↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/1

倭の国を出て暹羅(シャム)に行きたいんだが・・・

処女作です。まだまだ編集していく予定です。

激しく甲板を叩きつける豪雨、荒れ狂う海のうえ何隻もの船が火の手を上げて、沈んでゆく。


傾いた甲板の上に一人の男が、必死になにか叫んでいる。



男の名はキクシロ、彼は乱暴に具足を脱ぎ捨て、海へと飛び込んだ。


「今行く!死ぬな!」

キクシロが向かう先には、海に浮かぶ木片があり、それにしがみつく者が居た。

キクシロは必死になって泳いだ。

しかし、荒波にもまれ、前に進めない。


あたりに荒々しく何かが折れていく音がした。帆柱が倒れ、目の前を塞いだ。


波の流れがかわりキクシロは流され、海の中に引きずり込まれた。

意識が遠くなる・・・あたりは恐ろしく静まりかえった。微かな波の音だけが耳に残る、暗く重い底へ底へと無力に沈んでいく・・・

。


不意に目が覚めた。辺りの状況を確認する。

〈あの頃の夢・・・〉


薄暗い船室で目を覚ました男が居た。

紅い髪の毛を結って髷をつくり、つぎはぎの衣をまとい、右腕には倭の国の籠手をはめている。

凛々しい顔には、左頬には火傷の跡があり、まさに猛者と言った威圧感がある、首にはロザリオが下がっており、十字架は銀で作られ、手がこった細工がほどこしてあった。


船に乗るとあの頃、あの時の事を思い出す。


「キクシロ」

赤毛の男が静かに呟く、主君からいただいた大事な名前である。

キクシロは十字架を握りしめ、祈る様に頭を下げた。


「ひもじい」

思わず口にしてしまった。

無理もない、ここ2日ろくな物を口にしていない。


「クソ、暹羅にはまだ着かんのか」

腹の空いた苛立ちでついつい口に出てしまった。


「ボヤキなさるな赤毛の旦那」

キクシロはギクリとし、声のした方に目を凝らす。

そこには自称、道士と名のるコウ・ホウボウという男がいた。

道教の修行で仙術を得たと言っていたが、怪しいものだ。


白い髪が光の加減で銀髪に見え、目は切れ長で整った顔立ちだ。

着物は汚れてはいるが、それなりに立派だ。

黙っていればさぞかし女にもてるたわろう。

だが、このニタニタと笑いかけてくるしぐさが、怪しさを際だたせせる。


「赤毛の旦那、どうですか?1杯」


ホウボウは濁酒を出し眉を緩め笑いかけてくる。

〈こいつは・・・案外良い奴かもしれない〉などと調子の良いことを考えながら、キクシロは頂こうとうなづく

一杯すすると深い甘みのある酒で飲みやすい。


ついつい酒がすすむ、しかし空腹のせいか、すぐに酔いが廻る。


「旦那、見たところ歴戦の猛者の様で、ひとつ武勇伝を聞かせてもらいやせんか?」


「あまりそういった話しはしないのだが」

そう言うと、濁酒をすする、まあまだ時間があるようだし、何よりちそうになったのだと思い、ゆっくりと話し始めた。






このキクシロと言う男は、やはり歴戦の猛者だ。

そうホウボウは思った。


文禄の役、慶長の役、そして関ヶ原の合戦

大きく分ければ、この三を経験したらしい、どれも有名な戦さだ。


戦場を駆けた様をキクシロは話てくれた。


だが気になる事がひとつある、首に掛けている十字の首飾り、あれは確かキリシタンが身に付けていた物だ。

この倭の国はキリシタンは禁止され、こういった飾りは出回らないはずでは?



「ところで赤毛の旦那、その首飾りは何処で、手にいれなさった」



キクシロはロザリオに軽く触れ

「コレは、主君から頂いたお守りだ」

酔いが廻り、話がはずむ。


あれはまだ15歳の時だった。

キクシロは文禄の役で、朝鮮にわたっていた。

初陣だった。

戦さに対する恐怖心がキクシロを包む、耐えかねたキクシロは、脱走を企てた。


この時、盗みまで働いた。

しかし浅はかな企ては、すぐにばれ、使えていた主君の前に連れて行かれた。


盗んだ物が、主君の持っていた銀製の皿やカップだったからだ。

銀を通貨として使っていた明の影響で、朝鮮でも銀をそのまま通貨に使えると考えたからだ。


キクシロはとっさに嘘を吐いていた。

「これらは、主君からもらったものです」

我ながら馬鹿げた嘘だ。

だが・・・


「そのとうりだよ」

主君の答えに呆気にとらわれる・・・

「私が彼に間者働きを命じたのだよ」

それから・・・と続けてこう言うのだ。


「御守りをわたすのを忘れていたよ」

そう言うと、このロザリオをわたされたんだよ。

キクシロは語ってくれた。


このキクシロと言う浪人、使えるかもしれない。

彼の話しを聞き、コウ・ホウボウは思うのだ。


それなりに信用出来る話しであったし、その人柄に惚れはじめている。


それに・・・


「おい!聞いているのか?」

キクシロのとおった声にコウ・ホウボウは、我にかえった。


「すまない、いやすいやせん」と焦り謝るコウ・ホウボウ

その後ろから船室に顔をのぞかせた水夫が誰かの名前を呼んだ。

「リ・ボクシュウ殿」

軽く説明


暹羅(シャム)は今で云うタイの事デス!

これだけです、はい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。