プロローグ03
「……っ」
なんだろう、変な感じがする。なんというか、違和感というか。
ふわふわとした感じでむず痒い。
「んんっ……」
千春の声がする?
俺は千春の声が聞こえたほうを向こうとした、が。
突然目の前に現れたスクリーンのせいで
たぶんその先にいるはずの千春の姿が見えなくなってしまった。
スクリーンは異様な音楽と共に現れた。
そしてスクリーンの中央に人形の「何か」が現れた。
よく見ると顔に「?(クエスチョンマーク)」が付いている。
スクリーンから機械的な声が聞こえてきた。
「やぁやぁ、よく来てくれた。率直に言わせてもらうと、君達は選ばれたんだよ」
「何に選ばれたんだよ」
「まぁまぁ、落ち着きたまえ。君達は君達の世界の創造神に選ばれてここに来たんだ」
落ち着いてられるかっ
スクリーンの中の「何か」は少々イラ付く口調で語りかけてくる。
「意味が分からないんだが」
「あ、そうだ。まだ名を名乗っていなかったね。私はクエスチョン。以後お見知りおきを」
「質問に答えろ!」
「忍?どこにいるの?」
「千春っ?!」
俺は千春の声を聞いて思わず声を上げた。
「あの……お取り込み中申し訳ないんですがぁ~……喋っていいかな?
君達が来た理由はまだ教えられないけど、君達が互いに認識できない理由は教えてあげるから」
「分かった」
「えーっとですねぇ、君達は今思念体の為肉体がありません。
よってお二人とも相手の姿を見ることが出来ません」
「どういうことだ?」
「まぁ世間的には死んだ、ということになりますかねぇ~(笑)」
ということは……、俺たちは死んで精神だけの存在になっている。ってところか?
「……ふざけんなよ?!元に戻せっ」
「私に言われても……どうしようにもないんですよねぇ、これが。
私はこの世界の創造神ですが、君達の世界の創造神ではないので、
魂を持ってくることは出来ても送ることは出来ないんですよ。」
「まぁまぁ、忍落ち着いて、ね?」
「……分かったよ」
千春はこんな衝撃的なことを言われているのに普通、というかわくわくしている様な表情だ。
「あ、この世界の説明を始めまーす」
「分かった。……そういえばこっちの世界での一日は俺たちの世界ではどれぐらいなんだ?」
「お、良い所に気がつきましたねぇ。……ちょっと遅いけど」
「……丸聞こえだぞ」
「あ~すみませんねぇ~。それでは時間の説明を始めます。
こちらの世界での一日は、君達の世界での約半日、というところになりますかね」
そうなのか……
「それでは次にこの世界についての説明に入らせてもらいますよ」