8 私の今後
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本当にありがとうございます。
シーツの弁償を言い渡されることもなく、ついて来いと言われ彼の後ろをついて行く。
今更、名前を聞けない自分。なんと呼べばいいのやら…。話しかける勇気もなく、本当は人見知りの自分がおおいに顔を出している。
時折彼が振り返り、私を見ているがそれを苦笑いのような笑いで返すだけ。
そんな私を不思議そうに見やる彼。
ここにきて漸く私は足元が崩れそうな不安に押し潰されそうになっていた。
まずは戻れるのかということ。物語にあるような召喚とは違うトリップ。なので、この世界に魔法やそれに近いがあり、尚且つ私の世界に転移できる方法があるかどうかを確かめなければならない。
次にここの身分制度。私の身分は現時点でどれだけ保障されるのかどうか。散々昨日、身分の高そうな彼に反抗的…というか死んでしまえと言ってしまった私は今後どうなるのか。日本では身分制度はないが、ここは異世界。日本の、私の常識はまず通じないと思っていたほうがいいだろう。
そして、戻れる戻れないにしろこれから生きていくための生活。罰を受けない前提で考えれば、言葉が通じるのでなんとかなるかもしれないが、文化や風習がわからない以上運が良くない限り何かしらの迫害は受けることを覚悟しておかなければならないだろう。最悪は牢屋行きや処刑なんてこともあり得る事実に、自然と自分で自分を抱きしめてしまっていた。
「着いたぞ」
思考を遮る声がしたかと思うと、鼻に衝撃が走る。
「うぶっ!」
変な声が出て、何かにぶつかったことに気づく。衝撃で2・3歩下がり、前を見れば美形が呆れた顔をして立っていた。
眼鏡が壊れるわっ!
鼻を摩りながら頭を下げる。前を見てなかった自分が悪かったしね。ついでにずれた眼鏡も直しておく。
「ごめんなさい…」
頭を上げて彼を見れば、扉を開けてその先の部屋へと促していた。