(4)何かが?
コトを始めたあと、足らない…とは気づくが、はっきりと、そのコトが特定が出来ず、漠然と何かが? …とお思いのことはないだろうか。?^^ そういった場合は、どこか奥歯にモノが挟まったような気分がして、よくないはずである。今日は、その何かが? 分からず、悩んで時間を費やした検察官、薪検事の話である。^^
薪は、その日もいつもの通勤電車に揺られていた。揺られたくて揺られている訳ではないが、まあ、それも仕方がないか…と、つまらなく思いながら薪は揺られていた。
『野豚ぁ~~野豚です。牛鹿線は乗り換えでぇ~す…』
とある超有名漫才コンビの弟さんのモノマネのように、鼻声の馴れた口調の車内アナウンスが流れた。いつもなら聞き流す車内アナウンスなのだが、薪はその日に限って、ふと、何かが? 足らないような気分がした。その何かが分からないまま、しばらく列車に揺られ、惰性のようにいつもの猪川駅へ薪は降り立った。改札を抜け、勤務する猪川の地方検察庁へ向かおうとした、そのときである。アアアッ! と、薪はその足らない何かが? 何なのかに突然、気づかされた。^^
『そうだっ!! 今日は次席検事の河馬田さんに会うんだった…』
昨日、出張の服命書を書いていた自分の姿が、薪の脳裏に、ふと、浮かんだ。河馬田は山羊窪の高等検察庁に勤務していた。山羊窪の地方検察庁へ向かうには、野豚駅で牛鹿線に乗り換える必要があった。その足らない何かが? は、その日の行動を決定づける何かが? だったのである。^^
惰性は怖いですよ。日々、何か足らないか・・を確認しましょう。^^
完




