街
いつものことですが……遅くなりました。
例の改稿版NewLifeですが、ちょっと悩み中です。
皆さんの感想などで寄せられた意見を取り入れながら進めてるんですが……日常部分て重要ですかね?
日常部が欲しいとは言われていたんですが……少し悩んでます
キャンプ地に戻るとキーヴ達もいて、みんなで火を囲んでいた。
キーヴ達に俺たちが付き合うことになったと伝えるとエルファ達に良かったなと声をかけていた。そんなキーヴには猫隊長がくっ付いていた。そちらもラヴラヴそうでなによりです。
ヴィーナ達は俺たちがまだ付き合っていなかったことに驚いていた。一夫多妻も普通らしい。優秀な雄が雌を囲うのは当然だそうだ。
で、これをきっかけにテントを分けることになった。キーヴと猫隊長が二人用テント。俺とエルファ、ティア、ミコが五人用テント。エリザをどうしようということになって、ヴィーナとロロの護衛という形で三人用テントになった。夜の見張りも各テントで順番を決めた。キーヴ達は二人になるのでヴィーナ達の護衛の中から二人付いてもらった。
せっかく恋人になったのでいちゃつきたいところだけど、場所が場所だし、状況もあるということで、街に入ってからと決めた。しっかり寝て見張りに専念した。
何も起こらず朝を迎え、サクッと食事を済ませて早速街へ向かった。昨日、門が閉まる前に戻れそうだったと言っていたのでそんなに遠くないだろうと思っていたら一時間半くらいで付いた。こっちにくる前の感覚だと遠い様な気がするが、近いのかな? 少し感覚が慣れるまで時間がかかりそうだ。
肝心の街は結構大きい。水路沿いに走ってきたのだけど、藪も整理され石積みの水路になっている。その周りは獣避けの柵で覆われた農地になっていて、もうすでに農作業をしている人もいる。亜人が多いようだが、人間種もいる。
街も石積みのかなり高い壁で囲われていて門も俺の身長の三倍くらいありそうだ。今日は馬車じゃなくみんな騎上なので余計に大きく見えるのかもしれない。無駄にでかいと言ったら騎獣には大型の者もいるのでと返ってきた。騎獣、乗ってみたい。と思ったらカイザーが首をこっちに回してきた。別にお前に不満があるわけじゃないよ?
「巫女様! ご無事で何よりです。そちらの方が?」
門を通る時に門番が声をかけてきた。やっぱり結構な重要人物のようだ。
「はい。通行証の発行をお願いします」
「かしこまりました。後ほどお届けします」
「では私の館に」
「は!」
門番とのやり取りを済ませると馬車を進める護衛の人。名前、聞いたけどなんだっけ? エルフの彼女だ。門番は敬礼で見送っている。
「で、この後俺らはどうすればいいんだ?」
何をするとも決まってないからとりあえずみんなで休めるところと話し合う時間が欲しい。
「今日はとりあえず私達巫女の館へ来てください」
門をくぐると意外と発展していると思った。まず道が石畳で敷き詰められて区画整備がされている。建物も木造と石造りとの二通りあって二階建ての建物も多い。
「すごい、都って感じだ」
雑然としてなくてきちんと整理されている。馬や馬車の通るところと歩道が分けられているし。
「もともとここは昔の古都を再利用していると聞いています。道などは当時の物を修繕して使っているそうで」
彼女らの祖先が来た時には建物は崩壊していたが、塀や門などはほとんど崩れず残っていたのだという。こんな大きな街を放棄していくとはいったい何があったのか。
「理由は分かってませんが、どうやらその当時、この土地は住むことができない土地とされていたそうです。今でも他国ではこの一帯は不毛の土地とされています。事実この土地の周囲は広く砂漠と岩山に囲まれています。ここに来ようとする人は何かの理由があって逃げてきた者達くらいです。そのため私たちは安全だとも言えますが」
カタカタと石畳を走る馬車から軽く身を乗り出してロロが語る。
「ですが数十年後にはここも侵略されるかもしれません。徐々にですがこちら側の森が砂漠へと伸びているのです。理由は分かっていませんが……」
そんな事を話していると前方に大きな石造りの神殿が見えてきた。これぞ神殿って感じか。本殿っぽいのと左右に小さな拝殿? っぽいのがある。
「あれが神々が祀られた神殿です。あの裏手に私たちの住む館があります」
神殿を迂回して行くと木造家屋があった。思っていたより小さい。神殿ほどでは無いにしても、もう少し大きいと思っていた。
「思ってたよりちっちゃいね」
ティアも同じ様に思ったらしく、呟いていた。
「あれは巫女の関係者だけが住む館ですから。今は私達と使用人などで暮らしてます。それでも部屋は余ってますが」
「私達が入っても良いものなの?」
「はい。私達が神託として受けたことですので問題ありません」
なんともなく聞いていたらキーヴが馬を寄せてきた。
「なあ。巫女達の関係者って女性がほとんどだよな?」
「……まあ、そうだろうな」
「俺もハーレムできるかな」
……なぜそれを俺に聞くかね? ちらっと猫将軍を見ると特に気にしてなさそうだ。聞こえてないだけかもしれんけど。
「お互い納得してたら良いんじゃないかな。なんか話聞く限りじゃ大丈夫そうだし」
「ん。よし、なんか気合入ってきたかもしれん」
「……そうか」
なんか、ロロ達とあったからかみんな前向きだな。




