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婚約破棄された異世界転生者の悪役令嬢は前世の重課金装備(怪盗仕様)を引き継いでもふもふ妖怪達とグルメなスローライフを楽しむため、スタイリッシュにタイムスリップしてきたおっさん賢者とダンジョン経営に励む

作者: 九条 碧

 いっけな~い、断罪断罪☆

 私、ヴァネッサ・ランチェス! お約束の悪役令嬢転生をしちゃった元社畜OL!

 悪役ルートは世界の強制力でもあるのか回避出来ず、これまたお約束の婚約破棄が始まってもう大変!

 でも婚約者になった時から態度最悪だった王子も、ぶりっ子な逆ハー狙いヒロインにもイラッとしてたから、冤罪の証拠はがっつり集めておいたの☆

 次回『ざまぁするまでが王道です。地に額を擦りつけて詫びろ』お楽しみに!



 ……という流れで断罪の茶番劇に勝利し、しかし人間関係に心底ウンザリしていた私は、とっとと国外脱出する事にした。

 転生特典なのか、前世で運営様に貢ぎまくったゲームのアバターにしていた怪盗キャラの装備が使えたので、隠密行動はお手の物である。本当は断罪前に逃げたかったが、今までは国を出ようとする度に色々と妨害が入り成功しなかったのだ。強制力許すまじ。

 そんな訳で、新天地を求めて旅を始めた矢先――空中に魔法陣が突然輝き、そこから飛び出した勢いで三回転半捻りの後スタァン!と華麗に着地した謎のおっさんに遭遇して度肝を抜かれた。


「どちら様!?」

「通りすがりの賢者だ」

「通りすがりとは」


 思わずスンッと真顔になった。

 驚く事に、謎のおっさん賢者は時を超える魔術を編み出し千年前の時代からやってきたらしい。膨大な魔力と魔術の才を畏怖され、迫害寸前だったそうだ。

 私が転生者だと説明すると、互いに異質な存在である事に共感したのか、同行したいと願い出た上で一つの提案をしてきた。

 曰く『居場所が必要なら、手頃なダンジョンでも乗っ取ろう』と。



 結論から言うと、私はダンジョンマスターになった。サクッとダンジョンを制圧し、異世界の知識でどう発展させるのか見たいとコアを譲ってくれたおっさん賢者様々だ。

 まず魔物を召喚してみたが、元日本人の記憶が影響したのか妖怪が出てきてしまい早速大喜びされた。鎧も斬り裂く鎌鼬、業火を操る火車、化け狸に九尾狐と、とんだエキゾチックジャパンダンジョン爆誕である。


「ふっふっふ……経験値を上げればフロア改造が出来る! 目指せ水田! ゆくゆくは和食三昧の日々!」

 もふもふ妖怪達に埋もれて癒されたり、おっさん賢者から助言を貰ったりしながら、私は今日もダンジョン運営に励むのだった。



 やがて一風変わったダンジョンがあると噂が広まり、評判を耳にした魔王が興味本位で来襲して大騒動になったりするのだけれど――


 それはまた、別のお話。

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