コミカ
コミケの間違いじゃありません。
関係者が読めば、ずいぶん身バレする内容になってますが、そちらへのツッコミはなしの方向でお願いします。
昔、名古屋でコミカと呼ばれる同人誌即売会がありました。
確か、コミックカーニバルの略と記憶してますが間違ってるかもしれません。
グーグル先生に聞いてもほとんど何も出てこないくらい情報が少ないものです。
当時すでに東京でコミケが開催されており、名古屋で同様のイベントが開催されると友人から聞いて(インターネットのない時代にそうした情報を入手するのは大変なはずですが、どうやってその情報を入手したんでしょうね。今これを書いてて初めて疑問に思いました)、参加しました。
そう、参加したのですよ。同人誌を買いに行ったのではなく、あくまで売る側として。
つまり、同人誌を作ったのですよ。
当時の自分は中学生でした。マンガは大好きでした(当時は活字よりマンガの方が好きな一般的な中学生でした)が、あくまで読み手として。自分で書こうとか思ったことはなかったはずです。
ですが、コミカの情報を教えてくれた友人は違いました。彼はマンガ家を目指していたのです。その彼の情熱に引きづられるような形で同人誌を作ることになったのです。絵は下手です、今でも……
ちなみに、その友人はマンガ家とは少し路線が変わりましたが、そのままクリエイターとしての情熱を持ち続け、一流と言っていい存在にまでなったのだから尊敬に値します。このことについては余談なのでそれまでとしておきます。
当時はもちろんですが、実は今に至るまで東京のコミケに実際に行ったことがありません。今では誰でも知ってるレベルの一大祭典でありますが、当時のコミケに代表される同人誌即売会はもっとマイナーな存在だったはずです。
盛り上がってなかったわけではありません。マイナーな存在だった分だけ、コアな人々にとっては、それだけ盛り上がる存在でした。
実際、名古屋で行われたコミカにこんなに多くの人が集まるんだと感動を覚えるほどの盛況でした。と言っても現在の東京のコミケとは違い、入場制限がかかるほどの混雑ではなく、人の波で移動も困難なほどの人数ではありませんでしたが……
当時も東京のコミケは当時ファンジンと呼ばれたパロディ/二次創作系の同人誌が多かったと聞きます。と言っても今ほどではなく、当時のコミケはあくまで創作系が主流だったはずですが。
すぐ話が脇道にそれてしまいますが、思いつくままに書いてますのでご容赦を。
当時のファンジンは宇宙戦艦ヤマト系が主流だったと記憶しています。その後、キャプテン翼や聖闘士星矢、機動戦士ガンダムなどの時代になってきますが、当時はどの作品もオリジナルがまだ未発表でしたから。と書けばどのくらいの時代の話か想像できるでしょう。その当時に中学生だったと言うことで計算すれば自分の年齢までバレてしまいますから計算しないでください。
話を戻しますが、名古屋のコミカは創作系オンリーイベントでした。これがどのくらいすごいことかはわかりませんし、どうしてそうなのかも知りませんが、きっと主催者のこだわりだったのでしょう。
ですから、話に聞く東京のコミケとは違い、コスプレして歩くような文化もほとんどありませんでした。それでも、ごく少数の人々がしていたような気もしますが、記憶が曖昧です。
そんなイベントに世間知らずの中学生たちが参加しました。最初の参加ではホチキスどめの薄っぺらい会報を持っていきましたが、そんなものがまともに売れるわけがありません。オマケでつけようと持っていった手書きのシオリの方が少しだけ人気で、どちらというとシオリのオマケに会報を貰ってもらうみたいな形で数部だけ売れた記憶があります。
コミカというものがどういうものか肌をもって理解できたため、2回めの参加からそれなりの形となった同人誌を作り上げて持っていったものです。決して人気のサークルでもなく、それなりの数しか売れていませんが、それでも嬉しかったものです。
何年かでコミカは開催されなくなりました。末端サークルの1メンバであった自分にはまったくその事情とか聞こえてきませんでした。その頃からサークルの中心であった友人とは少しだけ疎遠になった気がします。そのまま同人誌即売会への自分の関心も減っていってしまいました。
何年か経って別の主催者によりコミティアが開催され、現在に至っていますが(コロナの影響で中止になってますが)、あまり興味も湧かなくなっていて一度も足を向けたことがありません。もともと人混みが好きではないこともありますが、お祭り事は好きなんですけどね。どうやら名古屋のコミティアは今も創作系のオンリーイベントのようです。コミカの伝統を引き継いだのか、単に主催者の意向がたまたまそうだったのかは知りません。
今朝、同人誌即売会の夢を見て、土曜と言うのに気になって寝付けなくなってしまったので、気の向くままこんな文章を書き殴ったわけです。
確かにあったはずの自分の青春の1ページです。