表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/56

21 無理でした…

ソレは神への冒涜です。例え神が許したとしても…私は絶対にゆ・る・さ・んっ!!


別にすね毛が嫌いなわけじゃない。ただ、私の理想過ぎるその人にすね毛があるのが許せない…。


最早直視できなくて、書類が散らばってはいたが構わずベッドに突っ伏した。


「陛下っ!!いつまで篭っておられるのですかっ!?」


突っ伏した私の耳に野太い怒声が飛び込んできた。


まさかと思うが、あのすね毛の声だろうか…?

うん、なんとなくだけどね、股にぶら下がっている方だとは思ったけどね…。でもね、許せない…許せないんだよ私は!


「喧しい。マールに食事を与えてからだと言っただろう」


ジェイの声は、私に向けられたわけではないが、底冷えのしそうなほどの重低音だ。通常時であれば、関係なくてもビビってしまっていただろうその声に、今はなんだか背中を押されている気がする。


思い切って顔を上げ、ジェイを見る。意地でもすね毛は視界に入れてやらん!


「どうした?」


明らかに挙動不審な私なのに、さっきとは打って変わって優しい声のジェイ。その顔をじっと見つめ、私は目が潤むのを止められなかった。


そんな私を見るジェイの眉間に皺が寄る。そして、ジェイは冷気を発しながらすね毛の方を向く。


「…ごめん、ジェイ。世の中には決して許せないものがあるんだね…」


横顔のジェイを見つめながら、ジェイにそう告げると、ジェイに掴まれたみだった手を振りほどき、眼鏡を外す。


そして、すね毛を見ないようにすね毛が開け放った扉に向かって走り出す。


「マールっ!?おい、マールっ!!」


「陛下、ここはお通しできませんぞっ!!」


すね毛の脇を通り過ぎる時に一瞬ゾワッとしたが、無事に通り抜ける。背後でジェイとすね毛の攻防が聞こえたが構ってはいられない。


脳裏に焼きつく、理想に生えたすね毛…!


「ごめんなさぁぁぁあああああいっ!!私、あなたじゃ…勃ちませぇぇぇええんんんんんっ!!!!!」


私の脳内では、すね毛(♀)×私(♂)の妄想が繰り広げられ、敢え無く敗退していた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ