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New Life  作者: basi
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森を抜けよう

遅れまして……

スランプ、と言うのもおこがましいですが……浅い、実力の底が見えました

速度は落ちますが、頑張りますので見捨てないでやってください

 どうやらこの森の道沿いはオヴィンニクとリザードマンが主な敵らしい。ちなみにリザードマンは剥ぎ採りしたアイテム名がソードリザードになっていたのでそっちが正式名のようだ。

 その後の戦闘はソードリザードと四回、オヴィンニクと八回程戦闘になった。

 一度はソードリザードとオヴィンニクが戦闘している所に出くわしたので三つ巴になってしまった。まったく、人の進行方向で戦闘するなっての。

 森を進むにつれ、徐々にだが木の間隔が空き、襲撃も減っていった。大分無理をしたが、馬を走らせて突破したので、辺が薄暗くなる頃にはやっと森を越え、山へ続く道へと入った。辺りは木が薄く、ほとんどが岩肌だ。

「やっと、抜けた……疲れたぞ」

「今日は此処で休もう。正直、もう寝たいけど、見張りも要るし、もう少し頑張ろうか」

 キーヴとミコ、エルファはヘタリ込んでグッタリしている。山に近づいてから戦闘が減ったとはいえ、ろくな休憩も取らずに突っ切ったのだ。無理もない。比較的まともな状態なのは皆よりVitの高いエリザとエーテル強化がダントツな俺くらいだ。ティアもヨタヨタとしていてちょっと危ない。まぁ、一番危険だったのは馬たちだけど。戦闘中以外は走りっぱなしで、森の後半では俺とティアは馬から降りて走ったくらいだ。

 Agiが高いから、と思って走った二人だったけど、Agiは主に瞬発力が上がるだけで、移動速度全体の底上げにはならなかった。いや、瞬発力が上がるんだから走る速度は勿論上がったけど、体力が持ちませんでした。馬と同じ速度で二十分も走ると戦闘の役に立ちませんでしたよ。ただ、ティアにもアクロバットを修得させて、樹の枝から枝へ飛び映る移動方法に切り替えたらそれほど疲れずに速度を保てた。これって不思議。

 あと、今回の事で分かったのは馬に長時間乗ると死ぬほど体力使うってことだ。揺れる馬上でバランスとってるとかなり来るものがある。速度が早ければそれほどきつくなる。後半のエルファはいつ落馬するかヒヤヒヤだった。

「今日はしっかり休んで、明日も少し遅めに出発しよう。俺とエリザが最初に見張りするから、飯食べたら早く休むといい」


「エリザ、気づいたか?」

 いつもの通りにイメージトレーニングをしながら見張りをしていると、三個体の気配を察知した。

「何がで……はい、今感じました。」

 俺に遅れること数秒、エリザも感知できた。どうも、結構な速度でこっちに向かってきているようだ。

「どうする? 三体だけど、起こすか? それとも俺たちだけでなんとかするか?」

「そう、ですね。私たちだけで何とかできませんか?」

「さて、どうかな。……とりあえずやるだけやってみるさ。負担が増えると思うけど何とか耐えてくれ」

 俺たちは闖入者を迎え撃つべく、準備を始めた。


 程なくやってきたのは三匹のコウモリだった。

 体調は二メートル程度在るんじゃなかろうか。かなり大きく見える。

「大丈夫かな……手持ちの対空攻撃は少ないぞ」

「私は使えないです。弓は行けそうですか?」

「どうかな? やってみるさ」

 攻撃力が足りるか不安だけど、地面に落とせればこっちの物だ。

「《ソニックショット》」

 今使える最上級のスキルだ。音速で矢を飛ばす。

 ドシュ

 的がデカいので当てやすい。胸の部分に矢を受けて羽ばたきながらも墜落していく。

「エリザ、お願い。もう二匹もやるよ」

「分かりました」

 エリザが追撃に向くと同時に次々と矢を射る。二匹目は避けようとしたが、完全には避けれずに翼を傷めた。飛行速度は落ちたが墜落はしない。もう一匹は上手く避けたが、羽を傷めた一匹がフラフラとしていてそれに接触。バランスを崩したとこへ矢が刺さり、二匹して墜ちていった。


「割となんとかなったな」

「そうですね。でも弓が無かったら結構キツかったと思いますよ」

 倒したのはジャイアントバット。剥ぎ採りをしたときに分かったことだが、かなり頑丈な身体をしているらしい。体に矢が刺さっているのは矢じりが数センチ程度で致命傷には程遠い気がする。ただ、刺さったところが羽の付け根だったので堕とすことが出来たみたいだ。羽に刺さった矢も貫通はせずに、矢の柄の中程までしか刺さらなかった様だ。

 ……実は俺の弓の威力が無いだけなのかもしれない。

 そう思うと地味に凹んだ。


『ジャイアントバットの皮膜:ジャイアントバットの翼の膜。極薄なのに丈夫なので、防具の素材として高値で取引される。特に女性の下着やインナーに人気。オシャレな装備の下に付ける防具の一つとして愛用されている』


 どうやら結構な防御力を持つコウモリさんだったようだ。俺の火力不足じゃなくて良かった。

「ユルさんと出会ってから戦闘がかなり楽になったというか、かなりステータスが上がってますね」

「そうなのかな? 俺にはよくわからないけどね。でも、エリザが居てくれるし、ダメージとかほとんどないよね」

 最近、俺が受けたダメージは記憶にある限り、エルファの誤射とリミット突破による反動くらいだ。

「そうですね。敵の殲滅速度が異常ですからね。ユルさんに会う前にバンデットウルフと戦った時はかなり苦戦しましたから」

 バンデットウルフって言うとカヴァーロで戦った彼奴らか。

「皆の連携って言うのもあるだろうし、それに皆のステータスも上がってるからね」

 実際、壁に徹さずに純火力として使用するとエリザはパーティでトップクラスの火力を持っている。殲滅力だとエルファがトップで次点が俺だ。ただ、エルファの殲滅は誤射が怖いので極力封印の方向でお願いしてある。

「結構いいパーティだよ。これからも頑張ろう」


 その後、ティアとキーヴに交代し、次の日は十時過ぎまでゆっくりと過ごしてから、山を越えるための旅を再開した。


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