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(9)山登り

 天候も、まずまずである。よしっ! さあ出るかっ! と、井場(いば)は家を飛び出した。楽しみにしていた休日の山登りである。いつものように列車に揺られ、先週、楽しみながら計画した行程である。馴れたもので、井場にすれば、スイスイ~っと行動は進むはずだった。というのも、いつも順調に進んでいたからだが、この日に限って、井場の山登りは順調にいかなかったのである。そのことに気づいたとき、井場は戸開山の中腹にさしかかっていた。

『しまった! 水筒を置き忘れたぞっ!』

 出がけに畑の大根を洗い、輪切りにして湯がいた・・まではよかった。ポトフにしようと思ったのだ。いらんことをしたな…と井場は後悔した。朝が早過ぎ、時間があったということもある。水筒を出したままリュックに入れたと思ってしまったのである。気づいたのは戸開山の中腹である。井場は仕方なく、乾いた(のど)に缶ビールを(そそ)ぎ入れた。注ぎ入れたことにより、喉の渇きが消えたまではよかった。消えたのはよかったが、しばらく登っていると酔いが突然、来た。井場は、その場でイバイバになってしまった。イバイバとは、酔いでへたり込んでしまった状態をいう。たが、いつまでもへたり込んでいる訳にはいかない。徳川家康公の伊賀越えの危難にも似ていた。いや、少し違うだろうが、まあ、そういった状態になった訳である。井場は()う這うの(てい)で下山し、(ふもと)へと辿(たど)り着いたとき、井場は、やれやれ…という気分になった。無事、三河へ辿り着いた訳である。違うかっ!^^

 このように、足らないことで危険な状態に至る場合もある訳だ。^^


 ※ 戸開山は私小説・靫蔓うつぼかずらに登場した山です。^^


                  完

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