プロローグ02
前にも言ったが俺達は桜雪高等学校という所に通っている。
この高校は名門校だ。
俺の夢も千春の夢も頭が良くないとなれない職業の為、かなり頑張ってこの高校に入った。
この高校は新しいにもかかわらず、優秀な人物を幾度も生み出している。
宇宙飛行士の───とか。
「忍、課題やって来たか?」
「当たり前だろ」
「だよなぁ、しかも今回は“あの”数学教師だぜ?……はぁ」
“あの”数学教師とは、生徒をイビるのが大好きな鬼畜教師“岩田 翔”のことだ。
「なんだ、忘れたのか?」
「そうだよ、忘れちまったんだよ。何でよりにもよってあいつなんだよ……」
「まぁ、今回は運が無かったということで、な?」
ドンマイだな、裕太。
まぁそんな鬼畜教師がいる名門校の紹介なんかしたってつまらないので
この学校の紹介は省くことにしよう。
学校からの帰り道。
「夏休みかぁ~。楽しみだねぇ」
「別に楽しみじゃない」
「し、忍には言ってないもん」
「あっそ」
嘘付け。周りには俺の他誰もいないから、千春が誰に向かって言ったのかぐらい分かる。
「千春」
「なに」
千春はふん、とそっぽを向いている。
拗ねている様だ。
「ごめん」
「……私もごめんね」
少し恥ずかしい。
俺たちはいつもこんな他愛無い会話をしながら帰宅する。
学校から俺たちの家までの距離は短いため、すぐに家に着く。
「夏休み、ちゃんと宿題やるんだよ!」
お前はお母さんか!
「わかってるよ。……んじゃまたな」
俺は夕食をとった後、風呂に入って汗を流した。
「あ゛~疲れた」
明日から夏休みか……。
暇だな、何をしようか。
……考え込んでいるとのぼせそうなので風呂から上がることにした。
「あっちぃ~」
蒸し暑い!とにかく蒸し暑い!
クーラーを付けようかとも思ったがやめた。
明日喉がやられていそうだ。
「ま、いっか。寝よ」
俺は寝ることにした。考えるのは明日で良いや。
俺はこの後すぐに“夏休み何しよう”なんていう悩みがぶっ飛ぶ様な体験をする。
千春と共に。