出発
プロットも立てずに書いてます。なので滅茶苦茶ですね。
何かあれば気軽に突っ込んでやってください。
改善できるかどうかはレベルが低いのでわかりませんが、善処します。
「痛って……」
殴られた頭を押さえながらシステムアラームを確認する。
《アビリティ:物理耐性 防御力、Vitの上昇》
慌ててステータスを確認してみるとVitが3から4、Defも8に上がっていた。
「おお! これがアビリティ。ケンも、じゃないキーヴも見てろよ」
俺に言われキーヴもステータスを確認して目を見開いている。
「アビリティ! キター!!」
「うっさい! 無視すんな」
チカにまた殴られる俺達でした。
「うぅ~、ズキズキする」
「あんたたちが無視するからでしょ」
仁王立ちのチカ。女の子だしスカートなんだからやめなさい。
「お、おい。ユル、HP減ってるぞ。って俺のもだ」
言われて自分のHP表示を見てみるとなんと残り三割を切っていた。
「わ、マジだ。何でだ??」
「あんたたち……」
チカが呆れた表情をしたまま肩を落とす。
「半年間も何してたのよ。このゲームは街でも普通にダメージ通るのよ。常識でしょ」
言われた俺たちはバツの悪い顔で言い訳をする。
「いや、ね」
「どんなアビリティ取れるかとか、どんなことしようかとか」
「そう言えばシステムとかほとんど調べてないです……」
チカが盛大なため息をつき怒るのも疲れたと、基本的なことを教えてくれた。
どうやらこのゲームは『ゲーム』であることを忘れない程度に現実に近い設定らしい。
街の中ではいくらか制限が掛かるもののダメージをくらうらしい。なので街中PKも有るらしいのだが、そもそもPKにも制限があると。
PKはプレイヤーキラー、殺人。つまりは犯罪である。
犯罪は犯すことでキャラネームが赤く点滅する。点滅した状態でさらに犯罪を犯すと赤のまま固定される。その状態で街などに入ると衛士に追われ、捕まると保釈金か一定時間の奉仕活動が義務づけられる。
正当防衛とシステムの決闘は犯罪にならないらしい。ちなみに正当防衛は三割のダメージを受けないと成立しないとか。正直めんどくさい。
「まあPKするつもりはないし」
「……それでも基本システム位覚えておきなさいよ」
「それでチカはもう結構強くなったのか?」
「もっちろん」
ふふん、と胸を張る。現実では揺れることのないチカの胸が揺れる。……痛々しい。現実に戻っても強く生きてほしい。
「見なさい! 『ステータスオープン』」
エルファ エルフ
称号 炎の宮廷魔術師
状態
装備 イフリートの杖、星のコート、ディスカのチェニック、ディスカのスカート、耐火ストッキング、インテリジェンスリング+6
Str 68
Vit 86
Agi 76
Dex 103
Int 326
Min 205
Atk 132
Def 162
Matk 489
Mdef 585
「おお!」
「すげぇ!」
俺達の感嘆に気を良くしたのか得意げに説明を始めるチカ。
「この称号は火属性の魔法に補正が付くのよ。ディスカの装備はプレイヤーメイド、私のお気に入りなの。マジック関係のステータスは魔法を修得しないと表示されないわ。魔法職以外でも魔法を習得しないと魔法防御が0だから気を付けなさいよ? あと、ジョブはステータス表示されないからね」
「すごいな……俺も早く色々したくなってきた」
チカのステータスを見たら早く色々なアビリティを身に付けてどんどん成長したくなってきた。
「あ、一つ言っておくとアビリティに寄って成長限界決まってるからね? 色々手を出すと成長遅れるよ」
チカの話によると下位アビリティは成長限界が低いらしく、例えば今覚えた《物理耐性》もVitの成長は20が限界らしくそれ以上は成長しないらしい。しかも成長限界が近づくにつれ、成長難易度も上がるらしく、《物理耐性》だと限界近くになると一撃で瀕死近くのダメージを受けなければならないとか。
無茶スキル……じゃない、無茶すぎる。
「アビリティは絞った方がいいよ。成長しやすいし。あ、でも色々やると新しい発見とかもあると思うから、β参加者は結構色々手を出してるみたい。ユウ達も自分の好きなようにするといいよ」
チカの話を聞いた後、キーヴと話をしたが俺はやっぱり色々出来ることをしていきたい。
キーヴは戦闘力を主に鍛えたいとのことだ。
「ならケンは道場に行って修行して、その後に狩りに出たらいいよ。ユウはしばらく街の中がメインかな? 私も魔法系の行動しかとってないから詳しく知らないんだ。自分で探してみて」
「別行動か……。寂しい気もするけどそれ以上に楽しみだな。後、チカもフレンド登録いいか? それと一応『ユル』と呼んでくれ。せっかくゲームのなかなんだから」
「いいよ。私のことは『エルファ』で呼んでね。ケンも登録する?」
「もちろんだ。俺のことは『ギーヴ』と呼んでくれ」
フレンド登録も済ませた俺たちはチカ……エルファが転移するため転移門に来ていた。
「何かあったらチャットでもメールでも気軽にしてよ。お互いに成長したらパーティも組みたいし」
「ああ、遠慮なく連絡するよ」
「じゃね~」
ヒラっと手を振って早々に転移してしまった。
「俺たちも行くか」
「おう。俺はこれから道場さがしてみるよ。お前も色々頑張れよ」
「ああ。色々頑張って成長するさ。目標は三人でパーティを組む」
「たまには連絡しろよ?」
「ユルもな」
もう一度拳を打ち合わせ、
「「もう一つの人生を」」
この世界での新しい人生が始まった。