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仲間

 ふむ、なるほど。アンデッド生成を試してみたものの。


 どう見ても、見た目がゾンビというよりは人間にかなり近いのだが。目が真っ赤だったり、全身の血管が赤く光っててちょっとこぇぇな。


 ハイゾンビととりあえず名付けよう。ハイリザードマンやらハイゾンビやらネーミングセンスのなさがバレるな。


 とりあえずーー。まて、どうやって意思疎通をとればいいんだこれ。


「あ、普通に思念を飛ばしていただければ通じますよ」


 キェェシャベッタァ!?


「そんなに驚かなくても、我々元は人間ですし。まぁ、過去の記憶はうっすらとしかないですが」


 そうか、そんなもんか。まぁ、ランクが低い魔物で喋れるのも、まぁ俺の記憶では少なくとも一番低くてUC級のエルダートレントぐらいしか思いつかなかったが。

 

 この種族は強いんだろうか。


「まぁ、生前よりはかなり力はみなぎっている様な気もしますね」


 軽く力試しに小石を握ってもらったが粉砕していたので再生能力を加味すると多分C級の最初ぐらいか。


 魔法はどうだ?


「闇属性の腐食系とか血を操るとか、魔力を通して死体を操るぐらいはできますね。他は無さそうです」


 じゃあ血を使って身体強化、腐食で罠遠距離とかがメインの魔物になるんだろうか。戦いたくないなぁ。


「あはは、光栄です」


 しかもそれが三十人はいるもんなぁ。もしかしたらいい奴らかもと思って我慢したけど全員殺しとけば良かったかな。


「怖いこと言わないの!!」


 リズに怒られちまったな。


 まぁ、冗談だ。


 本当だぞ?


 まぁ、それは置いといて。ちょっと拠点が手狭になっちゃうな。無駄に木材は作りすぎたから余ってるから、それで建ててもらおうか。


 どこかを攻め落とす予定もないしな。後服の調達しないとな。夜中煌々と光られると目立ってしょうがない。


 魔物の皮でとりあえず部族みたいな服にはなるが作るか。


 とりあえず力に自信がある狩部隊、索敵に自信がある保守部隊、隠密が得意なリズ見守り隊、残りで建築という形にした。


 近くに粘土質な土があるようなので食器の開発にも着手してもらう事にした。


 人数の把握はどうせこれからも増えるだろうし、最初に話しかけてきたハイゾンビに全部隊を統括してもらいつつ管理してもらうことにした。


 顔が妙に整っているし状況の把握も早いし実は名家の出だったりしてな。


 よし、仕事を割り振った所で俺は付近の探索に出るとしようか。


 リズは村でこの付近の情勢などを聞くことにした。


 早急に鹿の毛でそこまで目立たない外套を作ったので、うまく隠密してくれればハイゾンビだって事は多分バレない。リズ見守り隊もしもの時は頼んだぞ。一番重大なチームだからな。


 力強く頷いていたので、多分しっかり守ってくれるだろう。


 俺はいつも通り一っ飛びして、とりあえずゾンビ達の故郷があるであろう方向へと飛んだ。


 何やら馬車がぬかるみにハマって困っているようだな。


 助けてやるか。地面に前回の要領で降りると、泥が盛大に飛び散った。どうやらここは沼地だったようだな。苔で覆われていて気づかなかった。


 身体強化をかけつつ、前に進んでいく。底は一応あるようで安心した。

 比較的泥が少ない場所まで移動し、馬車に近づく。何やらすごく揺れているな。


「なんだ貴様は!!」


 乾いた破裂音。

 いきなり発砲とはとんだご挨拶だな。まぁ魔物にそんなおもちゃ効きはしないが、色々思い出して痛いんだよ。


 心がな。


 おっと怒りに任せて頭を吹き飛ばしてしまった。反省しないとな。


 まぁ殺そうとしたわけだし、それぐらいの覚悟はあるだろう。暴れる馬をなだめ、馬車を引き上げる。


 なんだってこんな所を走っていたんだろうか。


 結構いい馬だから足を痛めたら大損失だろう。


 中を見て納得した。色々な種族の子供や若い女がすし詰めになっていた。


 全く、人間同士で価値をつけるなんてどうかしてるな。


 よくある事だが、俺は嫌いでよく奴隷商を襲ったもんだ。バレて何回ムショにぶち込まれた事か。


 まぁ、そんな話はどうだっていい。


 いつものように首輪を破壊して、無言で立ち去る。


「ありがとうございます!! いつかこの借りは返します」


 別にいいよ、と手をふりふり振って立ち去る。つもりだったのだが、子供の数が多く、俺の足に縋り付いて連れてってと言ってくる。


 あっちに行け、あの大人達と街に帰れとジェスチャーをするが、必死でついてくる。


 リズの友達がいた方がリズも幸せかな。と思い、全員を肩に乗せ、助けた大人に身振り手振りで固定してもらう。積んであったかえの奴隷服や、馬車と馬をガシッと掴んで飛んだ。


 手を振る人々を尻目に、馬のけたたましい鳴き声と共に飛び去った。

 

 

 次回は、連れてきた子供達の紹介と拠点の発展をメインに行なっていきます。

 どんな村になっていくのかお楽しみに。

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