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アルじじいと魂が呼ばれたbay

作者: ふ~ん

夢に出たんで書きました。

しかも、二回も!しかも!!続きで!?

雰囲気、夢って言うのが少し…類似している作品が有るかもしれない。夢の中では、私は結構感動していたので衝動で書きました。

よろしくお願いします。

……アノ出来事は忘れはしない。


アレは…、いやアレと言うのは俺にとって一言じゃあ伝いきれない人だ。だからアレでは無くて、俺の大好きな「婆ちゃん」と言うべきだろう。

俺の婆ちゃんは、色々と性格が細かくてテレビを見ては自分にあった調理法を学んでは、俺に「食べなさい」と言ってくるんだ。あ!因みに爺ちゃんは、とっくにこの世を去っている。


「食べなさい」と言うのは、かなり強引なやり取りなのだがそうでもない。なぜなら……


「いただきまーす」


「これは喉に良いってテレビで言っていたから、酸っぱいかも知れないけど食べなさいよ。伸ちゃんの声が皆に届く様に、婆ちゃん特別に作ったからね」


俺は無言で返事を返すように、コクンと頷いて食べ始める。


声と言っていたが、実は俺は自称ミュージシャンだ。時間に構わず、作った曲を引っ提げて数ヶ所の内の決まった場所で歌っている。俺の歌を最初誉めてくれたのは、何を隠そう!婆ちゃんなんだ。

その婆ちゃんが……


「え?死んだって…いつ!?」


何も考えず、自己満足の現れなのか鼻歌まじりで帰ると、家の周りには見たことの無い車が沢山。俺は「何、路駐してんだ」と呟き、そして拳で車のドアを軽く叩いた。まるで、俺の帰りを邪魔している奴らの様に見えたからだ。

玄関を開けると知らないオッサンが突っ立っていて、あっさりと何の重みも無く俺に投げ掛けて来た。


「ああ、帰って来たんだね。じゃあ、警察の方が帰ったから明日にでも事情聴取に行って。」


オッサンは、家の主の名前すら言わずに警察の場所や婆ちゃんの葬儀場所を言っていた。

そう!その葬儀場所の報告で俺は知った。

婆ちゃんはこの世に居ないと知り、だから叫んだんだ。


「いつって?…今日だろ。事件性が無いのだから何時に死んだのかなんて、ドラマの見すぎなんじゃないの?」


そう言うと、白い歯を見せてニヤリと笑った顔をガン見で睨んだ後、近付いてからの脇腹レバーにえぐり込む様に打った。

すると、どうだろう?ガタッと床の木が強く打たれる音と、苦しくもがき続けるオッサンの唸り声で何人もの黒服が集まり出したんだ。


「そんな奴に構うからだよ伯父さん!忘れたの?」


「ん?おお元気そうだな卓也」


オッサンに駆け寄って来たのは、近所に住んでいる従兄弟の卓也だった。そして、このオッサンは見たことの無い従兄弟なのか再従兄弟なのか……とにかく、従兄弟の卓也が伯父さんと言うのならば遠い親戚というのは理解した。

それはそうと、ドタバタと大人数が俺の方に集結したもんだ。確認すれば、通夜の準備なのか片手にもった酒瓶やら綺麗な提灯の一部などを持っている輩が沢山だ。何か、作っているのだろうか。


「呼び捨てにするなよ。私の方が年上!……キョロキョロしてないで通夜の準備でもしてら?って、無理か。皆は賛成しないだろうな。

だって!お婆ちゃんにお金も入れて無い、ただの居候は無駄な歌しか歌えないもんな。邪魔だ!」


俺の家なのに!お前ら誰だよ。そんな気持ちが出たのか俺は卓也に詰め寄った時!?咄嗟に卓也は反応したんだ。自分を守る為なのか、手が前へと。


突発的に出た行為を避けるなんて事は出来なかった俺は、なんやかんや有って今は片手にギター。もう片手には、酒瓶が握りフラフラと歩いていた。ズボンには、飾ってあった婆ちゃんの写真が


(婆ちゃん。)


あの人数を捌くなんて事は出来ないと分かりつつも、無我夢中で額縁付き写真の婆ちゃんを奪って取って来たぜ。

写真を見つめるうちに、余り見ない婆ちゃんの写真が少し若いのもあって、どんどんと今日の朝の事や昨日の婆ちゃんの顔が浮かぶ度に「この顔、何年前の物だよ」と悲しいはずなのに、クスッと微笑む俺がソコにいた。


だけど……目からは


「おう。あんちゃん歌をやるんかい?」


暗がりでトボトボと俺しか歩いて無いから、わざとフラフラと蛇行し家に帰れないし警察にも行きたくないから意識を飛ばしていた矢先に声を掛けられたんだ。

俺は、ハッと音があった方向へ見ると「へーい」と汚いじじいが挨拶をしてきた。


もう見た目で理解できる。こいつとは、関わっても何も無いし俺とは不釣り合いだと確信できた。だから、通り過ぎようとした時「何泣いてんだ?景気の良い歌を歌ってくれよぉ」とイラッと来る絡みがあり、クルッと振り返ると何も変化の無い汚いじじいがニヤリと笑っていた。

その時、何故か婆ちゃんの声が聞こえた様な気がしたんだ。


じじいの顔を見たかなのか、婆ちゃんの笑顔の写真がダブったのか、それとも視界にギターが入ったのかコレだけは言えた。「歌って、他人もそうだけど伸君も幸せにならなきゃね」と聞こえた感じがした。

俺は、ため息をついてから


「良いぜ、歌ってやるよ」


じじいの正面に立ち、どのようなジャンルを聞き出そうとした時


「酒持ってんのか!?」


え?と成りつつも頷くと「酒くれよぉ」とアピールが強いのなんの!


「って!歌は!!?」


俺の声が届いているはずなのに、ハテナのマークがじじいの顔からハミ出しているのが理解出来る。更に言えば、もうギターには目線を合わさず猛烈に酒を奪おうとする始末だ。

まあ、この酒瓶は大勢の黒服を殴る為の武器だ。そして俺は、酒は飲まないしな。

まいっかと思いながら、チッと舌打ちをし手渡しすると「シャッ!サンキュー」とガッツポーズを取ったのを横目で見ながら通り過ぎようとした


「あんちゃん。その、婆さんの声……聞きたくないかい?」


「?」


未だ振り返らないが、確実に足が止まっているのが分かる。じじいのそんな興味の欠片も無いのに、何故か止まったのは「婆ちゃん」と言うのを気にかけてくれただからか?分からない。

……だが、「婆ちゃん」の話しをしたい!だから俺は立ち止まった!


俺は驚いた顔だが心は嬉しい反面、半信半疑でソロリソロリと汚いじじいの側へと寄る。再び正面に行くと、手を差し出して来た。また、何か利己的な要求だろうか?

「金はチョットしか……」の俺の話しの途中で


「違う違う。婆さんの写真だ。」


ハ?と成りつつ、婆ちゃんの顔を良く見せて欲しいというのを理解して「汚すなよぉ」と手渡すと、座布団の下にはスーパーの袋が沢山あった。その袋を一枚取り出すと、袋の中に婆ちゃんの写真を額縁ごと入れたんだ。

じっと見守っていると「婆さんにあわせてヤるから」と、またもニヤニヤしながら徐に!?


「ってオイ!」


酒瓶をキュポンと開ける同時にドバドバと袋の中へと投入するじゃないか!じじいは俺の勢いを手で防ぎながら反対方向へと向いて「へへへ。飲むぜ」と俺から写真を遠ざけながら器用に袋から飲み始めると突然!クルッと俺へと向き直した。

俺は咄嗟に引いたんだ。何故なら、じじいが頬いっぱいに酒を詰めていた。そう!吐くと思ったからだ。


しかしじじいは尚もニヤリとし、更には人差し指を立てて「待ってろ」と言わんばかりのサインをとった。


「!」


突然じじいが光り帯びた。じじいしか見てなかったのもあってか、電灯も付いているかどうかも分からない暗い路地が、突然じじいがまばゆくなり目が眩んでしまった時……それは見たんだ。

婆ちゃんが目の前にいた。今日の朝の婆ちゃんだ。


そして……今、思い出しても婆ちゃんが俺に何を伝えたのか思い出せない。けど、俺の心は楽しかった思いでいっぱいだ。普段、なんの変哲もない話しはしていたけど、こんなにも楽しいひとときは過去にも無かったと思う。忘れているだけかもしれない。けど、目頭が今でも熱く涙が流れ落ちては涙が浮かぶのは確かだ。

声を出して泣いているんじゃ無い!鼻水が勝手に出るんだ仕方がない。……そして、まばたきする度に又涙が。


俺達の話しあいが無くなって来て、無言で見ているのは何か辛いという表現は無いんだけど、婆ちゃんから目を反らした一瞬。それは、消えた。

目線を合わせると、元の汚いじじいへともどっていた。


ため息なのか諦めなのか、又自分の中で消化しきれて無いのか分からないけど半分以上はホッとした気持ちと言えた。

なぜなら、汚いじじいの目線も嫌な視線では無くなっているからだ。


じじいが俺の目を確認すると、又ニヤリとすると


「!?」


突然じじいは、鉄砲魚の様に弧を書きながら酒を吹き出すと遠ざけ元の酒瓶へと戻したんだ。さすがに、写真と額縁が染み込んだ酒は飲まないんだろうと思っていると「うぃー」と言いながら座布団後方に手を入れると御猪口が出てきて継ぎだしたのだ。


「って!飲むんかい」


と、俺はもう半分笑っている。

じじいが「ん」と差し出す写真を受け取ると、もうじじいは1人で飲み始めていた。その晩酌を見て、邪魔をしてはいけないと何故か思ってしまったと同時に「ありがとう」とじじいに感謝した。

特に深々と御辞儀したのでは無いし、目線を合わせた訳でもない。もう目線は酒のみの一択だからだ。それで、十分と感じたんだ。


それに、俺の顔もえくぼがある顔をしていたしな。

また、チートの方書き足して行こうと思っています。よろしくです。

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