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変な話まとめ  作者: 七竃
1/5

残念な話【殺人・食人】

起:

 朝起きたら、自分のベッドの上で、死体が寝ていた。

承:

 身元は分かっている。 僕のクラスメイトだから。

 殺した覚えはないのだが、恐らく僕が犯人だろう。

 昨日の記憶が曖昧だ。 床に転がった空の缶ビールを見るに、酔っ払って揉めたのだろう。

 さて、どうしようか。 死体を前に、考える。

 隠蔽しようにも、どうやったっていつかはばれる。

「困ったな……」

 とりあえず、僕は台所に向かった。

 腹が空いたから、朝食を作ろう。 何となく、肉は避けた。

 目玉焼きと食パンを牛乳で胃に流し込み、僕は部屋に戻った。

 といっても1K の安いアパートだから、廊下と呼びがたい短い距離を歩けばすぐそこだけど。

「オハヨウ、だーりん」

 部屋に戻った途端、背後から声をかけられた。

 ここは僕の部屋だ。 僕(と死体)以外誰もいないはず。

「誰だ?」

転:

 振り返ると、バスルームからバスタオル一枚巻いただけの女が出てきた。

 全裸の上にバスタオル一枚巻いただけの女だ。 痴女か。

「ネエだーりん、オナカガスイタワ」

 痴女が僕の腕に絡みついて、豊満な胸を押しつける。

 離れろ痴女め。 僕はお前の「だーりん」ではない。 というかお前に構っている暇はない。

「アレ、タベテイイヨネ?」

 ベッドの上の死体を指さし、痴女が言った。

 こいつは人外か。 あれは人間の死体だ。

 家畜やらなんやらならまだしも、人間を食うのか。

 しかし、こうも考えられる。

 この痴女がこの死体を食べれば、死体は発見されない。

 そうなれば、僕は助かるんじゃないか。

 しかし骨が残っては困る。

 さて、どうしたものか。

「ネエネエだーりんオネガイ」

 見開かれた目が上目使いに僕を見る。

 どうせ身が残ったって骨が残ったって一緒じゃないか。

 骨だけの方が少ないし、そもそもこの痴女は人間じゃないんだ。

 きっと骨まで食べられるだろう。

結:

「骨まで残さず食べてね、ハニー」

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