表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/117

第百十六話 最終決戦・ゼト戦⑧

『ゼトのターン:戦う――、全体攻撃! 食いちぎる!!』


両手両足を失ったゼトは、頭部のみでの攻撃に出る。


「ガチッ!!!!」


『タケヒコにヒット! タケヒコ、HP:0/231』


「ぐっ!! 強い……」


『タクヤにヒット! タクヤ、HP:13/243』


「ぐぉ!! 最後っ屁か……、セルジュに全回復してもらっててよかったぜ!」


『ノノにヒット! ノノ、HP:0/224』


「ぎゃわー!! 何回目ですかー?」


『セルジュにヒット! セルジュ、HP:???/???』


「♪ さあ、終わりの時間だ(タケヒコとノノちゃんには悪いけどね――、)」


『タケヒコ、ノノは力尽きた』


『タクヤのターン……』


「ここまで来るのに、色んな場所を冒険してきて、辛いコトや楽しいコトで溢れてた。でも、このメンバーだからこそここまで来れたんだ! タケヒコ! ノノ! セルジュ! 今までありがとう(この戦いが終わったら……)」


タクヤは下唇をグッと噛み締めた。そしてゆっくりと口を開く。


「この戦いが終わっても、ずっと、仲間で居てくれ……!!」


『スキル――、ドラゴンバーン!』


タクヤの乗っていたドラゴン(ドラコ)は翼をたなびかせ、舞い上がり――、




「ゴォォ……ゴォォォォオオオオオオオオ!!!!」




口からメラメラと燃え盛る炎で、ゼトの頭部を襲った。




「ワシの……野望が………、グギョオォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」




ゼトはこの世の者とは思えないような叫び声を上げ――、


「シュゥゥウウン」


ゆっくりとその姿は消えていった。




「ハァ……ハァ……今度こそ、勝ったぞ……!」


(やったな、タクヤ……俺死んでるけど……)


(やったー! クリアだ。私死んでるけど……)




タクヤ、タケヒコ、ノノは(一部死にながら)歓喜の声を上げる。


そして――、




「タクヤぁ♪ やったね!」


「……オウ!」




パァンとセルジュはタクヤとハイタッチを交わす。


「ホントにこれで……ストーリークリア……な……ぐーぐー」


タクヤはドラゴンバーンの反動で眠りに就いた。


「あらー♪ いつもの感じになっちゃうんだね」


タケヒコとノノは石化、タクヤに至っては熟睡といった形でエンドロールを迎える。




『タクヤLvアップ40→45。セルジュLvアップ42→47』




スタッフの一同の名前が、画面上に流れていく。背景には、タクヤの冒険の軌跡が映し出されていた。入水まえに、田んぼで足ふみをしホッコリしているタクヤが、ノノに出会うシーン。


(あっ! 初めてタクヤ君にあった場所だ)


「ぐが! ぐー」


次にタクヤの実家の母屋と離れが火災に遭っているシーン。


「私の活躍で、見事イベントクリアできたね♪」


続いて、初めてのスライムとの戦闘。


(俺達、あれから考えるとものすごく強くなったな)


更に、


神殿、


森、


ゼトとの負けイベントの様子、


砂漠、


市街地、


水の都、


火山と、今まで旅したマップと、タクヤ達の旅での様子がスライドショーの様に流れていく。スタッフロールも数え切れない程の数々の人の名前が流れている。


「ふがっ! こんなに多くの人が、このゲームに携わってきたんだな」


「漸くお目覚め? タクヤ♪」


「おうよ、セルジュ。エンドロール見逃すわけにはいかねーだろ」


「あ♪ タクヤ、二人も……!」


タケヒコとノノも意識を取り戻し、ゆっくりと立ち上がった。


「ふーい、やられたやられた」


「私倒され過ぎじゃありません?」


「お前ら……! もう無事か!?」


「お陰様で――、な。……おい、見ろよタクヤ。面白いモンが見れるぞ」


「あっ、ホントですね」


「?」


エンドロールの中に妙な文字が。




『スペシャルサンクス:タクヤ君家』




「!? !!? タクヤ君家!!!?」


「あながち、間違っては無いよな。タクヤ」


「何だか面白いですね(笑)」


「タケヒコにノノ! 茶化すのはやめろ!」




「ハハッ」


「あはっ」


「♪」




そうこうしているうちにエンディングが終わり――、




『The battle begins on the farm』




タイトル画面が映し出されていた。


「!? タケヒコ! ノノ! セルジュ!」


三人の姿は確認できなかった。タクヤは急いでボタンを連打した。言いようもない焦燥感にかられながら――。


画面が再び明るくなると、そこは実家の離れだった。


「――、!」


タクヤは辺りを見渡した。すると――、




「ようタクヤ、そんなに急いで何の用だ?」


「あはは! 何か変な動きでしたよ?」


「どしたの? タクヤ♪」




タケヒコ、ノノ、セルジュの姿があった。ホッと胸をなでおろすタクヤだった。ノノはタクヤを不審に思い、言う。


「何ですか、そのリアクションは? あー! 忘れてませんよね? この後するコト!」


「なっ、何するんだっけ?」


ノノ、タケヒコ、セルジュは顔を見合わせて言った。






『クリア記念の、打ち上げ!!』



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ