山頂
大変遅くなりました。申し訳ないです。
非常に迷いました。キーヴの調教詳細を書くかどうか…何度書いて何度書き直したか
もう訳わからんくなって今回の形になりました
なんか若干出がらしのような気もします
そして最近執着地点とか見えなくなってきました
迷子になって謎とか矛盾も多いですが生暖かい目で見てやってください
「さてお馬鹿。私がしっかり鍛えてあげる」
戦闘終了後、エルファはそう言ってキーヴを鍛え出した。
「強化が甘いのよ! 私に力比べで負けるってドンだけヘタれてんのよ」
「錬気が甘いからすぐヘタれんのよ。ほらほらすぐ立つ!」
「バッカ! あんた死にたいの? 違うならさっさと防御固めろ~!」
特に急ぎって程でもないのでこの日の昼からはキーヴの訓練に当てた。
魔術特化のエルファとの力比べから始め、長時間の気功波放出など。見てると中々に酷だが少し面白くもあった。
しかし、エルファを見てると、在る人を思い出してしまう。同じ称号を持っていそうでやだな……。
キーヴを鍛えている間に、ミコも特訓というには若干温いが行っていた。俺とティア、エリザは簡単な組み手などを行って、その日を終えたのだ。
翌日からは移動しながら錬気と気の放出をしながら、戦闘はキーヴ一人を特攻させるということを続け、二日後、漸く山頂にたどり着いた。
「おお、すげぇいい景色だ」
上がる途中でも何度か見た光景ではあるが、山頂から見るとまた違った感想を抱く。
「結構長かったわね」
「まあ、そんな急ぐわけでも無いしいいんじゃないの?」
「……お前らは気楽でいいなぁ」
戦闘を一人まかされてぼろぼろのキーヴが一番最後に上がってきた。
「俺にだけ戦わせやがって」
「いいじゃない。お蔭で強くなってきたんだし」
エルファの言うとおり、初めに比べてかなり強くなっている。この山の敵ならタイマンで負ける事は無いだろう。ドラゴンとかは別だが。
キーヴが敵を受け持ってくれている間、俺達は自分達の能力を最大限発揮するために練習をしていた。
俺はリミット制限ギリギリの速度での戦闘が可能になった。練習に付き合わせたティアも動体視力と共にAgiが上昇してきた。お蔭で俺は「今斬ったのは俺の残像だ!」って事が可能になった。ティア相手だと少し厳しくなってきたが、攻撃をギリギリまで引き付けてもかわして背後に回ることすら可能だ。さすがゲーム。お蔭で俺は戦闘はほとんど瞬殺で終わってしまうため、現在、武器使用禁止を言われている。ある種面白いのだが、ある種つまらないらしい。わからなくも無いけど。
エリザはターゲット保持力がかなり上がって、偶にキーヴのお手伝いに盾を任せたが敵が漏れることが無くなった。気功波の応用で殺気を込めた気を散らしているらしい。《威圧》ってアビリティらしい。実は無防備に近づくとこっちにまで影響があり、少しづつEPが減っていくのだ。俺はそうでも無いけど、ミコとキーヴは結構な影響があるらしく、まだEPの回復量より減少量の方が多い。戦闘が長引くとEP切れになるため、エリザは使うのを止めようかとしたのだが、エルファが修行にいいと常に威圧しなさいとご命令。なので正確にはキーヴ一人で戦ってたわけじゃないのだけど。
ちなみに《威圧》は使い方さえ分かれば誰でも覚えるので皆も覚えた。俺の《威圧》は使用禁止と言われたのは言うまでも無い。エーテル強度が違うしね。
ティアは能力自体平均的で特徴という特徴がない。その代わり、罠の設置と解除をひたすらしていた。一人で罠を仕掛けてはそれを解除するという、非常に地味な作業だ。その成果は罠の高速設置と高速解除、魔法罠の設置、という形で現れた。
魔法罠はまだレベルが低いのと、魔法のレベルも低いため大した物じゃないと本人は言うが、俺達からするとかなりすごい物だった。まず、罠の存在が謎なのだ。エルファが魔力探知、俺なら小周天で探りを入れて漸く発見できる程の隠匿性。そして材料が不要なので手軽で発動するのは魔法なのでタイムラグが無い。今のティアに出来るのは地属性の落とし穴と地面からのアースニードルによる串刺し。火属性の火柱と小範囲の爆燃。風属性の竜巻と鎌鼬だ。
EPがあるだけ設置でき、発動も自動と任意で設定可能と来ている。一度だけ大量設置してもらい敵を集めて発動させたが、なかなかに凶悪なものだった。落とし穴は深く、落ちた敵が見えないし、串刺しになって頭がちぎれて跳んだ山羊に、炭化して元が何かわからない敵に、ミンチになってただの血と肉溜と化した地面。これを見た後は設置した本人も呆然として
「これは……酷いね。あは、ははは」
乾いた笑いをこぼしていた。
どうやら魔法罠の効果は設置者の罠技術の総合レベルと器用さ、魔法技術の総合レベルにMatkで補正がかかるらしい。ティアは魔法罠自体のレベルは低いが他の罠レベルはほぼMAXといってもいい程高く、器用さも高い。魔法技術は低いが、エーテルによるMatkが高いため魔法罠の効果が高かったようだ。
エルファはキーヴをしごきまくって凶暴性が増したような気もする。ミコは補助魔法の効果が高くなってきた。この二人は目だった成長は見られない。
「お、おお~。苦労して来たかいはあるかもしれんぜ。絶景じゃんよ」
上がってくるときはへばっていたが、追いついてきて景色を見るととたんに元気になったな。
「あ、おいユルよ。ありゃなんだ?」
キーヴの指す方にはなにやら白い煙が立っていた。




