猛毒の剣
おぉー!! いい戦いだ。
しっかりと手堅い連携を組んでいる上にメンバーがアタッカー二人とバフ兼ヒーラーという優秀なチームだな。
思っていた以上に優秀だったようで、アタッカー達は魔法も使える剣士ということもあり、かなり有利に展開を運んでいる。火力が低く致命傷を与えられないのが難点だが。
顎などの物理攻撃をサポーターが、確実に硬化や筋力上昇を使い分けダメージを減らす事で、体力面でも補助が効いている。
そう、本来は強大な魔物にはこの様にチームで役割分担をして戦うべきであり、俺みたいになんでも一人で行う魔物のようなやつは少ない。
まぁ、俺は魔物なんだが。
何度も剣と顎が火花を散らし、剣士達にも疲れが見えてきた。
恐らく、魔法は不得意なのだろう。魔力は使いすぎると体力を消耗するからな。
そこを狙っていたかのように体をくねらせ体当たりを行う。
彼らが全快の状態ならば相手の勢いを利用しカウンターで胴体を切り血の毒で一人ダウンする代わりに勝利となる場面だが、それを恐れていたのか大百足は繰り出して来なかった。
大百足の狙い通りカウンターのタイミングを見誤った剣士は大きく吹き飛ばされ、壁へと勢いよく飛ばされる。
俺がそれをキャッチし事なきを得たが、割と重症だな。
剣士はまだ戦えるといった面構えだがニ対一かつ、この強さのボスでは勝ち目はないだろう。
どうやら、虫型にしては知能が高い練度の高いボスのようだしな。
俺が一歩踏み出すと、大百足はこれまでの強者のオーラが嘘のように、慄き後退する。
しかし、階層ボスとしてのプライドで踏みとどまり全身を縮め俺一人に狙いを定め壁を走り抜け助走をつけ突撃する。なるほど、顎とその素早さを完全に活かした攻撃というわけか。その速度に、冒険者達はついていけていないようだ。
あいつら相手に使えば一瞬で全滅できたんじゃないか?
まぁ、外した時のデメリットもデカそうだが。
俺はヒョイっと交わす。勇者の様に正々堂々受け止めると思ったかバカめ。
壁にぶつかり混乱している隙に剣士が的確に節目を捉え一刀両断する事で、光の粒子となって消えていった。
感動的な勝利だったな。
ドロップアイテムは二振りの双剣。おっ、武器がドロップするのは珍しいな。ドロップ品の武器は付与効果がショボかったとしても人間では到底作れないほどに質が高く高値で売れる。良かったな。
「良かったら貰ってください。私たちは遠くで騎士をしており、部隊を組み腕試しのウォーミングアップに来たのですが、まだ早かったようです。一週間後の武闘大会頑張ってください」
お、おう。なにそれ。
俺はクールなキャラを装いコクっと頷き、それを拾う。
しまった受け取ってしまった。これは武闘大会とやらに出ないと怪しまれる。通りで人が少ないと思ったよこんちきしょうが。
付与効果はっと持った瞬間ブオンっと表示される。
なるほどな、毒操作か。武道大会で人を殺せと? 冗談はさておいて前世の感じだと麻痺毒等も使えるからかなり有用だ。
かなり効果で売れるだろうから譲ってやりたいのは山々だが喋るのは悪手だ。何も言わずに扉を開き先に進む。彼らは元来た道を負傷した仲間を背負い帰っていった。
これ人型だから使えるがこの先獣型の魔物になったらどうしようか。まぁ一旦帰るかとか思ったが向こうで飛べなくなったら終わりだ。
前みたいに戦争でもふっかけない限り近隣全て危険なエリアはない。人が住むのに適した大陸と言えるだろう。
とにかく、あの海を泳いで帰るぐらい強くならねば。
「英雄ミッション、別れを達成しました。魔力を贈与します」
いや、あの初対面なんですけど。
とにかくそれは放っておいて次のエリアは岩地か。剣も毒も魔法も効かない岩石の魔物がメインだな。
あの人たちは帰って正解だったと思う。
倒し方としては、打撃系武器、身体強化による格闘術、まぁ物理で殴れって奴だな。
身体強化をかけ、拳で破壊していく。バレないように人といたストレスが晴れるようだ。とてもいいエリアと言える。
ちなみに、魔法使いばかりの場合この層を突破するには出来るだけ逃げて階層ボスだけ全員で全力で魔法を放って無理くり倒すが正解だ。
あぁー気持ちいいな。全滅させる勢いで破壊していく。鉱石系のドロップなので結構いい値になる。ギフトが鍛治関連ならダンジョン産に並ぶ武器の材料になるからな。最高級の素材、超優秀な付与術師もいれば伝説級の武器も夢じゃない。
たまにすれ違う冒険者パーティーにやばいやつを見る目で見られているが気にしない。武闘家でも無駄に倒したりはしないからな。魔力の無駄になるし。
俺は魔力は使ってないので関係ないが。
ふぅースッキリした。
こいつは腕試しに俺一人で倒したいのでドロップ品の列に並ぶ。
その間にレアドロップの宝石を炎魔法で精錬でもするかな。
冬休み終わるの早くない?




