには言い様のない恐怖しか与えず、そのグループの仲間達ですら震え上がった。

特に、最後に態とらしく間を置いて『だろ』等と含みを持たせた表現は、此処まで見守っている大人達にですら『子供らしくない』とまたも認識させてる。


「た・頼む。だから・・・もう二度しません。だから・・・・っヒィッ!もう痛いのは嫌なんだぁ!」


既に半泣き状態のバスキーの声は、とにかく怖くて怯えているくらい見て分かる。

それを見ていたアスランは、意図して態とらしく肩に乗せた木剣を床に向けて下ろした。


「そっか。じゃあ、もう二度と喧嘩はしない。これが先ず一つ目だ。聞けないなら・・・・」


そこでまた態とらしく木剣を握り直しただけで、バスキーは首を分かりやすい程大きく縦に何度も振った。


「じゃあ、二つ目。君もゴードンと同じ様に勉強会に参加すること。そして知識を身に付けるんだ。二人が何でもかんでも力で片付けようとするのはさ・・・・はっきり言って馬鹿だからだ。今のまま大きくなったら、その時は牢屋に入れられて・・・後は死刑だろうね・・・うん」


剣を片手に両腕を組んだアスランの、何か周りの子供達まで納得してしまうような頷き方に、これも見守っている大人達の何人かは笑いたいのを堪えていた。


「まぁ、ゴードンの方は1番になる目標と、そのために勉強するって言っているから牢屋に行くとかは無いだろうけど・・・・ただ、バスキーは今までもエスト姉の誘いを断って来たからなぁ~・・・・」

「お・俺も今から参加する。それでちゃんと勉強するし、後はエスト姉の言うことも聞く。破ったら鉄拳でも百叩きでも構わない!・・・・だから、もう赦してくれ~」

「分かった。言っておくけど、バスキーが言った言葉は皆が聞いているんだ・・・・あと、そうだね~三つ目、これはバスキーとゴードンの両方に言っておくぞ。二人がリーダーをしているグループの仲間達もリーダーと同じ事をして貰うよ。具体的には喧嘩を二度としない。神父様やシスターさん達に迷惑を掛けない。他の子供達にも嫌がらせなんかもしない。最後に、勉強して馬鹿を卒業しろ・・・・破ったら覚悟しておくように!!分かったら返事!!」

「「「「「はい!!」」」」」


相当怖かったのか、2つのグループはこの瞬間からアスランへ絶対服従の下僕となった。

そして、大人も子供達も見つめる中で、アスランは最後にエルトシャンへ姿勢ごと向きを変えた。


「エルトシャン。僕は、僕もカールやシャナ達も君達が本当は悪くないことを知っている。だけど、こうなる前に大人達の誤解を解くことも出来なかった。だから・・・本当に申し訳ありませんでした」


一瞬、周りの空気が静まったのは、エルトシャンに対して腰から上を真っ直ぐ斜めに倒した姿勢で謝罪したアスランの姿を映してのこと。

つい先程まで、ゴードンとバスキーを相手にした態度とは打って変わった姿勢で、それも大人達の常識で言うなら正しい謝罪のあり方同然だった。


「僕は、カールやシャナ達からエルトシャン達が誤解を受けて、その事で当番仕事を拒んだことも知っている。本当はその時にエスト姉や神父様に相談すれば良かったんだ。だけど、僕はエルトシャン達も食事を粗末にした事で・・・直ぐには相談出来なかった。君達が粗末にした食事のことで、僕はエスト姉が泣いているのも見ていたんだ・・・」

「俺は、そうだな。お前にもカールとシャナからも食事のことは言われたからな。あんなに臭い水をなぜ使うのか。俺達の故郷ルテニアでは一年中ずっと水があんな風に臭くなることは無かった。それで確かに最初は信じられなかった。だが、後から理由を知って、俺も何とか残さず食べようとしたのだが・・・それが出来なかった」

「生の井戸水はもっと酷いんだ。僕達だって最初から残さず食べられるようになった訳じゃ無い。だから気付いていた・・・エルトシャンが無理にでも全部食べようとして、だけどそれで気分を悪くしたことも知っている。シャナが介抱していたからね」

「ああ、だから食事の事は本当に申し訳ないことをした。俺も仲間達に事情は話したし、それで仲間達も頑張っては見たのだが・・・・やはりあの水を使ったスープだけはどうしても馴染めずにいた」

「言ったろ。僕達だって最初から直ぐに馴染めた訳じゃ無い。でも、少なくとも水の方は何とかなりそうだよ」

「本当か!」

「ああ、僕がさっき試しに作った浄水器だけど、神父様やエスト姉達にも好評だった。完全じゃないけど、泥臭さがかなり消えたから普通に飲めるようにはなったと思う」


アスランの言葉は、その通りだと周りから見ていたスレイン神父やエストが頷いたことで、それを映したエルトシャンは信じることが出来た。

と言うよりも、エルトシャンはアスランと最初に言葉を交わした時から人柄を信じていたし、同時に好感を抱いていた。


「アスラン。お前が試しに作ったという浄水器だが、それも勉強で得た知識なのか」

「ああ、エスト姉から読み書きを習って、それで難しい文字も読めるようになったんだよ。だから図書室にある難しい文字ばかりの本も読めるようになった。浄水器のことはその難しい文字ばかりの本から知識を得て作ってみたんだ」

「なら、俺もその勉強会とやらに参加させて貰えないか。故郷では世話をしてくれた執事が読み書きを教えてくれたんだ。だから少しは出来るが、お前の話を聞いて俺ももっと勉強したいと思った」

「勿論、エスト姉は誰にだって教えてくれる。それに教え方が上手いからさ。勉強会はいつも楽しい雰囲気で、それは僕よりもカールやシャナ達が良く知っている。その代わり、エルトシャンも喧嘩とかはダメだよ。神父様やエスト姉の言うことも聞いて貰う」

「分かった。それは俺もここに居る全員に約束する。ただ・・・小さい子供達のことは」

「うん。エルトシャンが何を心配しているのかは分かるよ。ルテニアから此処に来た子供達の中で特に小さい子供達のことだろ」

「ああ、あいつらはまだ俺達が傍に居てやらないと不安なんだ。同じ故郷から来た者同士の方が安心出来るらしい」

「それはカールやシャナからも聞いている。二人もエルトシャン達に協力しているし、だから解決方法もあるんだ」

「それで、お前の解決方法とはなんだ」

「孤児院には当番仕事がある。その中にルテニアから此処に来た小さな子供達の世話をする仕事を作るんだ。そして、この仕事はエルトシャン達を中心に任せる。勿論、他の掃除とか手伝いの仕事もして貰うけど、幾つかの班を作って交代で必ず傍に居られるようにすれば解決出来る筈なんだ」

「なる程な。俺達のグループの年長の者達を・・・・そうだな3つくらいの班にすれば」

「そうだね。後はそこにカールやシャナ達も入って貰えば特に女の子の方はエルトシャンが気に掛けていただろ」

「ああ、それが出来るならそうして貰えると助かる」

「大丈夫。バスキーのグループとゴードンのグループが掃除とか力仕事はやってくれる。・・・・当然、二人とも喜んでやってくれるよね」


バスキーとゴードンにとっても、こういうタイミングでアスランが意味深に流す視線には抗いようが無かった。

既に痛い思いをしているだけに、それが過ぎった二人からの作った満面の笑みが縦に何度も激しく動く。

これも必死としか言えない光景を映して、見ていたエルトシャンが堪え切れず笑ってしまった後、そこまで追い込んだアスランも呆れたように笑ってしまった。


「まぁ、二人とも満面の笑みでやってくれるってさ。だから、当番仕事の割り振りとか。神父様やエスト姉にも相談が必要だけど、それでも僕らの意見は汲んでくれるよ。何より、僕達全員が此処からでも良い関係でいられるなら。そのためになら僕だって出来ることはする」

「それは俺も同じだ。俺にも出来ることがあれば無論、協力させて貰う」


アスランはそこでエルトシャンから差し出された手を、その意味も含めて握った。

それは共に仲間だと認め合ったことは勿論、ただ、先に手を差し出したエルトシャンからすれば相手の実力を認めた部分が大きかったこともある。


それでも、二人が握手を交わしながら笑みを向け合ってる光景は、見ていた側にとっても好印象を抱かせたのである。

同時に、この惨事となった大騒動は此処に一先ず終結を迎えたのだった。


-----


「じゃあ、今回の大喧嘩も含めて。皆ここに居るし、最初の日から此処までにあった問題の事実の確認と、何で誤解を招いたのか。言っておくけど、誰が悪いとかを決めるためじゃない。こんな風になってしまった原因を、それを今から皆で勉強する。そうすれば、これも今からは役に立つ知識になる。だから、途中でもし喧嘩をするようなら・・・・・分かってるよね」

「「「「「「・・・・!!・・・・」」」」」」


エルトシャンとの握手の後で直ぐ、アスランは場を仕切って問題の事実確認を最初の日まで遡って確認する作業を始めていた。

既に、子供達の頂点とも呼べる?そういう位置に立った自覚すら無い議事進行役の男の子を、一方で自分達の一番の存在だと強く認識している子供達は、中でも各グループのリーダー達が率先して・・・・若干2名がその進行の途中から肩身の狭い立場へ追い込まれていた。


ただ、子供達の声を纏めるアスランの役回りは既にリーダーだとエルトシャンもカールやシャナ達も一様に認めている。

問題の一つ一つを、そこに関わった子供達の声は、時にバスキーやゴードン達を責める声が強かった。

ただ、そうした声をアスランが態とらしく木剣を肩に担ぐような素振りを見せながら『・・・喧嘩をするためにやっているんじゃない。それと誰が悪いのかを決めるためのものでもないって・・・・言ったよね?』と、これも何度か行われた結果。

議事進行は恙無く?進められている。


基本的には起きた問題の当事者達の声と巻き込まれた側の声とで、アスランはその主張の食い違いの部分を詰める作業に当たっていた。

そこへ第三の証言が出ると、誤解を生んだ箇所が此処なのでは。

進行役のアスランが纏める作業は、そこへスレイン神父やエストが溶け込むように参加したことで一気に捗っていた。


スレイン神父は自ら参加しながら、そこで場を仕切ろうとは一切しなかった。

その思惑を正しく理解したエストは、進行役の男の子が時々口にする『エスト姉は怒らせると恐怖の大魔王になるから絶対逆らわないように』等の発言には笑みの奥でちらつく火種を抱えながら。

それでも、忍耐力を総動員?して夕方にはする筈だった事実確認の話し合いに参加していた。


その結果、エルトシャン達ルテニアから此処へやって来た子供達の内で、大人達が最初に悪印象を抱かされた事件が、既に初日の夜に起きていたことを全員が知ることになる。

問題の当事者はゴードンとその仲間達で、被害者はアンジェリークと他に数人の若いシスター。

アンジェリーク達は眠っている所を、部屋に忍び込んだゴードン達に悪戯された。


此処がすべての発端で、そこからゴードン達がエルトシャン達のグループとも一緒にいた事が、一括りに『問題児グループ』として扱われた事へ繋がっている。

そして、誤解を生んだ以降、当番仕事を拒絶したエルトシャン達の態度に腹を立てたバスキー達が絡んで、その時には食事の事で因縁も付けていた事が分かった。


エルトシャンがゴードンの行いを諌めようと二人で話し合いを持った部分も、それはゴードンから『エルトシャンから弱い者いじめは止めろと言われた』という証言によって、同時にこの密会を覗いたアンジェリークの誤認が明らかになった。

ただ、こうした事実の誤認には、そうなるだけの問題が絡んでいた事も此処ではっきりしたのである。


「・・・じゃあ、今日の午前中と今さっき起きた2つの事件。これも実はお互いの誤解が絡んでいた。それもずっと遡ると初日の夜にまで繋がっている。違うって言いたい人は手を挙げて」


進行役のアスランの声に周りの誰からも手は挙がらず、それは起きた事件について事実だけは分かった。

大人達は別として、子供達も特に年長の方の子供は理解出来た。

アスランは向けられる視線を前にそう感じ取ると、理解っていてもこのまま許したくない視線もある事に息を一つ吐いた。


「ゴードン。君と仲間達はこれから特に善い行いをしないといけない。その最初の仕事として、この大部屋の掃除をして貰う。言っておくけど、掃除道具を武器にしたりしたら・・・・斬るよ」

「お・おう。俺様とこいつらとでちゃんと掃除する」

「バスキーも仲間達と協力して掃除すること・・・・当然、君なら喜んで協力してくれるよね」

「あ・ああ・・・・俺も仲間達もだが、掃除は当番の仕事だ。ピッカピカにしてやるよ」

「エルトシャン。君が誤解されて迷惑を受けていたことは事実だ。だけど、暴力を振るったことも事実。血で汚れた部屋とか廊下とか。あと階段とかもだね。綺麗に掃除しようか」

「ああ、俺も仲間達と一緒に此処の掃除をしっかりやり遂げる」

「割れたガラスとか花瓶とか。その破片は危ないから直接触らないようにすること。あと・・・やっぱり此処は僕達の家なんだ。だから他にも手伝っても良いって言ってくれる人がいるなら。皆で僕達の家を綺麗にしよう」


最後の一言は、無自覚な本人が周りに与えた影響を、ただし良い意味でカールやシャナ達にも波及している。

早速始まった後片付けは、その影響によってカールとシャナが真っ先に参加すると、自然と後に続く子供達が現れた。

そうして結果的には、全員参加の大掃除へと至ったのである。


ただ、この掃除の中でアスランは、自分のことを周りの子供達の何人もから『孤児王』と呼ばれるようになった。

そこには尊敬は勿論、しかし、当然のようにからかい半分で口にする者までいる。

この呼ばれ方に苦笑いしか出来ない?

そんなアスランへは、これもカールとシャナまで『孤児王様♪』等と可笑しそうに笑っていた。


そんな和やかな光景を映して、スレイン神父とエストはどこかホッとするのである。

二人とも今のアスランがもう孤立とか孤独とは無縁の存在になった。

その意味でも、からかわれるアスランを見ていて胸が温まるのだった。


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