No 02 異世界へ
第2話です
「ようこそアストランドへ、勇者達よ。歓迎するぞ。我が名は、オマーンじゃ」
視界がクリアになるとそこは城の広間だった・・・多分。目の前に王様みたいなやついるし。
てかこれはあれか、異世界召喚ってやつか?マジにあったのか〜異世界。でも実際に異世界召喚体験するのはあんまり嬉しくないかも・・・。チート能力貰って好き放題できるならまぁ良いのかもしれないけど、どうせそんなこともないだろうし。
てか・・・勇者・・・達・・・?
ハッとしてあたりを見渡すとクラスメイト達・・・どころか俺の高校の生徒全員がいた。人数的に・・・多分だけど・・・クラスメイトと知らない高校生達・・・って可能性も無くもないが。顔覚えてないし・・・。でも制服同じだし…。
沈黙が場を支配する中、王様らしきじじぃが口を開き始めた
「さて、貴様らは今さぞ混乱していることだろう。説明してやるのでな、まずわしの話を最後まで聞け」
偉そうな態度で始めたオマーンの話はなかなか理不尽な話だった。
適当に要約すると、俺達は異世界召喚的な感じで異世界に呼ばれ、2~3年後に魔王が起きて戦争を仕掛けてくるからそれまでに強くなって戦争が始まったら国を守れ、ということらしい。・・・・・異世界召喚で魔王討伐とか・・・テンプレ乙。
魔王とは文字通り魔族たちの王様で、今は眠っているが2~3年後あたりに起きて魔族を従えやってくるらしい。ちなみにこの世界は人間界と魔族界に分かれているらしい。その魔族とやらは非常に残酷らしい。王様曰く、人間を弄び苦しめ殺すのが大好きで、人間をさらって拷問することが趣味の魔族までいるらしい。・・・なにそれ魔族超怖ぇ・・・。
強くなる方法は、国の中心部に古代の遺跡とかいうのがあってその中に魔物がいるからぶっ殺して自分を鍛えろ、だそうです。
俺が呼んだことのある小説のように、ステータスプレート、レベル、スキル、魔法、なんてものは一切ないようだ。割とマジで失望した。ただ俺達はこの世界の一般の人よりも少々強くなりやすいらしい。それも個体差があるようだが。まぁその辺の一般人よりは多少は強いし、鍛錬次第ではもっと強くなれるかもしれませんよって程度らしい。たとえば今いきなり城の衛兵に殴りかかっても勝てるわけではないらしい。・・・俺達を勇者召喚した意味って・・・。てかそんなんで魔王軍と戦うとか・・・俺やだよ・・・。
してそのダンジョンで魔物を倒すと魔石というものが残るらしいのだが、その魔石も重要らしい。なんでもこの国はその魔石とやらのエネルギーでいろんなものが成り立っているらしい。たとえば今いる城の天井に着いているシャンデリラみたいなやつからでてる光とか。地球でいう電気のようなものらしい。この魔石が今枯渇してきているから魔石を沢山取ってきてほしいようだ。魔石のエネルギー量は魔物の強さに比例するらしい。
ダンジョンは推定地下300階まであるとされていて、地下に行くほど強い魔物が出るらしい。推定というのは、未だダンジョンの最下層に到達した者はいないらしく、現在最下層到達点は地下96階らしい。これでどうして推定300階になるのか俺には謎だった。
金については魔石を売れば金になるからそれで生活しろ、だぞうだ。
他に気になったのはこの世界の人類はヒューマンだけでなく、エルフやドワーフ、アマゾネス、他にも獣人など、いろいろいるらしい。ほんとテンプレですなぁ。
まぁ、説明はざっとこんな感じだった。
「ふざけんなよおい!俺達に戦争しろって言ってんのか!元の世界に返せよコラァ!!」
話が終わると樋口がいきなり切れて怒鳴りだした。あいつ興奮し過ぎで血管切れて死亡、なんてことになってくれねえかな・・・。ちなみに言葉や文字は異世界召喚の効果で自動翻訳されるらしい。なんて便利で都合が良いんだ。
「無理じゃな、魔石エネルギーが足りんのでな。帰りたかったら魔王を倒した後に頑張って魔石を集めるんじゃな。」
「ざっけんなゴラァ!!!ぶっ殺すぞクソがあ!!!」
よしいいぞ樋口!もっと言ってやれ!!汚い言葉を吐きまくるんだ!!そんで不敬罪で殺されちまえよゴラァ!!!
・・・つーかそこまで魔石エネルギー必要なのに俺達を召喚した理由はなんだ・・・?聞いた感じだと俺らが特別チートな存在になり得る感じでもなかったし、何らかの方法で兵力強化でもした方がよっぽどよさそうだと思うんだが・・・。実は王様バカなのかね?
「まぁそういうな勇者よ、貴様にとってメリットもたくさんあるぞ?」
「・・・例えばなんだよ!!?」
ぅわあ、そんな簡単に食いつくのか・・・さすがバカは違うなぁ。てか不敬罪で死刑にはならないのか。残念だ・・・。
「貴様は見たところ体も大きく、膂力もありそうだ。」
「・・・だったらなんだよ!?」
ちょっと嬉しそうなのは気のせいじゃないよな・・・。なんて単純なんだ・・・。
「先ほども言った通り貴様ら勇者は常人よりも成長しやすい。鍛錬次第でははるか高みへ上ることもできよう。そしてこの国は実力主義じゃ。貴様が強くなれば金も女も簡単に手に入る・・・どうじゃ?」
「・・・つまり俺が最強になればなんでもやりたい放題できる・・・ってことか?」
「その通りじゃ。」
え〜・・・なんで乗り気になってんのこいつ?バカすぎる。鍛錬次第ではって・・・。んなことは何にだって言えるだろうが。それに最強になればって・・・そりゃあ最強になればある程度はどこでもやりたい放題できるだろ・・・。けどそんな簡単になれるわけねえだろうが。ぶっちゃけ、神になれば何でも自由に出来ますよって言われて乗り気になってるようなもんだ。お前くらいの身体で常人より少し才能ある奴なんてそれこそ星の数ほどいると思うんだが・・・。つーか樋口さんは自分に自信持ちすぎじゃあありませんかね・・・。まぁどうでもいいけど。てか勝手に死ね。
その後は樋口以外にもいろんな奴が文句や質問をぶつけていたが王様にうまく丸め込まれ、最終的にアホ共はみんな乗り気になっていた。
俺達はこの後は歓迎の意を込めてこれから一週間の間城で豪華な飯を食い、豪華な部屋で寝泊まりさせてもらえるらしい。一週間が過ぎるとある程度の金が支給され、そこからは自由に生活してくれ、だそうだ。ただし城にいる一週間の間に問題を起こされると、殺したりはしないが、問題を起こしたやつを城から追い出さなくてはならなくなるからくれぐれも気を付けてくれ、ということだった。
まぁ俺はバカどもと違って暴れたりせず豪華な食事と昼寝をしっかり満喫する予定だから関係ないけどな。
ここまで読んでくれる方がいるのなんて感激です!
次話も読んで見てくれると嬉しいです
感想お待ちしています(`_´)ゞ