18 新しいパンツが欲しいナ
「なんで下着まであんたのなんだよっ!!」
羞恥とは違い、怒りで再び顔が熱くなる。
「…なんとなく?」
小首を傾げてきょとんとした顔をしているジェイだが、背後に渦巻く黒いものがこれでもかと溢れ出ている。
私は悟った。こいつは悪意はなくとも何かしらの意図を持ってやったのだと!
そして、美形だから小首を傾げるなんて高度技術が様になっているが、中身は42のおっさんだと思うと、とてつもなく気持ちが悪いと言うことを!!
最早文句を言っても聞きそうにないジェイに、深呼吸をしながら睨みつけるに留める私って、意外とお・と・な☆
一方ジェイはニヤニヤしながら私を舐めるように見ている。あんまりしつこく見つめるようなら金取るぞ、コラァッ!
「…まあ、なかなか似合ってるんじゃないのか」
顎を手で摩りながら、私の格好をそう評した。
私は今、脱衣所にあった白いシャツと黒いベスト、そして黒いズボンを穿いている。服に合う編み上げタイプの短いブーツもジェイが用意してくれて、それを履いている状態なんだが…。なんか、ズボンに関して一言言わせてもらえば、お前あしながすぎなんじゃねっ!?と言いたい。
ジェイの服とはいえ、少年時代のものなのだが…上とウエストは会っても、足の長さは合わなかった…。当然なんだろうけど、なんか凹みました。
「しかし、その丈は今後のために手直しをさせた方がいいな」
何やら思案顔でそう呟くジェイ。おい、今後のためってなんだ?
「あのさ、これから私ってどうなるの?」
漸く今後の展開についての話し合いができそうな雰囲気になってきたので、パンツのことは、今は忘れといてやろう。…いや、やっぱり新品かそうじゃないのかはきになるわ。
「…その前に、私の穿いているパンツは新品ですか?」
最初の質問にさっと真面目な顔をしたジェイだったが、次の質問を聞いた瞬間にお得意の黒い笑みを発動した。
「その下着は使用済みだ。よかったなぁ、まぁる。何からナニまで俺に包まれて」
ゲロ甘なその声と、老若男女問わず落とせそうなゲロ甘な顔でジェイはふざけたことを言ってくれた。
「きもちわるいぃぃぃぃぃいいっ!!!!!」
私は身体をぶるりと震わせ、総毛立った肌を必死に擦り抑える。
何の人っ!!私にゲロ甘カかましても何も出ませんけどぉぉぉおお!!