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聖剣の守り人  作者: しーまん
第一章
8/15

8

お話の都合上、一部修正しました。


例の少女が登場します。

いったい誰なのか…。


「全く獲物がいないじゃない!!」


イライラしながら、守人に八つ当たりをする紗綾。


「だから…、ここはウルボスの森じゃねえっての。この先に、町があるから、そこで情報…」


全く信用していない紗綾に、何度も説明している守人が、言葉を止める。


「…まずい。なんか接近してくるぞ。」


前を歩いている紗綾にそう伝えると、紗綾は、めんどくさそうに、守人の方へ向く。


「あぁ?…わぁ!」


紗綾が、守人の方へ向いた途端、ガシッと、腕を掴まれ、木の茂みへと引っ張り込まれた。


「ちょっと!そんなに殺され…」


守人の急な行動に、文句を言いかけた紗綾だったが、守人に手で口をふさがれてしまった。


「しっ!誰かが通る。」


もごもごと、暴れそうな紗綾に小声で説明する守人。

すると、今まで守人達がいた場所へ、何人かの人が集まってきた。

守人の位置からは、顔までは確認できないが、服装は、確認できた。

服装は、守人達が来ている学生服に似ており、複数人が同じ服装をしていることから、学生だと、守人は判断した。


「確かに、この場所の近くに居るはずだ。」


男性が話している。


「もう少し、ここら辺を入念し探しましょう。バルサ様が言うんだから、間違いないはずよ。」


今度は、女性が話しているようだ。


「あの紋章…。」


守人は、学生服についている紋章を見て、気がついた。


「そうじゃ。あれは、ノースト王国の紋章じゃな。」


「やっぱり。ってか、お前詳しいな。」


「まぁーのう。」


「ん?…なんだ?お前、しゃべり方変わったか?」


声に、違和感を感じ、声する方向へ視線を向けると、知らない女の子が守人の隣に居た。

その少女は、目の瞳は赤く、髪の色は金色で、肩位まで伸びていた。


「そんなことは、ないぞ。昔からじゃ。」


当たり前のように話す、謎の女の子。


「…誰?…。ってか、紗綾は!!」


今まで、守人に抑えられていた紗綾が居なくなっている事に気がつく。


「あの娘の事か?」


謎の少女はそう言って、指をさす。

その指の先を目で追う守人。


「さぁ。始めましょうか。」


腕を組んで、複数人にメンチ切っているアホな少女がそこには…居た。


「あぁ?なんだこいつは?」


男子生徒が紗綾に向かって言うと、女子生徒が、あることに気がついた。


「この制服…。間違いないわ!!バルサ様が探していた少女…ってことは、もう一人居るはず!」


女子生徒の声に反応するように、ぞろぞろと、生徒が集まってきた。


「グダグダ言ってないで、全員まとめてブチ抜い…」


紗綾が、威勢の言い台詞を吐き終わる前に、守人が、その間に割って入った。


「失礼しました!!」


そう言うと、右手には、謎の少女、左手には紗綾を抱へ、呪文を唱えた。


「ウィング!!」


守人が呪文を唱えた瞬間、足に薄い羽根の様な物が現れた。


「では!!」


そう言うと、風を蹴るように、物凄いスピードでその場を後にする。

「待て!!」と、追いかけてくる学生たちだが、どんどん守人達との距離は離れて行った。


「さてっ。ここまでくれば。」


そう言って守人は、地上に降りる。


「で、何で邪魔したの!!せっかくの獲物を!!。」


「いやいや、紗綾さん…。制服ちゃんと見ましたか?」


「あぁ。私たちの来ていた制服と少しばっかり違ってたわね…。で?」


「で?じゃねぇ!だから、何度も言うように、これは試験じゃない。」


「じゃ~なによ?」


「…分からん。けど、ノースト王国に転送された事は分かった。」


「何で私らが、敵対国に飛ばされんのよ?」


「…わからん。なんでだ?お前は何か知っているんだろ?」


他人事のように、二人の話を聞いている謎の少女に守人は、話を振る。


「ん~?何でじゃろうな?まぁノースト王国は、各国の強い学生をさらっている…なんて噂もあるからの。」


守人の問いに対し、興味なさそうに答える謎の少女。


「俺ら高等部1年目の新人をか…?あまり考えられんが…。」


謎の少女の答えに納得のいっていない守人は、次に、謎の少女の事について聞く。


「で、君は、何者なんだ?追われているっぽいけど…。」


「ワシの名は、ニーナじゃ。詳しい話は…そうじゃの。とりあえず、近くの町へ行くかの。お主たちも、そのつもりだったのじゃろ?」


町へ行くことを提案するニーナに、紗綾が、反論する。


「とはいっても、私たち追われているんでしょ?町行って大丈夫なの?」


その問いに対して、守人が答えた。


「あぁ。多分俺らを追っているのは、学園の誰かだ。国は関わっちゃいない。」


「何で言いきれるのよ?」


「国を挙げて、俺ら違う国の学生を捉えようとすれば、国が黙っちゃいない。戦争レベルまで発展する。


けど、学生同士であれば、ただの喧嘩どまりだろ?国が学園都市ってのを設けているのも、国ではできない問題を解決する為ってのが大きな理由の一つだ。」


「…なるほど。」


そう守人が説明すると、素直に納得する紗綾。


「まあ。大体そんなところじゃ。が、その格好では、ちょいと無理じゃな。」


ニーナは、そう言って二人の服を指差す。

ニーナの服装は、ピンク色のワンピースにピンク色のカーディガンをはおり、サンダル姿。

一見、町娘にしか見えないが、それに対し、守人、紗綾の服装は、『アステマ王国から、来ました。』と言わんばかりの、学生服だ。


「じゃー。とりあえず狩りね。」


そう言って、ニヤリと笑う紗綾に、乗っかるように、ニーナが言う。


「じゃな。」


「…血の気の多い子たちだこと…。」


そう言って、項垂れる守人だった。

ニーナと名乗る謎の少女の正体は、次回明らかに…?


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