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聖剣の守り人  作者: しーまん
第一章
7/15

7

新キャラが登場します。

是非ご期待!!


「学園長、緊急事態です。」


そう言って学園長室の扉を乱暴に開ける男性教官。


「知っている。まさか、私の術式を崩すとは…。」


大きな窓から、睨みつけるように外を見ながら、学園長は、淡々と話す。


「で、どこからか、分かったのか?」


そう質問し、男性教官の方へ振り返る学園長に、男性教官が答える。


「詳細は現在調査中ですが…二人は、ノースト王国へ転送されたようです。」


「ふん。だろうな。大体、想像はしていたが…だが、どうやって…。とりあえず、調査を急がせろ。」


学園長は、男性教官に命令する。

男性教官は、「はっ。」と返事をし、学園長室を足早に出て行った。


「ノースト王国…か。」


そう呟いた学園長は、椅子に腰かけ、大きな窓から、睨みつけるように外を見るのだった。




バシュン!!音と共に、光に包まれた、紗綾、守人の姿が現れる。


「ここは…」


転送された場所を認識する為、辺りを見回す守人。


「そろそろ手を離しなさいよ!!」


ガッっと掴まれていた手を、乱暴に振り払う紗綾に、守人が言う。


「あぁ。悪い。…とりあえず、身を隠せる場所は…」


「ってか、ここどこよ。森っていう割には、木が少なすぎない?」


紗綾と守人が転送された場所は、紗綾の言うとおり、森ではなさそうだ。

所々に、木はあるが、森と呼べるような場所ではなく、森と言うより、草原と言った方が、しっくりくる。


「ここは、ウルボスの森じゃない。学園から転送される際、割り込みで別の転送魔法がかけられた…でも。」


言いかけて、何やら考え込む守人に、イライラしたように紗綾が、言う。


「でも。何よ?何言っての、さっきから。」


「分かりやすく言うと、全然知らない変な場所へ飛ばされたってことだ。」


非常に簡潔に、説明する守人に、素早いローキックを炸裂させる紗綾。


「いって…」


「いて、じゃないわよ。な~に、想像してんのよ。あんた、病気なの?中二なんたら病ってやつでしょ。」


守人の言っていることを、中学二年生にこじらす病気と勘違いしている紗綾は、守人の言っていることを全く信用していなかった。


「なんたらは、いらん。で、紗綾さん…何処へいくんで?」


守人を無視するように、スタスタと、先へ進んでいく紗綾に、尋ねる守人。


「はぁ~。」


深いため息をつき、頭の悪い可哀そうな子供を見るように、守人に向かって説明を始めた。


「いい。今は、試験中?分かる?振り分け試験中なの。だ・か・ら、獲物を探すにきまってんだろ!!」


最終的には、怒鳴り声に変わった紗綾は、クルリと、前を向き直し、スタスタと進み始めた。

深いためいくをつき、紗綾の後について行く守人だった。




ダッダッダッ!!豪華な広い廊下を走る二つの足音が、これまた豪華な大きい扉の前で止まる。

男性が、扉の先に居る誰かに呼び掛ける。


「学園長!!居らっしゃいますか。」


すると、ギィーっと、扉がゆっくりと開かれ、部屋の中から、声がした。


「さわがしいですね。どうしたんですか。」


部屋に居たのは、若い男性。

目は細く、真っ黒でサラサラな髪は、肩まであり、おかっぱの様な髪型をしている。

真っ黒なローブを身にまとい、豪華なイスに、腰かけていた。


「失礼いたします。」


そう言って、二人の男性は、部屋の中へ入り、片膝を着き、頭を下げる。


「2点、ご報告があります。」


二人のうち、年配の男性が、報告する。


「1点は、アステマ王国の二人を、我が国、ノースト王国への転送が完了しましたが、何処に居るかは、現状捜索中です。」


「ああ。それは仕方ありませんね。あの閻魔の術式です。多少の誤差は仕方ない。で、もう一点は?」


ニコニコ笑顔で、淡々と話すオカッパの男性。


「はっ。もう1点につきましては…。」


言いずらい事なのか、少し言葉をためた年配男性は、続けて話し始めた。


「例の少女が、脱走しましたが、すぐに見つけてみせます…。」


年配男性の額からは、汗がびっしょりと出ており、体が震えている。

すべての報告を聞き終えた後、ニコニコ笑顔の表情を崩さずに、オカッパ男性が、話し始めた。


「あはは。そうですか、脱走しちゃったんですね。」


そう言って、オカッパ男性がパチン!!と、指を鳴らした瞬間。

年配男性の体に異変が起きた。


「くぅぅ…」


年配男性は、心臓を抑える様に苦しみだし、数秒後、バタン!!と音を立てて倒れ、こと切れた。


「ひぃぃ。」


隣に居た、若い男性は、恐怖のあまり、声を上げ、ブルブルと震えている。


「確か…。その方は、指揮官でしたね。では…」


淡々と話すオカッパ男性は、一瞬言葉を溜めて、若い男性を指差し、言った。


「次は、あなたが指揮官です。」


ニコニコ笑顔で話す、オカッパ男性に、「は…ひぃ…。」と震える声で返事をする。


「それから、三名の捜索は、あくまで学園側でやります。国を挟むわけにはいきません。」


オカッパ男性は、そう言って、ニヤリと笑いながら、話を続ける。


「あなたも、国同士の戦争は嫌でしょ。」


恐怖のあまり、若い男性は、返事すらできなかった。


「以上です。早急に見つけてくださいね。」


その言葉を聞き、逃げるように、部屋を出ていく指揮官。

オカッパ男性は、意味ありげに、ニヤリと笑っていた。

謎の少女とは?

オカッパ男性の正体とは?

紗綾と守人は一体どうなる!?

次回へつづきます。

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