覚悟のない自分へ
男は、ある日異世界に突然飛ばされて、森にいた。
森を歩いていると、動物の死体がある、どうやら死体は、新しいようだ。
森の奥に続く血痕を頼りに進む男。
男は、その先で何を見たのか?!
俺は、目を覚ますと、俺は見知らぬ地にいた。
「は?」
情けない声が出る。
周りは、森だ。とりあえず、森を探索することにした。
森を歩いて行くと、鉄錆の嫌な匂いがする。
それは、動物の死体だった。
「うわぁ…」
動物の損傷は、激しく、臓器が撒き散らされている。
地面を見る。まだ新しい血だ。
血が、レッドカーペットのごとく森の奥に続いている。
俺は、それを辿って、血の伸びている方向に進む。
チャッと音がする。
よく聞き取れないので奥に進む。
グチャっと音が聞こえる。
生物を触っているような音、咀嚼音にも聞こえる。
グチャ、グヂョ、
咀嚼音とも聞こえる音が、足を前に出すたび、大きくなってくる。鉄錆のような匂いがする。
ふと、上を見る、いつの間にか夜になってきたようだ。
再び足を進める。
足を一歩一歩と進めた。
あることに気づいた。つい先程まで、鳴っていた音が、
無くなっていた。
目の前には、異様な姿をした。自分と同じ高さの奴がいた。
奴の姿は、異様と言ってもいい。
なんせ、頭から長い鉄パイプのようなものが生えていた。
奴の長い先端が光る。
何かヤバい!
俺は、姿勢を低くした。
バン!
発砲音とともに俺の頭上に風が通り過ぎていく。
ギチギチだと後ろから音が鳴る。
後ろを振り返ってみると、木に10円玉サイズの空いていたた。
嘘だろ?マジかよ…
前を見る奴は、さっきの発砲で頭の先端から煙を出していた。
ふと奴が消えた。
後ろから気配が感じる。
後ろを振り返る。
後ろには、奴がいた。
頭から光を放ち、もう目と鼻の近くまでいる。
考えろ、どうすれば生き残れる、攻撃を防げる方法は!
俺は、手のひらサイズの石を手に取り奴の伸びている先端の中心にある穴に突っ込む。
奴の先端から、何かを発砲していた。それなら、中で暴発させれば奴は、死ぬのではないか?
次の刹那、バン!と共に奴の脳髄が飛び散る。
奴は、死んだようだ。
よっしゃあ!何とか生きることができた。
口から何かが込み上げてくる。
「がは!」
すると、口から鉄錆の味がする。
俺の腹を見た。
腹から、血が出ている。
奴の頭が爆発して押し込んだ石がこちらに飛んできたのだろう。
俺は、その場に倒れる。
俺、死ぬのかなぁ…
「ま…だ…しに…たく…な…」
俺の視界は、真っ黒くなった。
目が覚める。
目の前には、一人の女性がいた。
「あんた、大丈夫か?」
白に少し赤が入っている髪色をした女性がいた。
「あ、はい大丈夫です」
俺は、起き上がる。
「そこでじっと寝ていろ、傷は、まだ浅くない、それと一つ質問していいか?」
「え、あ、はい」
「そこに転がっている、奴を殺したのは、お前か?」
「あ、はい、そうですが?」
「あはははは!」
女性は、大きく笑う
「あのぉ、失礼ですが、何で笑っているのでしょうか」
「あそこに転がっていた奴は、結構な難敵でな、ウチの部下もかなりの数、殺られてきたんだよ」
「部下が殺られた?」
「ん?そうだ、何人も殺られてきた、ジョン、ダニエル、リヒト、ボブ…みんな、私のために死んでいった、
君みたいなヒョロガリで耐久力もないガキが[ランチャー]を
倒したとは、情けないな…」
彼女は、どこか寂しそうな顔をしていた。
「あのぉ、お辛い話をしている所悪いのですが…」
「ん?なんだ」
「あなたのお名前は…」
「あぁーアリスだ」
「あ、アリスさんよろしくお願いします」
俺は、手を前に出す。
「ん?よろしく」
「あ、はい、よろしくお願いします」
握手をする。
いきなり彼女が、姿勢を低くした。
「どうしたんですか?」
「隠れろバカ」
俺の頭を強引に、下ろす。
俺は、前を見た。
そこには、数体の人の形をした何かがいた。
「これくらいの数なら大丈夫だろ」
アリスさんがボソッと言うと、立ち上がり、長い物を、
構える、それはライフルだった。
パン!乾いた音がする。
人らしき奴が倒れる。
それに気づいた奴は、アリスさんに走ってきた。
それを撃ち抜く。
パン!パン!パン!
数発の銃声が鳴ってアリスさんは、あたりを見渡す。
大丈夫だとわかったアリスさんが腰を下げる。
「ふぅ…肝が冷えるね」
「何ですか!アイツは!」
「ん?アイツか?[スラッシャー]だ」
「何ですかそれ、スラッシャーって言われてもわかりません」
「あぁー面倒くせぇ、音や動きに敏感な特性を持っている。そして走ってくる、それが厄介だ」
「何でスラッシャーなんですか?」
「そりゃー鋭い爪で切ってくるからだよ、説明オッケー?」
そういうと彼女は、面倒臭そうな顔で言った。
「はい、ありがとうございます」
「あんた、行くところは、あるか?」
「いや、無いですけど…」
「そうか、それじゃあ、取引しないか?」
「取引?」
「そう取引だ、私を護衛する代わりにお前の命を助けてやる、行き先がないんだ。悪い話は、ないだろ?」
「そうですね…分かりました引き受けます」
「それと、ルールなんだが、もし裏切ったりしたら…その時は、[アンデット]の餌にしてやるからな」
その時、俺の顔を、じっと見て言った。どうやら顔を見て本気のようだ。ふとアリスさんの言った。[アンデット]
という言葉に、疑問を浮かべる。気になることや違和感などは、言う方がいい、情報は、一つの武器になり死を回避できるカギになる。
「分かりました。少し気になったことがありまして、その[アンデット]って言うのは、さっきの化け物達の事ですか?」
「そうだ」
夜明けが近い、少し空が明るくなる。
「そろそろ夜明けだ」
「そうみたいですね」
白に少し赤が入った髪色をしている彼女は、何かを求めているようなそんな気がした。
「傷が治ってる…」
「そう、見たいですね」
「普通じゃあり得ない」
「何か能力でも持ってるのか?」
「能力?」
「魔法のような物だ」
「魔法?」
「すぐに傷が治るとかそう言うのだ」
「多分だと思いますが、そういうのだと思います」
「魔法、能力を使えるのは、まぁまぁ持っている奴は、いる」
「火とか水とか出せる人がいるんですか?」
「いるぞ、大量にな」
「皮肉なことに、能力使いの多いのが盗賊とかだ」
「何で、盗賊が能力使いが多いんですか?」
「その小さい頭で少しは、考えろ」
「お前が強力な力を得たらどうする?」
「人のために使う」
「お人好しだな」
どこか懐かしいような顔をして言った。
「奴らは、能力を使って金を奪ったり、女を犯したりするんだ」
「ひどい話ですね」
「他人事じゃないから黙って話を聞け、これからお前は、私と旅をする。危険だと思ったら即逃げろ、そして違和感を感じても逃げろ、いいな?時に旅の道中、何かを見捨てないといけない時がある。例えそれがアンタや私でもだ」
俺は、嫌悪感を覚える。
今まで彼女は、何をしてどう生き延びてきたのかわかる気がする。
「嫌そうな顔だな…」
「そりゃ…嫌悪の一つや二つ覚えますよ」
「だが、いくら注意しても戦闘になる時もある。そういう時は、手段を選ばない」
「手段を…選ばないか…」
「そうだ、戦闘は、戦いじゃない、殺し合いだ。不意打ちで、殺したりな、ピンチの時は、砂でも血でも、相手の目に入れてやれ」
「そうですか…」
「引いたか?」
「いえ、別にそんなわけじゃ」
彼女は、笑った。
「思いっきり顔を引きつらせて言われてもな」
「すみません…」
「別に謝ることない、私も、そんな謝られる人間ではないからな」
「………」
「冗談だよ、さっきのは、例えだからそんな顔するなよ」
「………」
「とりあえず、旅に行こうか」
「はい」
「アンタは、荷物持ちになれ」
「分かりした」
「あんたそう言えば、名前は何だっけ?」
「俺の名前は、武田 アキラと言います」
「アキラか…よろしくアキラ」
「よろしくお願いします、アリスさん」
そして俺とアリスさんの旅が始まった。
3日間森やら草原を歩いた。
すると、街があった。
荒廃してそこら中に紙やら血痕らしき物がある。
すると後ろから走っている音が近づいている。
どうやらこちらに近づいているようだ。するとアリスさんが俺の後ろに立つ、俺は、後ろを振り返るとナイフを持った男が、こっちに向かって走ってくる。
アリスさんが男の腕を掴み腕の関節を折った。
ボキィだと鈍い音が鳴り男の悲鳴が空に響く。
「ぎぁぁぁあ、俺の腕がぁ!」
「少しは黙れ!」
アリスさんが男の落としたナイフを手に取り、男の首元にナイフを当てる。
「ひぃ」
男は、情けない言葉を出していた。
「何処の組織だ?早く言わないとテメェの首をかき切るぞ、
1.2.3.」
「シリウスだ!」
その言葉を聞いてアリスさんは、苦虫を噛んだ顔をしていた。
「そうか、ありがとう、お礼に、テメェの人生終わらせてやる」
「話と違うじゃないか!」
「いつテメェを殺さないった?殺す覚悟があるなら殺される覚悟をしておくべきだったな」
アリスさんが、男の首にナイフを深々と刺すしナイフを抜く、男は、口と喉から血の泡を吐き絶命した。
「汚いもの見せたね」
俺は、初めて人が死ぬ所を見た。
吐き気がする、生臭い、
「おうぇ!」
俺は、吐いてしまった。
「おい大丈夫か?慣れといた方がいいぞ、こんなのしょっちゅう起きていることだからな」
「何で殺したんですか…」
「情報を与えないため」
「そうですか…」
俺には、覚悟がない、人を殺すこともできないし殺されるところも見たくない。何でこんなことになってんだ?現実逃避がしたいよ…本当に…
それから1週間が経った。
道中アンデットに遭遇したがアリスさんが倒してくれた。
俺たちは、荒廃した街から、ターミナルという街までに行くことになった。
ターミナルは、どうやら銃や食料などの生活必需品がそろっている。
「あの…」
「何だ?」
「シリウスって何ですか?」
アリスさんは、一呼吸入れて言う。
「裏で汚い仕事をする組織だ」
「殺し屋みたいな感じですか?」
「まぁ、そう言うところだ」
「でも何でアリスさんが狙われているんですか?」
「私はその組織に、パートナーを殺された。大半がアンデット何だが、パートナーの中でも大切なやつがいてな…」
「それは、大変でしたね」
「それよりも、ついたよ、ターミナルに着いたよ」
「ここがターミナル…かなりデカいですね」
「そうだな、ところでアキラ…」
「私の組織に入らないか?」
「えぇ…」
「そんな嫌な顔するなよ」
「どんな組織ですか?」
「運び屋的な感じの組織」
「感じって…」
「まぁ、飯も宿もあるからな?頼むよぉ」
「飯と宿があるなら…」
「いいってことだね」
「はい、良いですよ」
「地獄へようこそ」
「地獄?」
喋りながら歩いていると、ある家に着いた。
アリスさんが家の扉を開ける。
「よぉ、アリスじゃないかそれと…この子誰だ?」
「アキラって呼ぶの」
「アキラかよろしく、俺は、バネットって言うんだけどよろしく」
俺とバネットさんは、握手をする。
「よろしくお願いします」
「いいよ別に、そんな緊張しなくて、ゆっくりしたいけ」
するとアリスさんが、楽しそうにこう語った。
「アキラすごいんだよ」
「どんな所が凄いんだ?」
「ランチャーを武器も無しに買ったんだ」
「そりゃすげぇ、よく生き延びられたな」
「まぁ、負傷してたんだけど、そこを私が発見した、それとアキラ、能力持ってるかもしれない」
「それは、本当か!」
「でも傷を治すくらいかな、深い傷でも1日で治る感じ」
「それは、微妙だな、まぁ、能力持ちなのは、ありがたい。今後ともよろしくなアキラくん」
俺は、不意に放たれた言葉で、動揺する。
「え、あ、はい…」
「そんな緊張すんなって」
バネットさんは、笑顔で言う、すると真剣な顔で手に持ってた紙を机に置く。
「そんで、アリス早速で悪いが、依頼だ」
「え〜面倒いなぁ」
「そんなに面倒臭い顔するなよ」
「報酬は、弾ませてよ」
「あいよ」
「それで、依頼の内容は何?」
「依頼人の護衛だ、どうやらコイツは、色々なところから目をつけられててな運がないことに、シリウスの連中隠れていた場所がバレたらしい」
「それで私たちに、護衛をしろと?」
「言うとうりだ」
「それじゃ、アキラに、武器を渡してやれ」
「はいよ、新人の初仕事のプレゼントでこれを渡す」
バネットさんが手渡したのは、拳銃だった。
「え、これ、拳銃ですよね」
「そうだが?何か問題でもあったか?」
「危ないじゃないですか」
「大丈夫だ、自分が危なくなった時にでも使え、護身用だ」
「そ、そうですか…」
「あと、一つ忠告してやる、殺る時は、躊躇するな、一瞬の先でも見せたらこっちが殺されるぞ」
「は、はい分かりました」
「よし、いい子だ、ほら行ってこい、帰ったら飯でも何でも奢ってやる」
食い意地の張った顔で、私のは?と言わんばかりの形相でバネットさんを見るアリスさんが隣にいた。
「お前も奢ってやるよ」
バネットさんは、呆れた顔で言う。
「やったぁ!それじゃあ早速出発だ!」
「あのぉ、バネットさん」
「何だ?」
「依頼人は、何処にいるのですか?」
「外で待ってるから安心して行きな」
「はい」
俺とアリスさんが外に出る。
「あなた達が、護衛の人ですか?」
驚いた、依頼人は、少女だった。
「こんなガキが依頼人か?!」
「誰がガキじゃと!」
と少女が怒る。
「その子、エマって名前で研究者らしいアンデットを研究してるってよ」
バネットさんが言う。
この子が研究者ねぇ、え?嘘でしょ?
「まぁ、依頼は、依頼だ。それ以上もそれ以下でもない。報酬だけもらえればいい」
とアリスさんが言う
「とりあえず行きましょうよ、目的地に」
「そうだな、よし行くぞガキ」
「だからガキじゃない!ワシには、立派なエマっていう名前があると言っているじゃろ!」
「はいはいエマちゃま」
「まぁまぁ落ち着いて」
「私は、落ち着いているが?」
そう言えばバネットさんに、目的地を聞いてなかったな、
「バネットさん!目的地は?」
「目的地は、サンダインっていう街だ隠れるには、うってつけの街だろう、人口も多い、北を4日くらい歩けば着く」
「わかりました」
「気をつけて行ってこい!」
「行きましょう、アリスさん、エマさん」
「ほれ、あの若者は、ちゃんとえまさんといってるじゃろ!」
「はいはい、エマちゃま、エマちゃま」
「ほら二人とも…」
俺たちは、北を3日ほど歩いた。
その夜だ。
「おい、アキラ、アマ起きろ」
「何ですか…」
「何なのじゃいきなり起こして…」
「物音がする、周囲を警戒しろ」
陽気な顔をしているアリスさんでは無く殺す目をしていた。
その目に敵がいると察し、寝ぼけている頭を治す。
「ほら起きてください、エマさん敵ですよ敵」
「何じゃ若者」
俺は、旅の時に、出る前に、バネットさんにもらった。
コートから拳銃を取り出す。
弾がマガジンに入っているかを確認しマガジンを戻す。
ここは森だ。灯りが光って見つかったようだ。
「おい、アキラ銃を構えろ」
アリスさんは、ライフルを構える。
「うぉぉぉおお!」
っと声が木の影から聞こえたと思ったら、アリスさんの目の前に現れた。人だ。
「盗賊か!」
刃物を剥けアリスさんに襲い掛かるが、ナイフでは、ライフルには、勝てず足を打たれ足が引きちぎれる。
「うわぁぁぁあ!俺の足がぁ!」
と言って少しずつ声の音量が下がり冷たくなる。
「うわ!」
アリスさんが叫ぶ。
俺は、振り返りアリスさんが不意をつかれ、盗賊に、ナイフを刺されそうになっている。
やばい、このままじゃアリスさんが死ぬ。
俺は、足を吹き飛ばされた盗賊に目をやる。
死体の隣に、ナイフが落ちてある。
それを拾った。手が震える。盗賊でも人だ、人を殺すのは初めてだ。
普通は人なんて刺さない、この世界に来ない限りは、俺は震えている手を押さえ、盗賊に刺す。
スウゥだとナイフが盗賊の背中に刺さり、悲鳴を上げながら仰向けに倒れて叫んでいる。
その時、盗賊は、ライフルを持ち出しアリスさんに向けようとした。俺は、盗賊の首にナイフを刺す。
盗賊は、口と喉から血の泡を吐き絶命した。
自分の手を見る血まみれだ。
生臭い鉄錆の臭いに俺は、また吐いた。
地面には、吐瀉物が散乱している。
「助かった、ありがとう」
アリスさんがそう言うと、俺の口についたものを拭き取り
俺を抱きしめた。
俺は、涙がボロボロとこぼしながら泣いた。
「ん?んあぁ〜」
どうやら俺は、寝ていたようだ。
昨日のことを思い出し吐きそうになる。
奴が先に襲ってきたとはいえ
俺は一人の人を殺してしまった。
まだ覚えている。手に残ったナイフで刺したあの感触を奴な顔を…
「よぉ〜いい夢でも見れたか?」
アリスさんが森の中から出てきた。
「いい夢なんて見れるわけないじゃ無いですか…」
「そうだよな…初めての殺しは、そう良いものじゃないだが…やらないといけないのが事実だ」
「よく平気で、人とか殺せますね…」
「おいおい、私を殺人ロボットか何かと勘違いしているのは、侵害だね」
「じゃぁ何で容赦なく殺したんですか」
「ん〜お前たちを守るためだ」
「守るため?」
「私が死んだらお前たちが死ぬ、だから私は、野郎のを撃った」
「それは、自分の身を守るためにもなるじゃ無いですか」
「ははは!」
俺の言葉を聞いてアリスさんは、高笑いをする。
「それじゃぁ私に死ねと?」
「いやそういうわけじゃ…」
「いや、お前の言っていることは、そういう事だ」
「………」
「まぁ、初めての殺しだ。今は、ヒステリックになっているだけだ、これからは、殺しなんていやでも慣れてくる。
慣れなければ死ぬ。殺さなければ死ぬ毎日人生ハードモードなんだよ」
「そうですか…」
「野郎どもには、容赦もいらん、どうせろくでもない奴なんだ。殺したところで良心なんて傷まないよ」
「何事じゃ?」
エマさんが起きたようだ。
「そう言えば、アキラお前鼻水やら涙やらで顔をぐしゃぐしゃにしてたな、相当気持ち悪い顔になってたぞ?」
俺は、その辺に蹲る。
「どうしたアキラ?顔でも真っ赤にしているのかぁ?」
エマが俺の顔を覗き込んでいる。
「そこらへんにしとけガキ」
アリスさんがエマさんの頭をつかみ止める。
「何じゃ!離さんか!」
「目的地まであと少しだぞ早く立て急ぐぞ!」
アリスさんは、俺の肩を叩く。
「わかりました」
「よしそのいきだ」
俺たちは、再び歩き出す。
森を3時間歩き続けた。森を抜けた先に大きな街がある。
ビルらしき建物や工場などがある。
「ほら、目的地到着だ」
「疲れたぁ」
俺は、声を出した。
「何じゃアキラもう疲れたのか?」
「そりゃ疲れますよ…」
「ごちゃごちゃ言わずに行くぞガキ」
「だからガキと呼ぶな!」
顔を赤くしてエマは怒鳴る。
俺たちは、街の中に入る。警備はそこまで無いらしい
エマさんの隠れ家の近くに行く。
「ありがとうなアキラ、助かったぞ、これ報酬だ」
そうするとエマさんは、かなり重たい紙袋を手渡す。
「きっちり金は、受け取った。それじゃあな」
「ありがとうございます」
「アキラ達も死ぬんじゃないぞ?」
「残念だったな、まだ死ぬ予定は、無いんだ」
エマさんと別れを告げた。
「アリスさんどこ行くんですか?」
「ん?銃と後は、包帯、薬、食料を買い込む」
「もしかして次の依頼が危険だったりは…」
「どうしてわかった?」
「まじかよ…」
つい本音が出てしまった。
「どうした?怖気付いたか?抱きしめてやろうか?」
「いりません」
「寂しいなぁ〜」
「とりあえず色々買いましょう」
「はぁ〜い」
俺とアリスさんは、ガンショプに行った。
最後まで見ていただきありがとうございます。
ちょっとでも気になってくれたなら幸いです。
不定期ですが、投稿しようと思いますのでどうかよろしくお願いします。
いいねを押してくれたら幸いです。
ありがとうございました!