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第27話 ◆・・・ 卓を囲む者達だから知る物語 ⑤ ・・・◆


現在よりも約十年前。

ローランディアを治める女王フェリシア・フォン・ルミエールは、それ以前までは小さな温泉郷だったオーランドを、より収益性の高い観光地へと変えるための土地開発に着手した。


そんなオーランドは、火山帯の端の方にある。

これは現在も続く地質調査によって判明している。

噴火を伴う様な火山活動が此処ニ十年以上は無いにしても。

今も続く調査によると、オーランドから最も近い所では南に約三十キロの地点。

此処の地下では周期的な活発化も伺える数値が観測されていた。


フェリシアがオーランドを、本格的な観光地の一つとして土地開発へ着手した当時。

世論には火山活動が観測される点を、故に危惧する声も少なからずあった。


それでも。

フェリシアは地質調査に携わる者達が提出した報告を根拠にして開発へと着手。

当時の住人が百人と満たない温泉郷は、そこから今は住人だけで千人以上となった。


オーランドの目玉は、その一つが宿泊施設ごとに設けてある個性的な温泉くらいも今では有名である。

マーレの営む桟橋付きの一番大きな温泉宿は、王家御用達の看板もそうだが、友好国のサザーランドから態々取り寄せた竹材や石材は、これもサザーランドから職人を招くと造らせた箱庭式の露天風呂が宿の名物になっている。


別の宿では、打たせ湯と言って高所に設けた湯口から温泉を滝の様に流すと、利用客は落下地点で立った姿勢や座った姿勢で身体に湯を当てる。

温泉を用いたマッサージ効果が売りで、此方も利用客からの人気が高い。


後は機材投資に多額の資金が掛かったものの。

導力式の噴流式泡風呂【ジャグジーバス】は、子供から大人までの幅広い世代から大好評だ。


他にも直接の温泉ではないが、サウナに砂風呂や岩盤浴など。

宿一つごとに一施設の温泉は、何れかの宿に宿泊している限りは何処でも自由に無料で利用出来る。

此処の温泉を目当てに訪れる利用客は、そして、多くが温泉巡りを楽しんでいる。


現在では屋外にある公共の休憩所。

此処には足湯で寛げる施設までが作られた。


こうして観光開発が進められたオーランドの各施設は、宿も土産店も同様。

これも景観を考慮した理由が、態とログハウス調の造りで統一されている。


開発の初め、フェリシアは意図してログハウス調の造りで統一を図った。

思惑は単にオーランドのみを観光地へ変える・・・・に留まらなかった。


ゼロムの南部地帯は、地熱を伴う温暖な土地柄からか多種な果実を実らせる木々が幾つもの森林を成していた。

フェリシア自身が直接手掛けたオーランドの土地開発は、オーランドの傍で森林地帯の一つを大きな公園として整備した後。

今では一年を通して利用客で賑わうキャンプ場として名を馳せた。


だが、しかし。

オーランドの観光開発は、確かに多額の観光収入を得られる。

事実、国の収入財源としても無視出来ない一つには育ったものの。

此処で放置できない問題と直面した。


オーランドを含めたズィーロム地方の南部は、そこに人喰い牛として名高い獰猛なギランバッファローが生息している。

他にグリズリーと、比べれば体格は小さくとも常に群れを成す点と獰猛さは引けを取らない狼など。


特に成長して大型化したギランバッファローは事実、武器を携行する軍人と言えども死と隣り合わせを抱ける高脅威な魔獣である。

成長によって大型化したギランバッファローの表皮は、歩兵の標準装備ライフルの通常弾程度が弾かれる。

歩兵がギランバッファローと対峙した際は、徹甲弾を至近距離で撃つ。

確実に負傷させるならこれ以外にない。


オーランドを含むズィーロム地方に赴任する兵士は、故に徹甲弾の携行が義務付けられている。

また、ギランバッファローとの相対を常に想定した事情は、平時の巡回ですら装甲車で行う規定がある他。

歩兵の行動は常に小隊単位を崩さない定めもある。


後は観光地としての安全を維持する事情が、ズィーロム地方においては、このギランバッファローが増え過ぎない様にする名目で。

一月に一回は必ず大掛かりな間引きが続けられていた。


-----


今は自身が女将として経営する宿は、夜も更けたこの時間になっても。

ただ、今宵は昨日の会談でシルビアがフェリシア様へ報せた無視出来ない案件によって。

そのフェリシア様は、だからこそブライト少将を遠回しにゼロムへ赴かせた。


本来の予定なら。

夕食を終えた頃にマーレ自身がゼロムの駐留軍本部へ。

これも適当な用向きでブライト少将を此処に呼び出す手筈だった。


もっとも。

そんな面倒な手間も、今は二階の部屋で眠っている男の子が省いてしまった。

大きくなったアスランは、フェリシア様にとって生涯の模範。

重なる面立ちは際立つ琥珀色の瞳が、あたしも気を許せば緩んだ涙腺がね・・・・・

それくらいの胸いっぱいになったのさ。


マーレは、自身が王宮を去る事になった当時の事件。

誕生日が来ればもう9歳になる少女へ、今も口に出来ない事がある。

だが、しかし。

血の繋がった母親が名付けたクローフィリア様には面影がある。

目鼻立ちは母と重なるを抱ける様になって来た。


反対に内に抱え込む性格が、此処は母と異なる。

本当の母フェリスは、フェリシア様が気に入るくらい周囲をグイグイ引っ張れる。

気付けば自身も引っ張られた力強くも温かいフェリスのそれは、フェリシア様が語る理想の器でもあったのだ。


マーレが把握しているクローフィリアの現在は、本人が自覚する前に・・・・・・

フェリシア様が今の母親から守ろうと遠ざけた事でそうなった。


この件はフェリシア様と自分の他。

クローフィリア様が王立学院に移って以降は、イリア中尉とティルダ少尉までしか知らないでいる部分。


フェリシア様が何故、今の母親から当時は未だ言葉も殆ど話せないクローフィリア様を遠ざけると自身の傍に置き続けたのか。

そして、フェリシア様自身が理解っている筈の王立学院へ隔離したのか。

同時に、クローフィリア様にとって年に一度の帰省の際。

意図してウィリアム王子と現在の妻を、年賀の挨拶を理由にヘイムダル帝国へ赴かせるようになったのか。


全ては、現在の妻に原因がある。

王宮を離れたマーレ自身は、けれど、今でも王宮の詳細を手に取る様に把握し続けている。

有能な部下達が、たとえ自身が去った後でも。

だからこそ、フェリシア様の身の安全を守る手立ては幾つも講じてあるのだ。


あの女は事実、ローランディア王国をヘイムダルの属国にしかねない存在なのだ。

未だ幼いクローフィリア様は、メティスへの入学以前だけでも。

把握している限りで百を超えている。

どれも表向きには事故だと思える暗殺に晒された。

全ては未遂に終えられたが。

フェリシア様は、故に最も安全だと言えるメティスへ隔離した。


そして、現在は凶刃の矛先が自身へ向けられている。

否、フェリシア様は敢て矛先を自身へと向けさせたのだ。


クローフィリア様を不憫にしてしまった。

だけじゃない。

そのせいで、今もフェリシア様は王宮内で神経を尖らせている。


こうなってしまった原因。

それは、間違いなく。

あたし自身に在るのだ。


-----


丸太造りの壁を灯るランタンが、今もオレンジ色の中で人影を映していた。

こうして面子が揃うのはいつ以来だろうか。


だけど、久しぶりに顔を合わせた所で。

そこに懐かしいも久しぶりも。

確かにそれもあるにはある。


「マーレ。あの時の事は、それを貴女に決めさせてしまった。ですが、そこに居たのが私でも。あの場は貴女が下した事と同じ決断をしました。ですから私は貴女に背負わせてしまった・・・・・ごめんなさい」


思い出す度に。

あたしゃね・・・・・どうしても自分に腹が立つのさね。

クローフィリア様を不幸にしてしまった。

フェリシア様まで危険に晒させてしまった。

全部。

あたしのせいなんだ。


そんな大罪人でも不思議じゃないあたしの肩に乗るフェリシア様の手の甲は、歳を取った・・・・・もあるかも知れない。

否、間近に手の甲全体を映しただけで以前よりも骨ばって見えた。

そうも思えるくらい指まで痩せた手へと変わり果てていた。


-----


私には病で先立った夫よりも付き合いが長い。

長い以上に深いを語れる幼馴染みのマーレは、あれ以来ずっと背負い込んだまま今を生きている。

クローフィリアを不幸にしたのは自分だと。

そうやってもう9年も責め続けている。


私は、ローランディアを治める王として。

だから当然。

その責任を全うするためになら自己を犠牲にするくらい躊躇いも無い。


王族とは、それを生まれながらにして課されている。

汗だくになって働かずとも満たされるほどに食べて行ける日々も。

贅沢なシルクを当然のように使った衣服も。

着飾るための装飾品も。

背中から沈み込む様な柔らかいベッドもそう。


私自身の日常は、自分では質素を選びたくとも。

王族に生まれた事と、現在も王位に在る。

ただそれだけで許されない。


そんな私に出来ることは、だから、せめて強く厳しく己を律することなのだ。


当時、急な事態へ、私はシルビア女王ならと先ず抱いた。

同時に、そんなシルビア女王の所には、この事態の当事者でもあるヘイムダルの第一皇女が留学している。


ユフィーリア皇女とは、私がシルビア女王へ会いに行く度に挨拶も会話も交わしている。

彼女は確かに気位が高く気難しい所がある。

でもね。

言葉を交わせば見えてくる。

その為人には、だから、そんな風を演じなければならないのだと。


ユフィーリア皇女を、私は、信を置ける人物だと理解っている。

だからこそ。

あの時の私はマーレへ、いざという時には行使して構わない。

女王のみが決められる全権。

その代理となれる勅を与えた。


マーレにはヘイムダルとの戦争を回避するために。

その為になら私が犠牲になっても構わない。

寧ろ、その程度でローランディアの大地が焼かれずに済むのなら。

この国で日々を営む数多の幸せが壊されずに済むのであれば。


私自身の命など・・・・・・

それくらいを私は、強張ると引き攣っていた幼馴染みへ。

守りたいローランディアの未来さえ託した。


-----


「マーレには今でも感謝しかないのです。クローフィリアは未だ幼い身ではあります。ですが、クローフィリアもまた王族に生まれた以上。その責は幼い程度を理由に免れられるものではありません」


背負い込んだマーレには、これが僅かな救いにもならないくらい。

でも、私は何度でも言うわ。

意思は、はっきり伝える必要がある。


以心伝心。

そんな言葉もあるのは知っている。


でもね。

ちゃんと、自分の声と言葉ではっきり伝える事の方が、比べるまでも無く届くのよ。


ノディオンのオルガ長老の助力すら頂いて臨んだ皇帝との会談は、会談の後は真っ直ぐ私の所へやって来たシルビア女王とオルガ長老。

それからユフィーリア皇女と全権代理を任せたマーレから詳細を聞いている。


皇帝自身が此度の件では、一連の経緯を知らなかった。

だが、故に皇帝は自らの意思に背いた政府関係者の中で責を負うべき者達と、軍においても責を負うべき者達を処断する。


皇帝はローランディアに対して、改めて戦争を仕掛ける意図はない。

その旨を記した親書を、私はこの件では皇帝の代理。

特使ではなく代理を任されたユフィーリア皇女から受け取った。


だが、ヘイムダル帝国とローランディア王国との間に長年燻っている問題。

言わずと知れた魔導技術の件は、これでローランディア王国が帝国にだけ意図的に情報開示を拒んでいる。

そう強く抱く部分が帝国内に在るのは、これも間違いない事実である。


よって此度の事件は、事件の根底を考慮すれば、帝国だけに非が在る事案ではない。


皇帝は親書を通して私へ。

以後もこのような状態が続くを決して望まない。

しかし、この問題が早急に改善されないのであれば、今は無くとも将来は分らぬ・・・・・・


アナハイム事案は、皇帝から私への最後通告とも受け取れる節が明白だった。


一方で、今回の件では悪戯にローランディアへ強い不安を与えてしまった故。

そういう文面での謝罪も繕い記された親書は、両国関係の融和のためにと・・・・・・


皇帝は私の息子ウィリアムへ。

私にとっては事後承諾しか余地が無い。

そう至らせた狡猾な手口は、先の会談の際。

そこで私が全権代理を任せたマーレを脅した。


会談の場は最初、オルガ長老とユフィーリア皇女にシルビア女王も席に着いていたそうだ。

そこから途中、これはローランディアとの個別の件を理由にすると、マーレだけが皇帝と別席を持ったと聞いている。


個別の件とは、先に尋ねたシルビア女王へ。

皇帝の口は『アナハイム事案』だと告げると、マーレが全権を預けられているのであれば、余が自ら少しは良き方向への実りある話をしたい・・・・・・


マーレと皇帝だけが別席を設けた間。

待つ身となったシルビアさん達は、何かしらの譲歩が迫られる。

それくらいも一様に抱いたそうだ。


だけど、この時の別席でマーレは皇帝から直に脅された。

そして、脅されたマーレは、ローランディアに暮らす人々を守るために。

本来は私がしなくてはならない筈の決断を、身を引き裂かれる思いで飲まされた。


―――政略結婚―――


皇帝から飲まされた政略結婚の件は、此処も脅されたがために。

帰国したマーレが、私へ余人を交えない報告をするまでずっと伏せられていた。


私はマーレがどれほど苦しめられたのか。

その事を思うと、この件では後悔してもしきれない。


公には親書を受け取った私の口から初めて明かされた事になっている。

息子のウィリアムへ、皇帝からは娘を嫁がせたい申し出があった。

親書にも記された両国間の関係を良くする兆しとしたい点は、ただ、関係の改善だけ。

此処だけは私も同意と出来る所である。


公になった婚儀の件は、皇帝と血の繋がった娘が我が国へ嫁いでくるのだから。

見様によっては帝国から我が国への人質とも取れる。


つまりは、人質が居る以上、ヘイムダルからは仕掛けて来ないを思わせられる。

実際、我が国でもこの見方が大勢を占めていた。


-----


ヘイムダル帝国の皇帝には、実際、妻なのか愛妾なのか。

公にはどれも妃とされているが、その判別は困難な所がある。

皇帝とは幾度か会う機会もあったが、そこに妃とされる女性を一人として伴ったことは無い。

故にどの女性が真に妃なのか。

或いは全員が事実、妃で、ただし、妃の側に序列がある。

この点は、今もこれが確定と言えないでいる。


まぁ、私がそこで何を言いたいのか。

要するに、娘と言えども。

それも簡単に切り捨てられる類なのではないのかという懸念が、最初から胸の内に在って拭えなかったのだ。


親書を受け取った日の内に、婚儀の日取りも定まった。


その頃の皇帝の娘を嫁がされる息子は、しかし、立ち直る兆しすら見えて来ない。

フェリスが亡くなってからの抜け殻も同然な状態にあるウィリアムは、言葉を発することも無ければ無気力に振る舞うと私室からも出て来なくなった。


物静かで落ち着いた懐の深い好青年。

周囲からそうも呼ばれたウィリアムは、ただ、母から言わせると内気で抱え込み性でしかない。

馬鹿正直に周り全部の主張を受け止めてしまうと、食事が喉を通らなくなるほど苛まれる。


だからフェリスは、ウィリアムにとって太陽に等しい存在だった。

フェリスは私へ、息子の抱え込む性分は、だけど悪い事じゃない。


『ウィリアムは、皆が仲良く出来るように。だから、どうしても考え込んでしまうんです。眠れなくなったり口に入れたものを戻してしまうくらい苦しんで。だけど、これも・・・・』


・・・・・それくらい自分を犠牲にした献身だって。私は、そんなウィリアムを傍で支えようって・・・・・


フェリスが居れば大丈夫。

そう思えるくらい私にとっても彼女は大切な存在だった。


だけに。

ウィリアムの心がどれ程に深く傷付いたかなど。


それを分かっている筈の私は、自らの手で更に抉ってしまった。


全てが決まった後。

私はウィリアムを呼び出した。

けれど、困り果てた侍従たちから息子が部屋から出て来ないを受けて。

仕方なく私は自ら息子の所へ赴いた。


何度ノックをしても声を掛けても開かない扉を、腹が立った私はドアを壊すも同然に開けて踏み入った。

途端、鼻にツンと来る異臭が、思わず手で口元を押さえさせていた。

私の瞳には、顔も洗わず着替えさえしていないのではを抱かせた。

掃除もされていないを伺える室内で酷い身形に映った息子は、隅の方で椅子にもたれたまま無反応だった。


私が息子の頬を最後に叩いたのは、いつだっただろうか。

結婚して娘を持つ父親にもなった筈の息子を、その時の私は容赦なく叩くと、感情を全て叩き付けるが如く怒鳴っていた。


皇帝の娘を妻にする件。

思わず怒鳴り付けた私へ、頬を赤く腫らすと唇の端から血も流していた息子は、けれど、項垂れたまま力無い小さ過ぎる声が「分かりました」とだけ。

か細く聞き取り難い声での一言を最後。

息子は今度こそ無口になってしまった。


我が国へ皇帝も来訪すると列席した婚儀の日。

息子ウィリアムは、この時に初めて顔を合わせた皇帝の娘へ心を奪われた。

私も顔だけならフェリスと似ているを抱かせたイザベラは、その似ている顔だけで息子を盲目にしてしまったのだ。


イザベラは顔だけがフェリスと似ている。

とは言え、髪色はフェリスが濃い栗色で、イザベラは金色。

フェリスの瞳が紫色で、イザベラは青と細かくは異なる。

他に活発的で行動力もあるフェリスの肌色が健康的にも映るのとは反対に、イザベラの方は一日中をサロンで寛ぐのが当然。

必要毎は一々、侍従を呼びつけて命じると、その肌は化粧で白く染められている。

爪も濃い赤色を塗るイザベラは、化粧が崩れる事を毛ほどであっても嫌悪した。


自分が皇帝の娘だからと周囲への上から目線もそう。

私は、顔しか似ていないイザベラを、故に今も好ましく抱けないでいる。


記憶に残るフェリスは、最初こそ出自が低いを理由に王宮内では歓迎されない空気もあった。

けれど、フェリスは自身の行動と振る舞いによって王宮内でも認められる・・・・・どころか敬われる存在へとなった。


それくらい違う面を持つイザベラは、にも拘らず盲目の人となり果てたウィリアムが言いなりも同然になってしまった事が、これもあるから王太子に等させられない。


だが、二人の間には結婚から一年と経たずに娘が生まれた。

母譲りの髪と瞳を持って生まれた娘の名はフローラ。


そして、このフローラが生まれた後。

クローフィリアは、その命をイザベラに脅かされるようになったのだ。


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