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38 心底思う。滅びろ、童顔っ!

ちょっとだけですが、よろしくね!

ズルズルとすね毛の足を掴み引きづりながら、すね毛を扉の外に放り出そうとするロッドさん。


やめてっ!!それ、まじやめてぇぇぇえええええっ!!そのキモい生物のオケケが強調されて、ナニが見えそっ…。


「何故…パンツはトランクスっ!?」


何かいろいろ間違ってるぞ!すね毛っ!!


「まぁる?」


それ以上笑顔のロッドさんと、いろいろとおかしすぎるすね毛を見ていられなくてジェイの胸辺りを見る私。


「ロッド、待て。ゼリアルには用事がある」


ジェイから唯ならぬ冷気を感じたが、今はそれどころじゃなかった。


「ゔぇっ!?」


「…まぁる?」


いや、用があるのは構いませんが、私のいないところでやってくれっ!!すね毛は可哀想だとは思うが、すね毛と同じ部屋は耐えられないよ、私っ!!


ジェイから体を離そうとすれば、何故かホールドされていた私の腰っ!?


「無理無理無理っ!生理的に受け付けないんだって、あの物体っ!!」


すね毛を指差しながら、ジェイに訴えてみるが、腰の拘束は解けてくれない。


「お前の今後の話だ。なんとか、我慢しろ」


そんな憐れんだ顔で言われても無理だっつーのっ!!


私の心の叫びは誰にも届かず、向かい合わせの一人掛けのソファーに、すね毛が無惨な格好でロッドさんに放り投げられる。


ロッドさん、怖ぇっ!!マジ、怖ぇっ!!


すね毛への拒否反応とロッドさんの恐怖で、鳥肌は立ちまくりで、ガクブル状態の私の耳に新たな声が飛び込んできた。


「お取り込み中でしたかな?」


ロッドさんとは違う感じの落ち着いた声に、私は勢いよく振り返った。


助けてくれっ!このカオスからっ!!


「ソルか、ゼリアルの隣に座れ」


ソルと呼ばれた、そのお方はとても小さな少年だった。つぶらな緑色の瞳にサラサラの金髪。か醸し出される愛くるしい雰囲気。…こいつじゃ、無理だぁーっ!!


もはや、ジェイの胸に顔を埋めガクブルするしかなかった。


だって、あのちっちゃい子が、この癖だらけの人間たちを制することが出来るとはどうしても思えないしっ!


…つか、私の今後の話に何故少年が?


………。


「お前も童顔かぁーーぁああっ!!」


多分、私の顔は見れるようなもんじゃなかったのだろう。


少年は腰掛けようとした態勢で、私を見ると僅かに視線をずらした。


「マール、ソルは58だ」


私の童顔への憎しみを知っているジェイが、少年の年を教えてきた。


お前は、少年じゃなくて中年かぁぁぁぁぁあああぁぁぁあっ!!


「童顔なんて滅べばいいのにぃ…」


ドスの効いた私の呪詛紛いの呟きが部屋に溶けた。

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