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獅子の魔神

 今日は疲れていたのか、かなりぐっすりと眠れた気がする。


 元気もいっぱいなので、上級ダンジョンに行くことにした。


 稼いどかないと、せっかくのホテル暮らしが終わってしまうからな。修行と休養は別だ、いい環境でゆっくり休んだ方がいいパフォーマンスが出せる。


 さてここからは手応えのある敵も増えてくるだろうし、期待していきますか!!


 なんて言ってた俺をぶん殴ってやりたい気分だ。


 俺のあの上級通行証を見せたところがワクワクのピークだった。


 そりゃそうだ、進化した上に闘技大会で練度が上がった俺の状態ならUR級下位の実力を発揮できる。


 実力は前みた通り、上級冒険者は相手にならない。


 その上級冒険者の稼ぎ場で俺に経験値が貯まるか否か。まぁ、ゆっくり降りていくか。


 幸い食料などを買い込めるだけの資金はあのおっさんのおかげであるしな。


 ワイバーンやら、グリフォンやらのちょっと厄介レベルの階層ボスを倒しながら進んでいくと、どんどん人が減っていく。


 そりゃあそうだ、何せこの奥には化け物が棲むと言われている。


 前世の一握りの特級冒険者も帰ることができないほどの圧倒的な敵がいるはずなんだ。今世で言うとゴリアーティがいるが、恐らく比にならない。


 一握りの冒険者は魔神を余裕を持ってソロで狩れるものもいた。というかそのレベルになるとチームはバフを加えるだけの手駒や足枷にしかならない。なんならバフの練度が下がって効率が落ちるまである。


 強者は孤独だ。俺はそこまでは行ってなかったけど。


 まぁ、孤独ではあったよ。


 ちょっと寂しくなりながらも炎を纏ったサイを適当に蹴散らす。 


 勿論、ドロップ品は無属性魔法で拾ってるから安心してくれ。


 残念な事に話せるような出会いはなかった。ダンジョン内で錬金術してる博士には合ったが、まぁ上層なら結構いるしな。触れるほどじゃ無いだろう。


 かなり体の扱いにも慣れてきた。多分獣化してないゴリアーティなら耐久じゃなくても勝てるほどにはなっただろうか。獣化はもうやりたくない。


 偶然にもゴリラの階層ボスだった。ゴリアーティ弟さんは無事だったかな。とか考えながらワンパンで倒した。


 その先の部屋に踏み入れると明らかに異質な感じがする。


 なんというか魔素が少し濃くなっている。そろそろ特級エリアに差し掛かる頃だろうか。瞬間移動を使いまくった上に一日は手応えがなかったので階層ボス以外はノンストップで進み戦いっぱなしだ。


 辿り着いてもおかしくは無い、途中から数えるのがめんどくさくなって数えていなかったがかなり深いところまで辿り着いたんではなかろうか。


 現に冒険者も気付けばいなくなっていた。


 少し強くなった魔物を倒しながらエリアボスに辿り着くと、明らかに禍々しい扉が現れた。


 門番らしきガーゴイルをサクッと倒して中に入る。


 超級まで潜った事は無かったが、達成感があるな。


 ボスは人型の獅子? 筋肉がついているわけではなく、どちらかというと痩せ衰え、骨張ったーー。


 ゾワっとした感覚とともに体をのけぞらせると、相手の爪が通り抜けていくのが見えた。


 間違いない、この感じは魔神だ。


 気配を完全に消していたからわからなかった。不気味な笑い声と共に涎がボタボタと垂れ、俺の服を濡らす。


 汚ねぇと思う隙もなく、氷雷と混合させた拳で殴りつけてくる。さらに横からは多重展開で無数の魔法を放ってくる。


 命の危機、まだ制御できる自信はないがやるしか無いか。


 タキシードが一瞬にして弾け飛び、尖った鱗が全身を覆う。視界は鮮明になり、体力が消耗するが、前回ほどじゃ無い。


 相手は首の骨がないかのように頭をぐるぐる回転させ、一気に巻き戻す事で突風と共に突撃してくる。


 この不気味な感じがとてつもなく嫌いだ。なんて言ってる余裕は今の俺には無い。


 上、横、下パンチからカウンターで蹴り。考える前に体が動き、思考がドンドンと最短距離を辿る。


 獅子の魔神が噛みつきと共に爆風を放つのを予測していたかのように上に飛び、頭を蹴り落とす。対したダメージは入らないがまるで未来でも見えているかのように立ち回る。


 相手は苛立ち始め、黒いモヤが体からで始める。


 今世はじめての対魔神戦の初本番が今、始まる。


 

 


 

 

 今日は間に合いました!!

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