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New Life  作者: basi
64/69

第一遭遇?

お待たせしました

感想ありがとうございます。

返信はしていませんが読ませていただいております。

見えてきたのは馬車だろうか? 箱状のものと馬らしきものが数頭だ。

「ティア、罠は?」

「渡河防止が一つ、こっちに来られた時用にもう一つ。両方魔法罠だけど、前より小規模なものしかできないよ」

「分かった。とりあえず対話で、無理そうなら威圧をかける。自分たちの命を最優先で考えて行こう」

 俺の声にみんなが頷く。

 そんな確認をしていると、ハッキリと視認できる距離にまで近づいてきた。馬車が一台とその周りに騎馬が五騎だ。

 速度を上げて走ってきたが、こちらが制止させる前に速度を落とし、ついに停止した。

「???」

 キーヴ達と顔を見合わせるが警戒は怠らない。騎馬は全身鎧ではなく、動きやすいレザー装備をしている。背中には弓を背負っているので、いつ射られても反応できるように構える。

 先に動いたのは騎馬の方だった。全員が一斉に下馬し、二名が馬車に、三名はその場で待機をした。

 次に馬車から二人の獣人が降りてきた。ゲームでは犬と猫の獣人しかいないはずだが、降りてきたのはどこから見てもウサギの耳を持った女性と、狐の尻尾にしか見えない尻尾が二本生えた女性だった。

「新しいアップデートでの新種族だと思うか?」

「いや。それだと先行組から不平不満が盛り沢山だろうぜ」

「でも今までに見たことはない種族ですよね。それよりどうします? 向こうはどうも戦闘するような雰囲気じゃないみたいですが」

 一応警戒を解かず、こそこそと話していると降りてきた二人がゆっくりと近づいてきた。残りは馬の世話などをし始めた。

 しばらく様子を見ていたのだが、川までもう十歩というとこまで来たあたりで声をかけることにした。

「止まってくれ。あんた達が何者かわからん以上、それ以上に近づく事は見過ごせない」

 軽く両手を腰に近づけ、いつでも刀を抜けるぞとアピールする。ちらっと後ろに視線をやり、エルファ達に合図をすると、理解したのか軽く魔法を常駐させ始める。もちろん牽制用の低威力の魔法だ。

 それを見て、こちらに近づくのを止めたようだ。代わりに話しかけてきた。

「私達は敵じゃありません。収めてください」

 と、ウサ耳が言ってきたが。

「そう言われて簡単に警戒を解く訳にはいかないね。隙をついてやられたんじゃたまらない」

 言葉だけでは信用できないからな。

「待ってください。私たちは反神教派の者です」

 は? なんだそりゃ。

「ハンシンキョウハってなんだ」

 キーヴも疑問に思ったらしいが。

「俺が知るか」

 なぜ俺の方に聞くんだよ。


 警戒を解かないままの会話となった。

 世界は『神教派』と『反神教派』の二つに分かれているらしい。

 『神教派』は主に人間の住む国だそうだ。その昔、能力の平凡な人間に神々が巫女を定め、巫女に神託を下したらしい。その神託を元に、人間たちは発展し数を増やしていった。その過程で教会を作り、さらに他の種族には神託がないと判明し、自分たちが神に選ばれたと他種族を見下し始めたそうだ。結果、人間は他種族を狩り、奴隷とし始めたと。

 それを見た神々は他種族にも神託を下しだした。しかし、それを知った人間は他種族の神託を下す神を邪神とし、弾圧を強めた。そんな事が続いた結果、神は人間への神託を止めたのだが、それを他種族が邪神をあがめているからだとし、殲滅しようと乗り出した。それを見た神は人間達に再び神託を授けたのだが、それがさらに混迷を極めたそうだ。

 巫女になる資質は性根に関係なく能力依存であるらしい。それが災いしたそうだ。人間の中でも性根の良い巫女は神々の言葉を信じてそのままを伝えた。そのため邪教徒とされ、とらえられて奴隷とされ、性根の悪い巫女は都合の良い様に捻じ曲げて伝え、媚を売り教会での地位を上げて行った。教会に都合が悪いことが潰され続けていく中で不審が募り、その結果が内乱であり、人間内での争いで『神教派』と『反神教派』であるそうだ。

 『神教派』は教会関係とそこから甘い汁を吸っている国の幹部達。『反神教派』は教会のやり方に不満を持つ人達や、神託と巫女を信じた人達。それと他種族。

 人数や武力的に、六対四で『神教派』が強いそうだ。

 で、なぜ『反神教派』だから敵じゃないと言ってきたかというと、こっちのパーティメンバーを見たときに人間三人にエルフ二人に獣人一人で『神教派』には見えないから、とのこと。奴隷は? と聞くと奴隷には体中に刺青があるそうで一目でわかるらしい。他にも薬やら何やらで状態もおかしいのが多いとか。


「反神教派だからって俺たちの味方って訳じゃないだろ? みんな仲良しじゃないだろうし」

 そう言うと狐娘が控えめに一歩出た。

「私が神託を受けました。『西に行き、六人の冒険者の助けとなれ』と」

「それが信じるに値するという証拠は?」

「…………ありません」

 ふむ。

「一応信じよう。ティア解除を。エルファも」

「……良いの?」

「変に理屈をこねくり回す奴より信じれると思う。それにとにかく情報が欲しい」

 ここがどこか知りたいし。裏切る様なら――――

 


 ――――殺せばいい。



 あれ? 俺ってこんなに……いや、こんなもんか?

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