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New Life  作者: basi
39/69

山越え

頑張ります。

皆さんに楽しんでもらえるよに……

……楽しんでもらえてますかね? 

かなり不安です

 山を超えるための旅を再開したはずが、現在イメージトレーニング中。

「そろそろ、ご飯食べないと体が危ないんじゃないかな?」

 ティアの一言で、リアルでご飯を食べてないことに気づいた俺達。リアル換算で以前食事してから三十時間が経っていた。皆が落ちても馬車はオブジェクトとして残るので、馬が襲われたり、破壊されることがあるため、交代で食事を摂ることに。今は俺とキーヴが残り、女性陣はお食事中。

 キーヴはさっきから内気功と練気でエーテル強化中。俺は相変わらずの……


《ピンポン。アビリティ《エーテル具現化》修得》


 イメージトレーニングしてたんだけども、何か修得したみたいだ。なになに……


『エーテル具現化:イメージトレーニングの熟練度がMAXになると修得する。イメージした物をエーテルで再現可能になる。エーテル武器なども作成できる。集中が途切れるか、障害物あるいは敵に当たると消滅する。魔法とは違い、無属性で威力はエーテル強度と濃度に比例する。エーテル操作能力の上昇、エーテル発動速度、エーテル濃度、エーテル強度の微小上昇』

 

 ほわぁ。エーテルの放出とはまた違うんだ。前にエリザが言ってたのはこういうことかね? イメージトレーニングのレベルが上がってたから気配が漏れてたのかな?

 とりあえず、モノは試しだ。んと、エーテル武器を……使い慣れた日本刀で、

「来い」

 右手を突き出すと、手のひらからエーテルが出て、段々と棒状になっていく。握ると柄、鍔、そして刀身と徐々に形になっていく。これは……

「すげぇ……」

 見た目はまさに刀。鉄の光沢もしっかりとある。ただ、重量感は感じない。

「これがエーテルで出来てるとは……ふっ、せい!」

 ブンブンと振ってみてもぶれない。普通の武器と変わりない。

「ふむ。悪くないな。ちょっと、試しに……お、あれでいいや」

 試し斬りに何かないかと見渡して見たら、一メートル大の岩があったので、それで試してみようと思う。

「っせい!」

 上段から一気に振り下ろして……

 ガッ、ドガ!

「ぶわっぷ!」

 あたった瞬間に岩の上部が爆ぜて飛び散った。飛び散った岩の欠片をモロに浴びて、若干のダメージを受けてしまった。

 エーテルで造った刀は消え、岩は三十センチ程砕けて形を変えていた。

「っ痛~。な、中々の威力、だわ」

「おいおい、なんだってんだ? スゲェ音したぞ」

 さっきの音でキーヴが修行を止めてこっちにやってきた。

「いや、新しいアビリティ取ったからさ、ちょっと威力検証をね」

「マジか? ユルがどんどん強くなってゆく……」

「大丈夫だって。毎日熟練度上げていったらキーヴもすぐ出来るようになるよ」

 そう言えばキーヴに瞑想とイメージレーニングを教えていなかったな。

 キーヴにエーテル武器を見せると、「スゲェ!」を連発。イメージトレーニングで使えるようになると教えると、早速修行に入ったのだ。



 交代して食事を済ませ、戻ってくると、エリザとティア、一足早く戻ってきていたキーヴが瞑想とイメージトレーニングをしていた。

 エルファとミコは練気をしながらのお勉強。集中し難くそうだな。


 とりあえず、移動を再会しながら修行してもらうことにした。それにしても、

「……敵が居ない。気配も無いぞ」

「ん~、いいんじゃないの? 安全だし、のんびり行こうよ」

「ですが、ここまで敵が居ないのもおかしいですね。兄さんの索敵にも引っかからないなんて、何か変ですよ」

 そうなんだよね。時々、ちらっと気配があるんだけど近づいては来ない。今は山を越える事を目標にしているから、わざわざ倒しに行ったりはしないけど、それでも少なすぎる気がする。

 ちなみに、キーヴはこれ幸いと、馬車に乗り、イメージトレーニングを続けている。

「こっちに来ないとなると、この山には草食動物しかいないのかね? 肉食なら多分襲ってくるだろうし」

「でも、草食動物だとしても数が少ない気がするわよ?」

「そうなんだよね~。ほんとに偶にしか索敵に掛からないし……んお?」

 索敵範囲ギリギリでなにやら動き回る反応が。昨夜のジャイアントバットを除くと、この山で初めて動き回る反応だ。しかも、結構早い。

「なんか、でたぞ? しかも、こっちにきてる。おい、キーヴ! 修行中止。戦闘準備したほうが良さそうだ。皆も感知したか? 左側から、反応は一匹だけど、何が来るかわからんぞ」

「ん、私は感じたよ。なんだか早いね」

「まだ、何も」

「やっと敵さんか。修行の成果を見せちゃるぜ」

 ティアは感じた様だが他はまだみたいだ。キーヴは張り切って武器を振り回している。

「あ、これね。ちょっと早すぎじゃない?」

「私もきました。確かに早いです」

 ちょっと、この速さは今までにないぞ?

 そして、さして時間は掛からずに、敵の姿が視界に入ってきた。

「……おい、おい、おいおい。ちょっと待てよコラ! 冗談じゃねぇぞ」

 さっきまでの威勢は何処へやら。キーヴは軽く後ずさっている。

「…………空からの襲撃って久しぶりだね。ユル君と会ったとき以来だよ」

「そんなこと言ってる場合じゃないわよ! どうするの? 逃げる?」

「こんな隠れるとこもないのに、どこに逃げるんですか? アッという間に追いつかれますよ」

「戦う、しかないだろうさ。最悪の場合は初死亡だな」

「……兄さん、勝てる見込みは?」

「さあ、ね。なんてったって」

 視界に見えるのは、どこからどう見ても、

「ドラゴン、だからな」

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