序章二話目
説明回がしばらく続きます。お付き合いください。
「信じたくない、けど、本当っぽいな。手違いって一体どういうことだ?俺はこれからどうなるんだ?」
「まぁまぁ落ち着いて下さーい。ちゃんと一個ずつ説明していきますからー。」
「いや、これで落ち着いていられるか!」
「まぁまぁ。これでも飲んで下さーい。」
ふと見ると、彼(彼女?)の手にはティーカップ、その香りは華やかながら落ち着く。
…、新たな疑問として、どこから出てきたのかと言うのが生まれたが。
「さっきスキルを使いましたからー。物質創造というアクティブスキルですねー。」
「心読むのやめてくれないか。落ち着かない。で、なんだよアクティブ?」
「アクティブスキルですー。発動が任意のスキルですねー。まぁ、このあたりはおいおい話すとしてー。まずは座りましょうかー。」
またいつの間にか、テーブルと椅子が出てきていた。
…、このあたり考えるのはやめとこう。
頭が痛くなりそうだ。
そんなことを考えながら椅子に座る。
向こうも反対側に腰掛けた。
「さて、まずはー、謝罪から、かな。ごめんなさいねー。ホントはあそこにトラックが走ってくるとは思わなくてー。いたずら好きな神もいてねー。それが運命を操るから手に負えなくてー。」
ほんとあの子はどうしようもないわー。遊ぶのが好きなのはわかるけど、人の運命をいじるなって言ってるのにー。と呟く
ただ、そんなことはどうでもいい。
つまり、オレは、
「神様の気分で、殺されたってことか?」
「そうなりますねー。」
「ふざけんな!」
「ふざけてませんよー。」
「ふざけてるだろ!!まだ、やりたいことがあったのに…。恋人作ったり、結婚したり。」
「わかってますよー。だから、本来とは違う手続きをふんでいるんですからー。」
「違う手続き?」
「はいー。本来なら死んだあと、その人の功罪に応じていろんな世界に生まれ変わってもらいますー。魔法が発展してたりー、古代エジプトのような世界とかにねー。でも、あなたの場合は、神がふざけて殺してしまったものですー。今までの基準も参考できないくらい普通なものでしたしー。」
「普通は余計だろ。」
「失礼しましたー。まぁ、そんな訳で、貴方には、転生じゃなく、少し若返って違う世界に転移してもらおうかなー、って思ったんですよー。こちらからのお詫びの1つってことでー。」
「1つ…。ってことは他にも?」
「はいー。いくつかありますよー。1つは転移、2つめはその世界の知識とその服装や装備、最後にアビリティとスキルを4つプレゼントですー。」
いらだっていた頭が幾分か落ち着いた。
転移にスキルやアビリティ。
夢のような話だが、これはおそらく現実。
そんなものがもらえるなら、それこそゲームのように
「魔法が使えたりするのか?」
「それはあなた次第ですねー。まずは世界の説明からさせてもらいますねー。あなたに行ってもらうのはセインティアというところで、魔法が発展した中世ヨーロッパの様な世界ですー。そのうちのグランデリア王国に転移させますー。まぁ、色々と豊かかつ争いがあまりない国ですねー。セインティアは、スキルとアビリティ、職業が生きていく中で、重要な役割がありますー。」
「スキルとアビリティの違いってなんなんだ?職業も重要ってどういうことだ?」
「順番に説明しますねー。まずスキルは技能ってイメージですー。剣を使う技能とか、魔法を使う技能とかですねー。ステータスによっては使えないものがあったりしますー。アビリティは、能力ですねー。ステータスにかかわらず使えるもので、体力アップとか、遠くを見たり出来るものとかですー。ここまで大丈夫ですかー?」
「あぁ。」
「では続けますねー。スキルは、アクティブスキルとパッシブスキルとに別れますー。アクティブスキルは意識して使うもので、意識して発動することが特徴ですー。パッシブスキルは逆に、常に発動してるものですねー。剣とか魔法はアクティブスキル、馬に乗ったりするのはパッシブスキルに当てはまりますー。」
「わかった。」
「職業は、扱えるスキルやステータスの増減がありますー。例えば、剣兵は剣を扱うのに最適なスキルを使えますが、他の武器の適性がない、とか魔術師は魔力は高いけど、力が弱まるとかですねー。スキル、アビリティ、職業の組み合わせは、とても大切になるですよー。」
「なるほどな。」
「次にステータスの説明に移りましょうかー。」