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第21話 ◆・・・ 小切手と土地購入 ・・・◆


「我が君。私は我が君へ、この地にこそ。以後の計画へ必要な拠点を置くべきと進言します」


教職員室から大図書館へ、帰って来た早々。

玄関ロビーへ足を踏み入れた途端。

目の前が、ミーミルの作った異世界へと切り替わった。


映る景色は大図書館の玄関ロビーでも。

俺の目の前には、膝を着いて畏まるミーミルが居る。


ただ、開口一番の声には、俺も理解(わか)る所を認めていた。


輪廻の双竜(ウロボロス)と対抗するためのだな。何処かに拠点を構える話は。マイセンに居た頃からしていたしな」

「左様に御座います」

「俺はセントラルアークの件で。それと関係ない学院の事にも。おかげで手一杯な感はあった」

「存じております。ですが」

「ミーミルの進言は、俺も理解(わか)っている。否、理解っていないからこそ。こう進言を受ける形になってしまった」


輪廻の双竜(ウロボロス)と事を構える。

そのためには、俺自身の実力を上げることは勿論。

戦力を整える事も、それも幾度も話し合いを重ねて来た。


今の俺なら、召喚魔法を使う事で、何人かは盟約を交わしてくれるだろう話も聞いている。

ただ、それは学院の寮に住んでいる間は、たとえ個室でも。

俺自身が、これ以上の人数だと狭過ぎるを考えていた。


ティアリス、レーヴァテイン、幻ミーミル、ユミナさん、コルナ、コルキナ、リザイア様、エレン。


一人暮らし用の個室に、この人数は流石に多過ぎるだろ。

しかも、煩い連中が揃っている。


故に、入学後から今も、俺は召喚魔法を行使していなかった。

その上、先月の進級試験の際には、俺自身が大暴れした・・・も言えよう。


だから当然。

俺は大暴れした後からは、もうずっとだ。

学院の事では、新しく何かを定める前に欠かせない事前調査だけで。

あっという間に半月が過ぎ去った。

同時に、簒奪したせいで、傀儡を公言する二人の仕事までが押し寄せている。



塵も積もれば何とやら・・・・どころじゃなかったね!!

大図書館に籠る俺様の所には、段ボール箱に詰められた決済の必要な書類が、連日次々と運ばれてくる。


年度末が原因もあるにはあるが。

生徒達の成績表の確認から、滞納扱いの学費やら寮費やら。

生徒職員が居住している、寮の維持管理に関わる書類も。

学院敷地内に設置してある外灯や花壇・・・ベンチの修繕要請とかなんとかまでが。


もうね!!

これ、どうしても俺が決済しないと処理できない問題なんだろうかって。

そう思える雑多な仕事までが押し寄せて来るんだぞ。


未決扱いの書類が詰まった段ボール箱だけで。

大図書館の一階にある自習スペースには、大きなピラミッドが出来上がったよ。


因みに、ピラミッドを作ったのはプリムラさんです。

俺の目付け役は、暇を理由にピラミッドを作っていましたよ。



という訳で、事実、手一杯な現状はそうでも。

本来の優先順位を考えれば、ミーミルの進言は、最もだろうを理解る。


「簒奪した王立学院の事では、確かに雑多な多忙を極めもしている。だが、俺自身が此処に来た目的は。先ず大図書館に在る探し物を得る事だった。同時に、何処か適した土地が在れば。そこへ以後の拠点を置く」

「左様に御座います」

「まぁ、学院の事では。これは俺自身が関与した以上。やるしかないを理解っている。同時に調べものと、そうして本来の計画も」


ホント、やるべき事が多過ぎだな。

とは言え、王立学院の件では、これが為政者として学ぶ良い機会だと。

そう言ったユミナさんへは、コルナとコルキナも頷いた。


でだ。

ミーミルやティアリスも手伝いはするけど。

基本的には、俺自身の独力で片付けて見せろとな。


『アスラン。この程度が出来なくては。玉座に座するなど夢のまた夢ですよ』


俺自身は、別に何処かの国を治めたい訳でもない。

しかし、ティアリスから誇りに思って貰える王様になるためには、これも避けては通れない。

そう言われるとね。

もう、言い返す余地なんか・・・・何処にも無いんだよ。


「ミーミル。現状の俺は手一杯だ。だけど、そんな俺の状況を理解っていて。それでも進言して来たミーミルには。何か具体的な案が在るんだよな」

「我が君の多忙は、私も心が痛みます。はい、私は此の地を調べた上で。拠点を置くべきだと至りました」

「先に色々と手を尽くさせたみたいだな。ありがとう」

「私は我が君の臣下故。それと、私がこの地に拠点を置くべきと考えた事には。実は、我が君から修復を任されたアレに関しても。私は、アレをこの近くへ移したいと考えています」

「あんなに大きなものだと・・・目立つぞ」

「えぇ、ですから。当面の間はローレライ湖へ沈めておこうかと」

「なる程な。で、それも込みで他にも案を持っているから。進言して来たんだろ」


深く頷くミーミルを映せば。

俺は間もなく、場所を一階の自習スペースへ移した後。

椅子に腰掛けた俺は、向かい側の椅子に腰掛けたミーミルへ。

続きを促した。


ミーミルはテーブルの上に魔法陣を起こすと、間もなく、ズィーロム地方を拡大した立体地図を投影した。

地図で見るズィーロム地方は、ゼロムを起点に、オーランドは南側。

北はローレライ湖が広がると、東西に山脈が在る。


「我が君。私が得た情報によれば、ゼロムより東にあるローレライ湖に接した山の幾つかが。数十年前から廃坑状態となっている模様に御座います。理由は、鉱脈を発見できなかった事によるものと」

「確かにな。鉱脈を見つけられなかった山など。それ以上は、掘るだけ労力の無駄だろう」

「左様に御座います。故に、恐らくは。無駄になった先行投資の回収が狙いかと考えられますが。ゼロムに在る国営の不動産管理公社では。そうした山そのものを。これも何十年と以前より、公売に掛けておりました」


鉱脈を探して掘ったが、結局は見つからずに終わった。

そうして、坑道だけが残る山でも買えってか。


「私が既に根回しもしておりますので。我が君の承認を頂ければ」

「一つ聞くぞ。坑道の奥に拠点を構える、なんて安直な話ではないのだろう」

「勿論で御座います」


即答で返した後のミーミルは、普段よりも真顔で、自らの考えを述べ始めた。


ミーミルの考えは、売りに出された鉱脈の無い山を買い取った後。

俺のユニヴェル・クレアシオンを使って、山の内部に拠点を構える。


魔導革命の発端になった遺跡も、あれも山の内側に設けられた大きな工場の様なものだった。


「・・・・要するに。買い取った山の内部を、あの遺跡の様な感じで作り変える。一先ずイメージとしては、こんなものか」

「その通りに御座います」

「買い取りたい山には、それも目星が付いているのだろう」

「勿論で御座います」

「分かった。じゃあ、話を進めようか」


ミーミルからは、不動産管理公社へ赴けば誰でも貰える。

俺の目の前には、土地価格が記された書類・・・・と言うかチラシだな。


でだ。

ミーミルはローレライ湖と接した山を二つと、その山に連なる山を三つ。

とは言え、廃坑となって棄てられた山には違いない。


だが、計五つの山は、買取金額に換算しても150万リラ程度は要る。

マルク換算なら150億くらいだ。


「うん・・・なぁ、この金額は。流石に高過ぎなのではないか」


恐らくは、実際に不動産管理公社へも赴いたミーミルが、そこで得て来た見積価格なのだろう。

けれど、鉱脈も見つからず、ただ、坑道だけが残っている山だぞ。


俺自身、この金額査定には、高過ぎるを抱いた。

実際、買い取ろうを計画している土地は、公社の書類にも十等地に満たないが記されている。

にも拘わらず、価格査定は、一等地と同等の価格だぞ。


無駄になった先行投資の額が、そこから十分に推測できるな。


「我が君なら、えぇ、そう仰るだろうと思っていました。ですから、私めは根回しをしておいたのです」


ミーミルがした根回しとは、買取価格を、3倍の450万リラへ引き上げた。

代わりに、買い取った山の西側。

山の方から見れば、西側に在るゼロムとの間には、手つかずの平地が広がっている。

麓から市街の端までは、地図で見た限り2キロ程は離れている。


ミーミルは、この手付かずな平地を含めて買い取る。

そういう話をして来たらしい。

購入する土地面積は、ゼロムの東の端から買い取る山をも含めて。

ざっと見ても、5000平方メートルを超えていた。


更には、買い取った後の山から、新たな鉱脈が発見された場合の、採掘権から加工と販売までの権利を全て認めて貰うなど。


因みに、ゼロムの西の端は、此方は隣接する山々が高品質の鉱山だった事が。

街の拡張は、必然して西側へと向けられたそうだ。


そういう訳で、何も出て来なかった東側の方は、だから平地も手付かずだったらしい。

先行投資が無駄になっただけでなく。

ずっと不良債権になっていたのだろうな。


平地を買い取るミーミルの考えは、それも何となく理解る。

本格的な拠点ともなれば、規模は大きくなる筈だ。

航空艦の発着から整備に補給と、建造も含めた話くらいは、マイセンに居た頃からして来た。


あれだよ。

輪廻の双竜(ウロボロス)の一味か本体か。

それは未だ分かっていないけど。

けれど奴らが、ヘイムダル帝国に居るのは分かっている。


つまり。

俺の方の戦力を整える部分には、必然してヘイムダル帝国と一戦交える事が、最初から含まれているんだ。


だからこそ。

軍事拠点とも言えるものを作る俺としては、広大な土地が最初に必要なのさ。


「なる程な。ところで、廃坑から鉱脈は見つかりそうなのか」

「いいえ、現地へは公社の職員に案内させた私の分身を派遣しましたが。彼の土地は元より、鉱山などではありませんでした」

「それを確認した上で、こう条件を乗せた。カモフラージュか」

「左様に御座います」

「俺達が軍事拠点を作ろうとしている。これが知れれば、王宮が黙っていないだろう。必然して妨害どころでは済まなくなるからな」

「えぇ、ですから色々と条項を潜ませました。此方の思惑へは気付きもしない相手ですが。しかし、喜べるだけの金額を積んでいます。向こうは今直ぐにでも締結したいと言っておりますれば」


はははは・・・・・

腹黒ミーミル様ですねぇ。

公社だから恐らく公務員なんだろうけど。


はぁ~・・・可哀想に。

俺は、今だけ同情してやるよ。


「分かった。なら買取りを承認する」


という事でだ。

俺も、契約書のサインには出ないといけないのだろう。

聞いてみると、やっぱりそうだった。


良いよ。

そこまで詰めておいてくれたんだしさ。

サインくらいは、それは赴くさ。


「ミーミル。要塞を兼ねた拠点を作るなら。建設に必要な資材から機械等も必要だな」

「左様に御座います。そのため、此度の出費もですが。以後のためにも、資金は幾らあっても困りません」

「分かった」


マイセンに居た頃から、この点に関しては、そこで資金が幾らあっても困らない話も。

そういう話し合いすら幾度もして来たんだ。

もう、今更だな。


「レーヴァテイン。そういう訳でだ。悪いんだけど、この辺りのギランバッファロー・・・一先ず全部を狩って来てくれるか。後は適度に増えた所で狩りを続けよう。今後のためにも資金が欲しい」


呼ばれたレーヴァテインが姿を現した所で、付け足しは、『今夜は盛大に焼き肉を満喫しよう』もな。

気楽に付き合えるレーヴァテインは、『じゃあ、狩り終えたら呼ぶね♪ 』って、そのまま消える様に出掛けて行ったよ。


まぁ、レーヴァテインの方は、狩った獲物を自分の異世界で保存できるからな。

終わって呼ばれたら、俺はそれを隔離収納すればいい。

後は、市街に在る買い取り所へ持ち込んで、そこで換金の手続きをする。


これで当座の資金には、先にブルージュで得た資金と合わせて、一先ずの余裕も持てる筈だ。

ただし、やはり今後の事を考えれば。

今の内から、他にも資金源を作る必要があるな。



ホント、こうして俺の目の前には、また一つ優先順位の高い仕事が出来たわけだ。


ったく、調べものの続きで大図書館へ来た筈なのにな。

ただ、まぁ・・・土地購入の契約は、これは仕方ないだろう。

ついでに、レーヴァテインの方も終われば、俺は買い取り所へも行く必要がある。


本来の世界へ戻った直後。

俺は気を取り直して、そうして腰掛けていた椅子から立ち上がった。


先ずは、校舎の事務室へ行かないとな。


市街へ赴くなら、外出許可を得ないといけない。

この点もまた、前の仕組みを残したままなんだよ。


近いうちに、俺だけフリーパスの制度を施行しないとな。



結局、今日も大図書館での調べものは、出来ずじまいかな。

閉館が19時だと、それまでに帰って来れればいいけど。

間に合えば、後は異世界の方で調べるからな。


とは言え、大図書館の方も、24時間ずっと利用できる様にするか。


ふぅっと溜息交じりに、ただそこで、ふと思った。



「あぁ、それならいっそのこと。大図書館を、俺の家にすれば良いんだ」


-----


昨日は結局、と言うか、春らしい良い天気もあった。

先ず不動産管理公社での手続きは、その前に国営銀行へ赴いて、俺は小切手帳を発行して貰った。


だって、窓口でね。

通帳を提示した後で、『今直ぐ450万リラ用意してください』って言ったらさ。


通帳の残高には問題ないのに、何故か、職員さんが引き攣った顔になったよ。

で、そこからどうなったのか。


ゼロムに在る国営銀行の支店には、金庫の中に450万リラなんて大金は置いていない。

しかし、俺の方にも、今直ぐ必要な事情がある。

結果、銀行で発行する小切手帳を貰ったのだ。


因みに、発行された小切手帳は、俺の口座専用らしい。

しかも、使った後で俺の所には、間違いないかの確認が一々行われるそうだ。


説明を全部聞いたところで、俺は不動産管理公社へと赴いた。


ミーミルが根回ししていただけはある。

不動産管理公社へは、フォーマルスーツ姿のミーミルと二人で赴いたのだが。

向こうはミーミルを知っている感じで、そのミーミルも『先日の件で』等と言えば。

後はもう案内されるまま。

招かれた個室では、既に出来上がっていた契約書を先ずは確認。


ミーミルから問題なしを受けて、そうして俺はサインを済ませた。

そうそう。

この時に、俺は自分の小切手を一枚。


マイセンでは、銀行も利用した事はあったけど。

小切手を使うなんて、今回が初めてだったね。


450万リラの小切手は、こうして土地取引の契約が完了した。



尚、余談ではあるが。

俺が小切手を使った事へ、公社の担当職員が愕然としていたな。


別に使ったくらいで、驚き過ぎじゃないのか。

更に本物かどうかを、怪しまれもしたけどさ。


俺が渡した小切手は、別の職員が、銀行まで走って確認して来たよ。


結果。

銀行からも公社へ、職員が一人やって来た。


ホント、小切手を使うって、面倒だね。


-----


小切手を使ったせいで、面倒な時間を過ごしたわけだが。


なんにせよ、土地購入の契約は完了した。

で、終わったのを待っていたかのようにね。

俺はレーヴァテインの作った異世界へ招かれると、一体どれだけ狩ったのですかと・・・・


『ニャッハッハッハッハぁ~♪ 王様に喜んで貰えるかなぁって♪ どぉ、アタシも立派に役立ったでしょ♪ 』


ホント、全部狩って来いなんて言ったのは俺だけどな。

見た感じで、ブルージュの時よりも確実に多いのは分った。


隔離収納を終えた後。

元の世界へ戻った俺は、ミーミルとレーヴァテインを連れて。


ただ、そうなるとね。

ティアリスまで並ぶんだ。

結局4人で赴いた買取所も、美人が三人も居るとさ。


凄~く注目されますよ。


因みに、筋肉ムキムキのオッサンが、レーヴァテインへナンパしようとして。

俺は手加減しろって言ったんだけどな。


一言、病院送りになりました。

半年は出て来れないでしょう。


あとね。

俺のティアリスに触ろうなんざ・・・・てめぇら全員、皆殺しにするぞ。


バチバチと稲光を走らせた俺には、そうして近付く奴が一人も居なくなった。

レーヴァテインは、自分の時には怒ってくれなかったから。

それが不満だって、ぶぅぶぅ煩かった。


とまぁ・・・外出しただけで、色々とあったんだ。

ホント、皆を連れて歩くと平穏にはならなさそうだ。


買取りが終わった後。

今回の査定価格が、2千万リラを軽く超えました。


で、ブルージュに続いて分割で入金しますってさ。

あのね。

俺が子供でも、一括で払おうな。


今回は、少しばかり脅してきたよ。



最後、午後からは夕暮れまで。

良い天気だったので、ユイリンに乗って場所をブルージュの方へ。

今度は俺も参加しての狩りを満喫したよ。


毎日の稽古では、そこでも身体を動かしているんだけどな。

ギランバッファローを相手に、思う存分、ティルフィングとレーヴァテインを振るったよ。


追加収入と、絶品肉。

肉はレーヴァテインが焼くので、後は塩とレモンで・・・・


塩は贅沢にピンク色の岩塩です。


学院へ帰って来た時には、殆ど門限時刻だった。

大図書館での調べものは出来なかったが。


気分転換も出来たし、美味い肉で満腹にもなったし。

調べものは、明日からで良いさ。


-----


――― 翌日 ―――


今日は上下ともに黒のプリムラさんから、俺はあの日以降、恒例と化した昼食を強請(ねだ)られた。


「お目付け役のお姉ちゃんを、それで好き放題に覗けるルー君には。食費くらいは負担して貰っても。文句言わせないから♪ 」

「だからって・・・・パスタ三人前の、デザート別腹コースは。太りませんか」

「フフフフ♪ そこはノープロブレムよ。カチュアの通販グッズがあるからね♪ 」


そうだったね。

大食いのプリムラさんは、でも、スタイルが良い理由も聞いている。


付け足しで、教えた最初は逃げて行ったけど。

この人、ホント逞しいから。


プリムラさんは、俺が本当に透視できるのかを。

それを確かめるためだけに、下着だけを何度も着替えて『さぁ、何色か当ててみて」等と。


で、事実、俺が全部を言い当てた後は、言い触らしたりしなければを条件に、好きに覗いて構わない。

そうして、好きに覗かせているのだから。

食事くらいは奢りなさい。


はははは・・・・・はぁ、食費の支出額が、急激な右肩上がりだぜ。


だってさ。

プリムラさん、俺が大図書館に居る時は、昼食だけじゃなく。

夕食まで強請るんだ。


付け足しは、午前と午後のティータイムもだぞ。


「幾ら奢りだからと言っても。普通もっと遠慮しませんか」

「今までずっと、覗かれていたんだと思うとね。元を取らなきゃって。普通は思うわよ」



否、普通はそんな逞しい思考を抱いたりは・・・しないはず。


俺の目付け役は、こうしていつかはトドにでもなりたいのだろう。

実際、それだけよく食べるよ。


ただ、これ以上の支出は、その時にはプリムラさんを。

俺様の資金源として、娼館にでも売りつけてやろう・・・・・・



そう思えるくらい、金食い虫なんですからね。

金しか食わない女なんか、大嫌いだ。


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