表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/100

(20)勤め口

 勤め口は、働く気があればいろいろ探せる訳である。世の中に働く場がない訳ではない。あるのだが、本人にしてはその職種の求人が少ないと、足らないように映るのだ。選ばなければ世の中の求人は十分、足りているのである。

 とある町のハローワークである。

「で、どうでした? ご紹介した勤め口は?」

 職安の担当係が戸板に(たず)ねた。

「いや、それが…。どうも私の思っていた職場にしては足らないんです…」

「何が足らないんですっ? 給料の額ですかっ?」

「いえ、違います」

「でしたら、何が…?」

「どうも私が思い描いていた雰囲気が足りないんです…」

「雰囲気? …どういうことでしょう?」

「暗いんですよ、職場の雰囲気が…」

「暗いとダメなんですか? 雰囲気で仕事をするってもんでもないでしょ!」

「いいえ、私は雰囲気が暗いと職場はダメなんです」

「希望した条件どおりの職場でも、ですか?」

「はいっ! 条件どおりでも、ですっ!」

 それを聞いた係員は、こりゃ、相当手ごわいヤツだぞ…と、厄介者を担当してしまった迷惑そうな顔で戸板を見た。

 働く人にとって、勤め口の条件が足りていても、職場の雰囲気が足りないと、やはり、もの足りなく感じるのである。^^


 ※ 働く気がない人は、勤め口の条件が足りていようがいまいが、どうしようもありません。^^


                  完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ