第33話 ◆・・・ 子供達の視線 ・・・◆
33話では暴力的な表現や、傷害を抱かせる表現が含まれています。
そうした部分は読みたくないという風に考えている方もいると思います。
予め、前書き部分にて告知させて頂きます。
アスランが午後の自由時間で浄水器を作って、そして実験していた頃。
夜勤のシスター以外で、子供たちを半ば監視していた昼の時間を受け持つシスター達は、アンジェリークが広めたアスランの話題が原因で不用意にも持ち場を離れていた。
そして、勉強会で子供たちに今日も文字を教えていたエストもまた、それが原因で持ち場を離れてしまった一人。
更に言わせれば、スレイン神父もこの話題が原因で炊事場へ足を運んでいる。
それとは別に、シスター達から良くない印象で監視すらされていた一部の子供達は、しかし、子供達の側もまた何かと頭ごなしに声を荒げるシスター達には不満を募らせていた。
同時に、元々此処で生活していた子供の一部が特に可愛がられている。
そうとしか見えない光景は、たった数日の内に差別感情を育むと、急速に膨らんだ蕾は遂に紅い花を咲かせてしまった。
最初に騒動を起こした子供の数は二人。
ルテニアから此処へ避難保護された子供達の中で、特に喧嘩に強い印象を周囲の子供達が抱くグループのメンバーの一人と、元から此処で生活してきた子供で、アスランが苛めグループと呼んでいる7人の内の一人とが縄張り意識感情で揉め事を起こした事が発端だった。
「おい。ここは俺たちの場所だぞ。他所から来たお前はさっさと出て行け」
「なんだと。此処は俺が先に使っていたんだ」
「おい・・・・お前、確かエルトシャンとかいう潰れた貴族がリーダーやっているグループの一人だな」
「お前・・・エルトシャン様を馬鹿にすると痛い目に遭わせるぞ」
「はぁ。戦争で負けて潰れた貴族だろ。負け犬のくせに威張るんじゃねぇ」
「・・・お前・・・・マジでシバく」
「ハッ、戦争に負けて逃げて来たくせに。いいか、此処では俺達のリーダー。バスキー様が一番なんだ。だから言うことを聞かないお前らは・・・ぶっ殺す!!」
子供たち同士の諍い事は、この段階までに数人のシスターが仲裁に入ることで、だから大きな荒事には発展しなかった。
ただ、この時は肝心の大人達が揃って炊事場へ集まってしまったことで、口喧嘩の段階を超えた怒りと怒りの感情は、取っ組み合いの喧嘩へ発展すると、そこから間もなく互いのグループの他のメンバーが揃って加勢したことが、無関係な子供達まで巻き込まれた大惨事へと至らせてしまった。
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その頃、炊事場ではスレイン神父が今もまだアスランへ質問を続けていた。
ただ、この和やかな雰囲気は、そこへ聞こえてきた幾つもの喧騒の声と、次いでガラスの割れる音が立て続けに響いたことで一変した。
ガラスが割れる音の他に別の何かが壊れる音まで混ざり、そして、幾つも上がっている喧嘩の声は、同時に痛みを訴える声や悲鳴の声も含まれた。
途端に空気が一気に緊張を孕んだ炊事場では、同時に大人達が一様にハッとする事実を共有していた。
ミーティングの中でも議題に上がった不安要素について、これは全員が認識していたこと。
そして、諍いを起こしているグループが事を大きくしないよう特に目を光らせる事も、一致した対応策としてやって来た。
ところが、今現在この炊事場には肝心の大人達が勢揃いしている。
夜勤のために今は仮眠を取るなどして休んでいる者達を除いて、後は買い出しに出掛けている者達も除けば、それ以外が持ち場を離れて此処に集合している事実。
つまり、先程からずっと不安要素を監視している者が一人も居ない事実を、この瞬間になって大人達は視線だけで共有したのである。
既に聞こえる喧嘩をしている子供同士の怒りと憎しみが剥き出しになった声も、それとは別に泣き叫ぶ子供の声も、その全てが警戒を怠った故に不安要素が一気に弾けたくらいは抱かせた。
雰囲気も表情も強い緊張が顕著になった大人達は、この場に逃げ込んで来た血塗れの女の子を映して、もはや予断を許さない。
只の喧嘩ではなく最悪の惨事に成り兼ねない危惧を抱いた中で、スレイン神父の指示が紡がれるよりも先に、出入り口の傍にいた3人のシスターが駆け出した。
3人のシスターは、泣き叫びながら駆け込んで来た血塗れの女の子を映すなり入れ替わるように大部屋の方へ駆け出すと、別のシスターが負傷した女の子を両腕に抱くように保護した。
女の子は額の上の方を負傷して、それで顔面が血塗れになっていた。
直ぐに炊事場の棚に置いてある救急箱を掴んだエストが傍にやって来るのだが、スレイン神父の声は『エスト。手当はナダルに任せて私達も行きますよ』と、声の感じだけでエストは直ぐ後に続いた。
エストは前を走るスレイン神父を追うように駆けながら、普段はもっと穏やかで名前の頭に『シスター』を付けるスレイン神父にも、今は余裕が無い事を感じ取った。
大きな地震で揺れた時も、嵐の夜に轟いた雷鳴にも、近所で小火が起きた時ですらスレイン親父はいつもと変わらない穏やかな口調で『大丈夫ですよ』と、その声と雰囲気だけで特に子供達が安心感を得られた。
だからこそ、この瞬間のスレイン神父の声からそれを感じられないエストは、単に余裕が無い以上に何か酷く恐ろしい事が起きるのではと・・・・胸がざわつく嫌な感触を払拭出来なかった。
血塗れで炊事場に逃げてきた子供は女の子で、ルテニアから此処へ避難してきた子供の一人だった。
泣き叫ぶ声が紡いだ『もう嫌ぁ!!』は、そこに強い感情が込められていたくらいは先に大部屋へ向かった3人のシスターも、今は手当で残ったナダルと、後を追いかけたスレインとエストの全員が分かっている。
戦災で受けた心傷は当然、そこへ来てのこの事態は、騒動を起こした側にも巻き込まれた側にも深い傷がある。
大人達はそこまで分かっている。
ただ、理解っていて防げなかった今。
責任の所在等は後回しで、一刻も早く事態を鎮める。
それもまた一致した認識だからこそ、スレイン神父が指示を出すよりも先に行動に移ることが出来た。
負傷した女の子の手当でシスターが一人残った後、この僅かな時間を何も出来ず呆然としていたアスランは、けれど、頭の中で自分を強く呼ぶティアリスの声でハッとした。
『マイロード。私達も行きましょう』
その直後、炊事場からアスランはエスト達を追いかけて飛び出していた。
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孤児院の造りは二階建てで、二階にはスレイン神父やシスター達の私室の他、子供達が使うベッドが置かれた部屋が幾つもある。
一方で、一階は大部屋の他、事務室と炊事場等。
そして、今はエストが先生を務める教室もこの一階にある。
その孤児院と建物続きの教会には礼拝堂や応接室等がある。
最初、二階の片隅の部屋で始まった喧嘩は、エルトシャンのグループに入っている男の子が顔中血塗れで一階に居た仲間達の所に逃げ込むと、そこから状況は一気に拡大した。
バスキーのグループが7人なのに対して、エルトシャンのグループは一見すると倍以上の人数が居るため、正面からぶつかれば人数の少ない方が不利になる。
それが大混戦に陥って、当事者たちと無関係な子供達まで負傷する程の事態へと至ったのか。
エルトシャンのグループは同じルテニアから来た者達でありながら、事細かく分けると出身の街や村には違いがあった。
ただ、ルテニアではそこそこ有名な貴族の家に生まれたエルトシャンには、同じ街出身で遊び仲間の庶民の子供達がいた。
エルトシャンの故郷が戦火に飲み込まれたあの日。
真夜中に鳴り響いた幾つもの雷鳴の音は、けれど、それは雷鳴などではなく侵略した帝国軍による夜襲が響かせた轟音だった。
突然のことにベッドから出たエルトシャンは、普段着に着替え終えるより早く駆け込んで来た執事から連れ出された。
『エルトシャン様!!帝国軍が攻めて来たので今直ぐ屋敷から避難して下さい!!』
普段とは明らかに異なる口調は、それを一気に早口で事態を告げた執事がエルトシャンの腕を掴んで廊下へ飛び出すように出ると、そこはもう既に火の手に包まれていた。
執事はエルトシャンを守るように火の粉を振り払いながら、しかし、片腕は力強く掴まれたままのエルトシャンも玄関へ向かって廊下を駆けた。
だが、その途中で突然、二人の目の前で廊下の壁を破壊した何かは、直後一気に燃え広がった炎の津波となって襲い掛かった。
あの瞬間。
エルトシャンは死を悟った。
足は全く動かず、ただ不意に力任せに掴まれた感の身体は、そのまま反対側の窓の方へ強引に投げ付けられた。
反射的に両腕を畳んだエルトシャンは、そのまま勢い良く窓ガラスを突き破って裏庭の芝生に転げ落ちた後、振り返った視線の先で、そこまで一緒だった執事が炎の津波に飲み込まれる瞬間を・・・・・
・・・・・エルト様。聖堂へ!!必ずや生き延びて下さい!!・・・・・
その直後、今度は屋敷の屋根が爆発したように砕けた。
大砲のような轟音のせいで耳がキンキンした。
何が起きたのか未だよく理解っていなかった。
これは悪い夢だと思った。
ただ、執事に言われた通り聖堂へ逃げようとして、先に表の玄関へ出た所を、今度は見た事もない同じ服装の集団が銃で撃って来た。
いきなり銃で撃たれたエルトシャンは、考える間もなく元来た道を戻るように逃げると、裏の土手を転げ落ちるようにして難を逃れた。
誰だか分からずとも、それでもあいつらが敵だという事だけは理解ったエルトシャンは、その後でどう逃れたのかはよく憶えていなかった。
ただ、夜は真っ暗な茂みでも、そこが昼間は自分達の秘密の遊び場でもあったエルトシャンは、後ろから聞こえてくる大人達の声と銃声の中でも逃げ延びた。
必死で逃げて来たエルトシャンが街の中で映した光景は、そこで夕方まで仲間と遊んだ街が、明日も10時に集合の約束をした時計塔は上の方が崩れて無くなっている惨状だった。
崩れた時計塔の下敷きになって死んでいる者達が居た。
昨日は昼食をご馳走してくれた仲間の家が、パン屋を営んでいるその家が見る影もなく壊されて、瓦礫の下に見覚えのある手が映った。
その手は間違いなく仲間の父親の手だと分かったエルトシャンは、途端に胃液を押し上げられる強烈な嘔吐感に襲われると、そのまま口からも鼻からも一気に吐き出した。
そのエルトシャンの視界には、夜中の街が真っ赤に染まった不気味な明るさに映っていた。
聞こえた銃声の音でハッとした後は、何も考えられずただ走った。
無我夢中で走って、そして聖堂へ辿り着いた。
聖堂へ避難した後のエルトシャンは、その時から既に家族の無事すら確認出来ないでいる。
ただ、聖堂へ避難した後で、そこでエルトシャンは遊び仲間達の生き残りと合流することが出来た。
そして、家族を全て失った仲間が何人もいた事をこの時に知った。
翌日、救助の飛行船がやって来て、その時までに集まった仲間達は皆一緒に乗り込まされた。
神父から『エルトシャン。貴方がこの子達を纏めるのです。何か分かりましたら便りを送ります。』と、ミサでよく会っている神父の言葉を胸に、エルトシャンは仲間達を励ましながら、自身の抱く不安は堪えた。
エルトシャン達は飛行船の中で初めてシャルフィへ向かっている事と、自分達が今は難民として保護されている事実を知った。
同時に、大人達の会話からヘイムダル帝国が一方的に侵略した事も初めて知った。
シャルフィへの移動中、エルトシャンと仲間達は自然と一つのグループになった。
元々エルトシャンをリーダーだと認めている仲の良い者達ばかりだったこともある。
だが、仲間達もエルトシャンが自分の不安を我慢して気を使ってくれる事も感じ取っていた。
同じ子供なのに、大人にも感じたエルトシャンだからこそ、今は俺達が協力しあって家族同然に頑張っていこうと言われたことが嬉しかった。
そう、俺達は家族なんだ。
エルトシャンの言葉で、だから仲間達は一つに纏まった。
不思議と、それだけで何か繋がりがあるような、だけど今はそれが安心出来た。
今のエルトシャンのグループは、生き残った同郷の遊び仲間が集まって出来たものに、別の町々の子供達が加わった事で大きなグループになったのだが、それは同時に内輪で誰がリーダーなのかを巡る確執まで抱えてしまった。
孤児院へ来た最初、エルトシャンも含めたグループは同郷の同じ街出身の子供が8人だった。
そこへ同郷の別の町々の子供達が男女関係なく集まって大きくなっている。
問題の火種を抱えたのはグループが大きくなった後で、また別の町で町長を父に持つゴードンという6歳の男の子がリーダーをしている5人のグループが加わった所からリーダーを巡る確執が生まれた事にある。
エルトシャンは自分の口で『俺がリーダー』等とは一言も言わないでいた。
何故ならエルトシャンにとって、尊敬している父がいつも口にしてきた言葉がある。
・・・・お前が皆からリーダーだと。そう望まれるような人間であれば、私はそれだけで十分だ・・・・
父は私人としてもそうだったが、為政者としても周りから好感を得ていた。
貴族だから屋敷には住んでいたが、日頃から街の酒場で庶民の大人達と楽しく過ごす事が大好きだと言っていた。
その大好きな時間を作るために、自分は為政者として税を収めてくれる者達の暮らしが良くなるように働かなければならない。
街の大人達が酒場で楽しい時間を得られるような、その程度の豊かさは当たり前の生活がずっと続けられるように。
そのために為政者として私は働く。
エルトシャンは、そんな父が誇らしかった。
そして、自分も見習って街に出て、そこで今の仲間達と出会って・・・・・・
エルトシャンが何故、周りからリーダーとして認められるのか。
日が浅い此処の大人達は分からずとも、同郷の遊び仲間達は理解っている。
弱い者いじめは絶対許さない。
女の子や年下の子供達にも優しくて、何かあれば協力もしている。
故郷の街でもそうだったエルトシャンを、だから仲間達は格好良いと抱いている。
そのエルトシャンをリーダーにしている事が、仲間達には誇りだった。
だから、此処でもグループが大きくなったのは当然だと抱いている。
だが、エルトシャンは父のように在ろうとして、そのため『俺がリーダー』等と言わずに居たことが、結果的に自称リーダーを口にするゴードンとの間で亀裂を作っていた。
両者ははっきり言ってタイプが異なる。
自らリーダーとは言わずとも、同郷の遊び仲間達を中心に此処に来てから仲間の輪に入った者達からも慕われる存在。
それが、エルトシャンだった。
一方で、ゴードンは自ら『俺様がリーダー』だと口にすると、威張るために腕力を誇示したり、同じ避難してきた女の子達と元から此処で生活する女の子達にも嫌がらせを繰り返している。
好ましくない事に、ゴードンと同じ町出身の仲間達は一緒に悪巫山戯をするのが楽しいらしい。
寄ってたかって女の子が嫌がることをしては、それを楽しんで競うように自慢していた。
両者は互いに6歳でありながら、一方は人望を得て、もう一方は周囲が距離を置く。
ところが、肝心の大人達は問題児グループとして認識を共有するまでの間。
つまり、監視対象として目を光らせるようになった以前の実情を失念していた。
そこには、失念してしまうだけ多忙だった事情がある。
保護した子供達の中には、3歳前後くらいの子供も10人近く居た事で、そうした子供達の世話が特に大変だった。
また、戦災の影響で殆ど言葉を発しなくなった子供もいた。
夜になると発狂したように騒ぐ子供が居て、そうならないように精神をすり減らした。
そうした複数の要因が、大人達を必然的に消耗させた結果。
それまで、エルトシャンと同郷の遊び仲間達は、同じ避難した小さな子達や女の子達のために、特に孤立しないように何かとして来た。
同時に、そうした行動が好感を得られたからこそ、自然とグループを大きくした。
問題は、そうした行動をするエルトシャン達を、単に自らの子分にしたい思惑だけでグループに加わったゴードンと、その子分達が印象を悪くする行いを繰り返していた事にある。
そして、エルトシャン自らゴードンを諌めようとして、既に大人達から悪者として目を付けられていたゴードンと二人で話し合った日。
空き部屋の一つで、それはエルトシャンがゴードンを皆が居る所で叱れば確実に面子を潰してしまう。
その配慮から、二人だけの場で嫌がらせは止めるように話し合いをした時の事を、偶然にも一人のシスターに覗き見されてしまった事が事態を悪化させた要因の一つになった。
ドアの隙間越しに覗き見たシスターは、二人がどんな会話をしたのかは分からなかった。
ただ、その後で二人が部屋を出て行った後、同じグループであることまでは突き止めた。
人数は10人以上で、しかもその後でゴードンの方はまた女の子達にちょっかいを掛けている。
反対にエルトシャンの方も別の男の子と口論を始めると、今にも取っ組み合いになりそうだった。
このシスターはゴードンからローブを捲り上げられる嫌がらせを受けていた。
それもあってミーティングの時間に見たままを報告した所、同様の嫌がらせを受けたシスターが他に何人も存在していた事が発覚した。
もし、この段階で詳細な調査が行われていたなら、少なくとも問題はもっと小規模に収められただろう。
ただ、保護した子供の数だけでも30人以上。
それを元から此処で働く4人の大人と、大聖堂から異動して来た10人のシスターだけで細かな面倒が見れるのか。
元から此処で暮らす子供達とを合わせれば60人近い数となる。
その上、戦災の影響で余計に神経を使わなければならない子供が含まれている等の諸状況を考慮した時、行き渡らない部分が生まれるのは必然だった。
後に、スレインは『あの段階で一つのグループだと括らずに、しっかりした聞き取り等をしておけば。それはとても悔やまれることです』と、自戒と反省の言葉を述べている。
ただ、当時は既に幾つもの要因があった。
これもまた紛れも無い事実で、そしてスレインも含めて大人達は決して全能ではない。
それでも、この時のミーティングによってエルトシャン達のグループは、大人達から問題を起こしているゴードン達と一括りに『問題児グループ』のレッテルを貼られたのである。
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大人達がミーティングで認識と対応策を共有した翌日。
監視の目線とは別に、嫌悪の仕草や態度も含めて、エルトシャンは自分が何か悪者扱いをされていると感じ取った。
それはエルトシャンをリーダーだと認めている仲間達まで一括りに悪者扱いされている印象を、同じグループ内で確認し合ったほど分かりやすかった。
昨日までと同じように避難した小さな子供や女の子達に近付いただけで大人達が間に入る。
そして、小さな子供や女の子達を別の部屋へ連れて行くと、ドアの所からこちらを見据えている。
まるで、自分達から守るように避難させたとも感じた態度は、それだけでエルトシャンも不満を抱いた。
自分達は何か悪いことをしたのか?
エルトシャンは同郷の仲間達と心当たりを考えて、それがゴードン達だと分かった時に、自分達は奴らと同じ悪者に仕立て上げられた事を悟った。
それはエルトシャンを知っている仲間達に当然のように憤りの感情を抱かせると、そこへ何食わぬ顔でやって来たゴードンと手下連中との間で口喧嘩が以降ずっと続くようになる。
当然、こうした小競り合いは監視して来た大人達に一層悪者としてレッテルを張られることに繋がると、全員が一箇所に集まらないように強制的に当番仕事などで離れ離れにさせられた。
結果、反発したエルトシャンと仲間達は当番仕事を露骨にやらず、それを叱ったシスター達と怒鳴るような口喧嘩にすらなった事で、一層の孤立状態となった。
大人達は言うことも聞かず問題ばかり起こすエルトシャンとゴードンのグループを同義で扱うばかりで、これも関係が悪化する原因となっている。
ゴードンと手下連中が起こした問題は、それを大人達はグループの問題として叱りつける声ばかりが目立った。
互いに神経がささくれ立って、それで余計に感情ばかりが激しくぶつかる事が繰り返された結果。
大事件に至った当日は、エルトシャン達のグループだけが食事を別室で、それもパンだけを監視される中で与えられる状況になった。
理由は前日の夕食の席で、そこで露骨に食べ物を粗末にした事だった。
独特の臭いがする水で作られたスープは、香草を何種類か使うことで、臭いを紛らわせる工夫がされていた。
これもシャルフィでは当前の事で、そして家庭毎に工夫の仕方が異なる。
エストの工夫は、それを口にした他のシスターから大好評だった。
同時に元から暮らすアスラン達は、エスト以外のシスターが作ったスープと比べて断然美味しい事を理解っている。
ただ、ルテニアから来た子供達は別だった。
シャルフィのような水の問題を抱えていないルテニアだからこそ、どんなに誤魔化しても素直な感想は口から漏れる。
そして、ゴードンは特に我が侭だった。
ゴードンからすれば、こんな臭いのを香草で余計にごちゃ混ぜな異臭にしたスープは『人間の食べ物じゃない』扱いでしかなかった。
一方で、同じルテニアから来た子供達も、臭いを理由に口を付けられない子供が大半だった事も事実。
エルトシャンは我慢して口にしていたが、気分を悪くして食事中に席を立つと、そのまま部屋に篭ってしまった。
その中で、我が侭の限りを尽くしたゴードンが、極めつけはスープを床へ捨てた行為が一番悪印象だった。
孤児院では特に食べ物を粗末にする行為を許さない。
そこには金銭的な事情もあって、お腹いっぱい食べられる事が無い背景がある。
近所の農家から頂いた野菜や穀物に、その善意に支えられている。
それは元から暮らす子供達が一様に分かっていること。
苛めグループのボスをしているバスキーですら、この時はゴードンを睨みつけた。
ただ、結局。
ゴードンは最後まで悪びれること無く悪態を貫くと、最後は暴れようとした所を複数人のシスターに押さえ付けられた挙句、両手両足を縛られて真っ暗な反省室へ閉じ込められた。
昼間はまだ明るい反省室も夜は真っ暗で、そして、この反省室が使われたのは孤児院では実に久しぶりでもあった。
これは、スレイン神父が安易にそうする事を嫌っていたこともある。
けれど、この時のゴードンが犯した過ちは、同じスープを食してきた元から暮らす子供達ですら傷つく内容だった事が、一晩の監禁へと至らしめた。
ゴードンは両手を背中で縛られた後、これも両足を縛られて、余りにも喚き散らす態度に口を布で塞がれるように縛り付けられた後、そのまま真っ暗闇の反省室に閉じ込められた。
そして、ゴードンは此処で反省室の柱に自分を縛り付けたシスターの顔を忘れなかった。
それが、アンジェリークだった。
ゴードンには、この時のアンジェリークから告げられた言葉以上に、その目付きと雰囲気だけで強過ぎる復讐心を抱いたのである。
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真っ暗闇の中で、ゴードンはずっと復讐心を滾らせた。
自身に対する反省は瑣末にも抱かなかった。
ゴードンにとって、自分がこんな扱いを受ける理由が分からなかった。
母親から『怒りっぽい』とは言われたことがある。
ただ、生まれ育った故郷では何を言っても何をやっても許された。
そういう環境で育ったゴードンにとって、此処での生活は何から何まで面白く無かった。
何かに付けて周りの大人達が叱ることに、そんな経験が無いゴードンは不満しか抱かず、それは簡単に怒りへ結び付いた。
怒りは憎しみにすらなった感で、その矛先は自分をこんな目に合わせたシスターは勿論、そしてエルトシャンへも明確な殺意を抱くほど向けられた。
エルトシャンから『二人だけで話がしたい』と、それで二階の空き部屋まで付いて行った。
そこで『弱い者を苛めはするな』と言われた。
ゴードンは故郷で当然のようにして来た事を、エルトシャンから何か悪く言われた感じを抱いた。
即答で『俺様は俺様のやりたいようにしかやらない。故郷でもそうだった』と、反論したゴードンに、エルトシャンは『お前のやった事は悪いことだ。力に任せて弱い者を泣かせて。それの何処が良い事になる』と、内心では憤りを抱きながら。
それでもエルトシャンは言葉で説得したかった。
そこにも父の存在があるし、自分に生き延びろと言った執事の存在もあった。
・・・・安易に暴力に走る。良いか。それは愚か者のすることだ。皆から認められる者は往々にしてそのような愚かな事をしない。お前も、そういう人間になれ・・・・
・・・・旦那様の魅力。そうですね。剣術も凄腕ではありますが、その力を使わずに皆と理解を深められる人徳ですね。人徳ですか?そうですね。言葉だけで街の者達と理解を深められる。そして良き方向へ導ける事も人徳ですね・・・・
エルトシャンは、街に出るようになってから理解ったことがある。
父親が如何に尊敬できる存在なのか。
街の大人達の声も雰囲気も、父が皆から好かれている事は、それだけで自分も見習おうと強く思えた。
だが、この時の話し合いでエルトシャンは、ゴードンには言葉が通じない事が同時に自身の未熟さだと痛感させられた。
反対にゴードンは、自分のやることを『悪事』だと決めつけたエルトシャンの態度に対して、怒りの感情だけを抱いた。
物別れの最後、ゴードンはエルトシャンへ『俺様は一番なんだ。だから一番の俺様がやる事に文句を言うな!!』と、そのまま部屋を後にした。
ゴードンには、自分が一番でなければならない理由があった。
ゴードンも故郷が戦火に巻き込まれたその日、町長をしていた父から『強い男になれ』と、そして父が家宝だと大事にしてきた短剣を受け取って教会へ先に避難した。
父とはその後で一度、教会で会うことが出来た。
ゴードンはそこで母と妹が別の教会で無事にいることまでは聞いた。
けれど、父は自分だけを救助の飛行船へ乗せた所で、別れ際に『後から皆で追い掛ける』と、そのままこう続けた。
・・・・ゴードン。お前が一番になれば、それを頼りに探しに行ける。だから、一番を目指すんだぞ!!父も母さん達と必ず行くからな!!・・・・
それを最後に、ゴードンの方も今日まで家族の無事が分からない。
だが、父は力も強いから大丈夫。
そして、父が言ったように一番になることで、それで自分を見つけやすくなるなら。
『親父。俺は一番になって待ってるからなぁぁああああ!!』
最後は飛行船の窓から見えなくなるまで父を見つめていた。
それから、シャルフィとかいう聞いたこともない此処へやって来た。
幸いなことに、故郷ではいつも言う事を聞いてくれる子分も一緒だった。
だから、俺様は此処でも直ぐに一番になれる・・・・・それが当然だと疑わなかった。
エルトシャンとは環境も背景も異なるゴードンだが、ともに戦災孤児となった事と、何方にも同郷の仲間がいた点は共通していた。
翌朝、反省室へ赴いたシスター達は、そこで背筋が寒くなる程の強過ぎる感情を瞳に宿したゴードンを映して、一人がスレイン神父の下へ走った。
反省など全くしていない。
それどころか、絶対目を離す訳にはいかない。
この目付きと雰囲気は只事ではない。
一様に抱いたシスター達の一人から報告を受けたスレイン神父は、自ら確認した後で食事は別室で取らせる措置を講じた。
奇しくも同じグループの別の子供が諍いを起こした事も重なって、その結果。
エルトシャン達のグループは一括りに別室で食事を取らされることになった。
この時、大人達の誰もが午後に惨事が起きる等とは露程にも予想していなかった。
だが、実際に騒動は起きた。
最初は二人で、そこからグループ対グループの大騒動へと発展した事件は、此処で元からエルトシャンのグループだったメンバーが重傷を負っている。
重傷を負った仲間の口から告げられた事実は、それでエルトシャンを完全に怒らせると、ゴードンとバスキーのグループとの間で大きな喧嘩となって最悪の惨事へと発展したのである。
バスキーとエルトシャンのグループがぶつかった所で、ゴードンと子分達は花瓶や遊具の積み木などを手当たり次第に投げ付ける暴挙に出た。
そして、この時にはもう憎悪としか呼べない激しい感情に身を委ねたゴードンは、エルトシャンだけでなく、騒動と無関係な子供達を一方的に襲った。
その中で、飛び交う積み木が当たった窓ガラスが何枚も割れた。
しかも、最初はゴードンと仲間達が投げ付けた玩具の積み木は、今度は投げ付けられたエルトシャンのグループからも反撃とばかりに投げ付けられた事が、余計に事態を悪化させた。
他にも掃除道具のモップや箒など。
武器に使える物は全て武器に使ったかのような騒動は、そこで互いが投げ付け合った積み木によって、逃げ遅れた子供達が一方的に負傷すると、床も壁も関係なく血が飛び散った凄惨な有様となった。
そのゴードンは父から貰った家宝の短剣を腰に挿して、今はモップを振り回して手当たり次第にエルトシャンの仲間を痛めつけていた。
しかも、そこに逃げ遅れた子供が映ると容赦なく暴力の限りを尽くした光景は、一方のエルトシャンが叫ぶような声で『貴様!!何をやっている!!』と、そのまま止めさせようとしたエルトシャンでさえお構い無しに壁に叩き付けた。
ゴードンの腕力はその大柄な体格と合わさって、それは小さな子供なら余裕で放り投げられる。
エルトシャンはゴードンと比べて華奢であり、それは育ちの良さを伺わせる部分もある。
だが、この時は全部が力任せの手の付けようが無い。
それくらい憎しみの激情に取り憑かれたゴードンの暴挙は、エルトシャンも含めて誰にも止められなかった。
しかも、ゴードンの暴挙に加勢する同郷の子供達まで見境無く暴れた事は、その内の一人が積み木ではなく花瓶を投げ付けた。
エルトシャン目掛けて投げられた小さな花瓶は、そのエルトシャンが避けたことで後ろの壁に当たって砕けた。
しかし、その時に砕けた破片の一つが傍で怯えていた女の子の額を切ると、傷口から川のように流れ出した赤黒い血が顔半分を瞬く間に染め上げた。
避けたエルトシャンが思わず奥歯を噛み締めたほど、女の子の負った傷は痛々しく、顔中血塗れで泣き叫びながら。
それだけで、エルトシャンはこの騒動が取り返しの付かない事態だと悟った。
その瞳はまだ取り残されて逃げ出せずにいた他の子供達を映すと、全く無関係な子供達が何人も血を流している。
座り込んだ姿勢で受けた傷の痛みで泣き叫ぶ男の子も。
部屋の隅では知っている女の子が、それよりは小さな女の子を庇う姿も。
壁も床も至る所に血痕が散らばっていた。
・・・・俺は・・・俺は、こんな事をしたかった訳じゃない・・・・
既に手遅れだと分かっている。
それに、こうなった原因は仲間を先に傷付けられたからで、その仲間はうつ伏せにぐったりしたままピクリとも動かないでいる。
けれど、負傷した所からの出血で血溜まりが出来ていた。
エルトシャンはこの喧嘩よりも、今は怪我をして動けずに居る仲間を早く助けたかった。
この時、喧嘩の当事者たちの知らない所で、顔中血塗れで泣き叫びながら逃げ去ったあの女の子が炊事場で保護されたのと入れ替わるようにして、女の子を保護した大人達が大部屋へ駆け込んで来た事が、状況を変化させたのである。
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今回の大騒動は、特にゴードンが大きく関わっている。
大人達にも全く非がない訳ではないが、事実の誤認が導火線へ火を付けたことも事実で、その中でもエルトシャン達を巻き込んで一括りに『悪者』のレッテルを貼った行為は浅慮としか言えない。
証言は幾つもあった。
それは、ルテニアから来た子供達からも、そして元から此処で暮らす子供達からも述べられた。
エルトシャンと同郷の仲間達は、同じ様に避難して来た後から孤立してしまった子供達を率先して仲間の輪に誘うと、そこで互いの生まれ育った町や村は違っても今は仲間だと声を掛けてきた。
実際、孤立感が原因で泣いていた子供が多く、そうした子供達が輪の中に入ってから笑みを取り戻した部分もある。
そこには女の子も多くいて、エルトシャンは元から暮らす子供達の特に女の子に頼み込む事もあった。
女の子同士の方が分かることもあると思う。
それで、未だ馴染めていない子供達の事で力を借りたい。
エルトシャンのそうした行動は、元から暮らす子供達の中で女の子のリーダー的な存在だったシャナが快諾している。
同時に面倒見の良いカールも、この時からエルトシャンとは友達になっていた。
二人が率先して動いたことで、エルトシャン達のグループは雰囲気が良い方向へと向かうはずだった。
それを壊したのが、ゴードンとその仲間達である。
カールもシャナもその事実は分かっていた。
けれど、二人の声は大人達が首を横に振って、大聖堂から来たアンジェリークというシスターからは『貴方達は分かっていないのです』と、そのまま近付かないようにとまで言われている。
しかも、アンジェリークはカールとシャナにまで監視の目を向けたことで、二人はそこからアスランを頼っている。
相談を受けたアスランは、自分はどちらかと言えば常に単独行動している事で、それもあって特に監視もされずにエルトシャンと会っていた。
アスランは、カールとシャナがエルトシャン達を庇って監視されている事実と、二人の話でゴードンという問題を起こしている男子のグループだけが迷惑を掛けている点について、改めて確認を求めに来た事を告げた。
アスランとエルトシャンの話し合いは、特にエルトシャン側にとって救われるものだった。
エルトシャンは自分達側の事情を伝え、それは聞いたアスランにもカールとシャナから聞いた通りの印象を抱かせた。
そう、大人達が事実誤認に囚われている最中の間、実はエストから指導を受けている側の子供達と、貴族の家庭で勉強もしてきたエルトシャンとの間には確かな結び付きを持たせた部分がある。
特にカールとシャナ達は、エルトシャンが何処かしらアスランと重なる感じで、それは知的な印象に拠るものなのだが、それでも信頼に足る人物だと分かっていた。
単独行動が目立つアスランを仲介にして、二つのグループは繋がりを確かなものにすると、大人達がエルトシャン達まで巻き込んで『悪者』扱いしている事については、カールとシャナから自分達も誤解を解く手伝いをする。
そういう空気が出来つつあった中で、これを頓挫させたのもゴードン達だった。
そこに、ゴードンを既に完全な悪者として、同じグループの男子全員を犯罪者のような目線で捉えてたのがアンジェリークだった。
アンジェリークが特にそう抱くようになった原因は、これをゴードン達が作っている。
私室で眠っていたアンジェリークは、部屋に忍び込んだゴードン達によって恥ずかしい思いを刻み付けられた。
まだ穢れのない肢体を触れられたアンジェリークの怒りは大きく、似たような被害を受けた若いシスターが2人。
他にもローブを捲り上げられて下着を晒された被害が幾つも起きている。
アンジェリークがそういう部分で特に潔癖性だった事は、被害の件と合わせてエストからそれらしい話をアスランが聞いている。
そのアスランからカールとシャナにもこの部分の報せは届いた。
同じ様にエルトシャンの耳にも届くと、故にエルトシャンはゴードンと2人で話し合いをしている。
孤児院へやって来たその晩のうちに、ゴードンはそうした問題を既に起こした。
当然、それを知らない者達は、エルトシャンも先にその事を知っていれば仲間には迎えなかった。
ただ、知らずに後から迎えた結果、一括りに纏められて悪者扱いを受けたのである。
つまり、人数が一気に増えてからの数日間。
最初の晩には既に致命的な問題が起きていた。
その事実は当事者と、そして大人達だけが共有していた。
この状態で二日目、三日目とエルトシャン達は知らないまま過ごすと、同じ様にアスランやカールとシャナ達も過ごしている。
エルトシャン達が同じ避難して来た子供達を纏める中で、それはカールとシャナ達も協力して共に良い雰囲気が生まれつつあった時に、ゴードンは自ら一番に成りたい思惑だけで合流した。
そして、アンジェリークはゴードンとエルトシャンの密談を目撃すると、勝手な思い込みで事態を悪化させる土壌に肥料と水を与えてしまった。
それはエストの教え子たちを守ろうとして誤解のまま動いている。
一方で、誤った認識はエルトシャン達までが悪者だとした事で、実際にはエルトシャン達によって新たな仲間意識が芽生えて良い方向へ作用していた状況を、逆に壊す方向へ傾かせた。
流血の惨事に至った原因は、ゴードンとアンジェリークにある。
それでも、二人の部分に的を絞れば最初の加害者はゴードンで、被害を受けたアンジェリークには同情の余地がある。
ただし、アンジェリークの憎むような感情が、ゴードンを反省室へ閉じ込めた際に修道女としても一人の人間としても、決して言ってはならない言葉を紡いでしまった。
『お前のような糞ガキを私は赦さない。それに、お前の家族なんかとっくに殺されているッつうの。銃弾で体中を穴だらけされて。でもまぁ・・・こんな糞ガキの親ですからね。どうせろくでもない屑ゴミ同然の畜生だったのでしょう』
故に、その晩を反省室で明かしたゴードンは表情にも雰囲気にも現れるほど激しい憎悪の感情を内包させていた。
ゴードンが憎悪で怒り狂ったように無差別に暴れた原因を作った張本人。
それは他ならぬ修道女のアンジェリークだった。
騒動が起きる前、アスランは炊事場でこのアンジェリークと言葉を交わして警戒心を抱いた。
何かしら確証があったのではなく、ただ距離を置きたい。
その程度にしかアスランは感じていなかったが、実際にそれは正しかったのである。
34話ですが、33話からの続編となります。
そのため、表現に暴力的な描写などが含まれています。
予めこの点のみ告知させて頂きます。




