028⚫️存在意義 & 029⚫️’お兄さん’と’おじさん’の境界線
028⚫️存在意義
貴様あ!簡単に第一防衛戦を突破されたというのか!
なあにやってるんだ!どこの部隊だ?!
あっ、ゴーレムの連中か!
うーん、あれは魔王様の直属だからな。
あれやこれやと、言えんぞ。
だあが、このまま第二防衛戦を越えることなど、許してはならん!
魔族としての忠誠心を示さねばならん!
我々の存在意義にかかわるのだぞ!
よし、ワシが行く!
全員に伝えよ!すぐさま迎撃に出るとな!
029⚫️’お兄さん’と’おじさん’の境界線
「この子か。なるほど。澄んだ、綺麗な目をしているね。」
この人は、誰なんだろう。
あのリノがこれほど敬意を払っているんだ。
賢者よりも、もっと偉い人なのかな。
「彼の名前は?」
「あ〜、それが。少年とか小僧とか、おい、とか。みんなそれぞれ勝手に呼んでるんですよねぇ。」
「そうか。君、名前を教えてくれるかな?」
柔らかい、陽だまりのような声。だけど・・・。
「ワレには、わからない。名前はあったと思うけど、忘れた。」
「マイロード、この子・・・戦火で家族を亡くして、放浪の末にここに辿り着いたそうなんです。」
「それは辛い経験をしたね。・・・よし、ここで新しい名前をつけよう。そうだね・・・。」
カナタ・エーデルマン。
それが、ワレの名前?うん。いい。気に入った!
「ありがとう、おじさん!」
「はっはっ!おじさん、と言われると少々堪えるものがありますが。まあ、おじいさんと言われるよりはマシ、かな?」
「ちょっと少年!じゃなかった、カナタ!マイロードに謝りなさい。せめて’お兄さん’でしょ!」
ごめんなさーい。
リノのことも、
’お姉さん’って言わなきゃいけなかったもんね。




