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2 童顔なんて大嫌い

何、その哀れんでる目は。ムカつくんですけど。つか、じくじくと地味に刃物のあたってる部分が痛いんですが…。


「おま…」


「つーか、取り敢えずこの刃物退けてくれませんか?地味に痛いんですけど」


彼の言葉を遮り、そう訴えてみる。刃物を睨みつつ、忌々しげに舌打ちするのを忘れない。


確かに私は貴方からすれば不審者&不法侵入者以外の何ものでもないだろうよ!この世界の常識なんて知らないし、実際死んでいてもおかしくないかもしれない。

しかしだ。こっちだって好き好んでこんなところにいるわけでもない。そこんとこ理解して欲しいけど、…無理だろうね!


「まあ、いいや。ところで、貴方は幾つなんですか?」


この先、生きていられるかもわからないし、今気になるのは異世界人の名前よりも見た目年齢が気になるところ。首に突きつけられている刃物を親指と人差し指で挟んで、首の方を避けさせる。だって、刃物はピクリとも動いてくれないからね。


「…42だ」


四十ニ…。42と言ったか、彼は?

あぁ、身体が砂のようにさらさらと崩れていくのがわかるYO☆

こいつときたら、見た目三十代に反して自身は四十代ときたもんだ!

ははっ、異世界トリップって普通逆じゃねっ?あー、泣けるわコレ。


私のしたトリップに関していえば、見た目年齢は異世界マジックの対象に入らなかったようだ。

ムカつくので、八つ当たりをしておこう。もちろん、犠牲者はお前だ!そこの童顔!!

蹲り、刃物を掴んだ状態で睨み上げる。この際あまりカッコついてないのは置いておこう。


「お前なんか死んでしまえっ!!童顔なんて…だっいきっらいだぁぁぁああっ!!!」


この魂の叫びをきくがいいっ!!なんだその、心底バカにした顔はっ!?

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