おっさん
よし!! 今日こそやってやるぜ。
うぉぉお、掴めこのダンベルを。行ける。
全身に気を巡らせ、俺はダンベルを確かに捉えた。わずかにダンベルが浮かぶ。青筋が頭に浮かぶ、あがれぇぇ!!
腕が光を放ち、持ち上がった。
「おぉ、まさか食事より先にそっちができるとはな、そのうち食事も可能になる。頑張れよ」
おっさんはポンと肩に手を置く。そしていつもの椅子に座る。
その後の食事もうまく行った。体にモヤが入ると、力が漲るような感覚になる。
いつもの食事とは全く違った感覚だ。体も心も満たされていく。おっさんは笑顔でそれを見届けてくれた。
その後長い月日が流れた。バーベルや懸垂もおっさんはサポートしてくれた。そして一つづつ達成していった。それによって気を感じる能力のような物が高まっていった。先読みなども出来るようになった。
「なぁ、おっさん俺はここからどうやったら出られる」
おっさんは鋭い目でこちらを見据え。
「条件を言ってなかったなこの部屋を出る条件は俺を殺すことだ」
流石に心が揺らぐ。
「嘘だろ? なぁ、俺には出来ねぇよ」
俺は動揺を隠し切れなかった。その真剣な目で嘘じゃないってことは感じてはいたが。
「残念だが嘘じゃねぇ。さぁ、リングに上がれ最終試練だ」
おっさんと過ごした日々が脳裏をよぎる。毎日アドバイスをしてくれた、優しく励まし続けてくれた。子守唄を歌ってくれた。最後のやつは別にいい思い出ではないか。
とにかく、このおっさんを殴るなんて俺には。
強い衝撃、視界が揺れる。
「お前の人生は俺に負けたらここで終わる!! お前を待つ者もいるんだろ!? なら俺の尸を踏み越えていけ」
俺は滲む視界を気の力でサポートし、殴りかかるが、交わされカウンターが腹に入る。肺から全て空気が出る。
俺は地に膝をつく。そこに容赦なく蹴りがくる。
いつもの俺ならここで死んでいた。だが、俺には積み上げた日々がある。
空気の揺らぎがわかる。
それを交わし、足をとる。ここで俺の修行の成果を見せることがおっさんへの恩返しに。そう思わなければ弱い俺は殴ることなどできない。
バランスを崩したおっさんは驚いた顔をしたが、打撃が当たるその一瞬笑顔が見えた。
良くやった。そう言っているように俺には感じた。
おっさんはモヤのように消え、目の前には白い空間が広がった。
モヤに包まれた謎の存在から声が聞こえる。
「武の試練を達成しました。??力の使用を許可します。これより、貴方は魔神と名乗る権利を得ました」
魔神の上の存在? そんな奴がいたのか。それに天の声と同じ声だ。存在すら見えないと言うことは圧倒的な格上であることは間違いない。そんなことより今は。
「おっさんは、おっさんはどうなったんだよ!!」
そのもやは遠ざかり、俺の叫びは白い空間に吸い込まれていった。
一瞬目の前が暗くなり、目の前にいたのは驚愕に目を見開いた男。
「何故生きている」
俺は槍を掴み押し返し胸から引き抜く、血が一瞬吹き出るが瞬時に体が塞がっていく。完全に抜けた後、槍を握り潰す。
「謎のおっさんのおかげだよ。おっさんの名にかけてお前には負けやしない」
おっさん回です。そのうち正体がわかるかも知れないしわからないかも知れないです。
昨日倒れてたのでこの小説の内容ちょっと頭から飛んじゃいましたが頑張ります。




