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プロローグ01
「忍!もう千春ちゃん来てるわよ」
母さんが下の階から俺を起こすために声をかける。
まだ起きる時間じゃないんだが。
「忍、今日で1学期終わりなんだから早めに行こうよ」
「あぁ……」
そう、明日からは夏休みだ。
「母さん、行って来ます」
「いってらっしゃい」
俺は宮元 忍。高校一年生だ。
隣にいるのは幼馴染の星野 千春。同じく高校一年生だ。
「忍、夏休み何してるの?」
「多分寝てるな」
「ふ~ん、そうなんだ」
俺達は守南川県豊見市という所に住んでいる。
通ってる学校は桜雪高等学校だ。新しく出来た学校だそうだ。
豊見市は海が見える綺麗な街で、有名な観光地があり観光客が沢山来る。
おかげで街は栄えている。
「おーい」
……この声は裕太だな。
裕太は俺の親友で、伊藤 裕太という。
同じく高校一年生だ。
タレ目でいかにも「へたれ」という風貌をしている。
「早く学校ん中入ろうぜ」
そうだな、7月半ばだから蒸し暑い。早くクーラーの利いた教室に入ろう。
「おう」