誰かを愛するその前に。
この作品は魔法のiランドでも投稿しています
わたしを一言で表すなら、‟恋愛体質で依存体質”なんだと思う。基本的に男の人にはすぐ依存する。好きな人がいれば自分でも怖いくらいに依存した。
わたしの好きな人はクズだった。暴言は吐くし平気で約束は破るし元カノの数なんて計り知れないし。そんな人に沼って沼って沼りまくって。本当に大好きだった。わたしは思った。「最高に傷付けといて生かすのやめてほしい」と。
わたしが傷付いている間もその人はのうのうと生きているのだ。わたしが書いた手紙の内容も、作ったバレンタインの味も、努力した量も、尽くした時間も、リスカの跡も、涙の数も、何も知らずにあのひとは死んでいく。そんなの許せるワケがない。愛と憎しみは表裏一体。まさにこのことだと思った。
そんな時、現れた男の子がいた。本当に優しかった。だけどダメなわたしは、その人の好意に気付かないフリをした。わたしは好意を返せない。ただ、あなたに依存しているだけ。
好きな人と依存相手が同じだからあそこまで苦しんだんだと。だから依存と好きを別の人にすれば、わたしは楽になれると。そんな、最低なことを考えていた。
だが好きではないといっても依存している以上、苦しかった。来ない返信を永遠に待ち、画面にずっとへばりついている。さすがに思った。やめたい、と。こんな生活嫌だ、と。
そう思ってからは早かった。「恋愛しなきゃいいんだ」と冷静になった。もちろんこれからも恋はするだろうし本能には抗えない。けど、今はその時間じゃない。誰かに依存してしまうのは自分のことを愛したりないからで、その人がいないと生きていけないと思っているのはただの錯覚で、誰かのことを好きになる前に、まずは自分のことを好きになろうと思ったのだ。
わたしが本当に愛したいのは誰?好きな人?依存相手?
ーー違う。わたし自身だ。
きっとこれからも依存も執着もする。だけどその前にもっとやることがある。
わたしはわたし自身を愛したい。幸せになりたい。幸せにしたい。だから。
誰かに溺れるくらいなら、自分に溺れる勢いで生きていきたい。精一杯自分を好いて。
読んで下さってありがとうございます!!(´;ω;`)