第2話:こんな旅立ち方ってアリなのか?
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「は!?……階段から落ちる夢見ちまった!」
今階段から落ちる夢見て飛び起きたのが、この物語の主人公【ムラ・ビート】だ。
何その名前とか言わないように。
「あ、もう12時か。お昼のニュースみなきゃ!」
ムラ・ビートはベットの下に落ちているリモコンを取り、テレビをつけた。
ブォン
《お昼のニュースです。先日、魔王を倒しに向かったユウ・シャさんが、今日未明、ボロボロになって帰ってきました。どうやら魔王に負けてしまったみたいです。彼は体力的にも精神的にもひどくダメージを受けたみたいで、
「クソ作者ー!」
と叫んでいました。これでは、いつ世界が救われるかわかりませんね…
以上、お昼のニュースでした。》
「…軽く世界やばいんじゃね?」
ピンポーン
ムラ・ビートの家のチャイムが鳴った。…つーかムラ・ビートって言いづらいからビートにします。
「はーい。」
ビートは玄関に向かう。
ガチャ
「どちら様ですか…って長老!?」
「ビー…トよ、ニュー…スを…み…たか…?」
「はい。てか長老、家に戻ったほうが良いですよ!顔が真っ青で、今にも死にそうじゃないですか!」
「この…一大…事に…寝てい…られ…る…か…ガハッ!?」
長老吐血。
「長老ーーー!?口から血が出てますよ!?家で休まないとホント死にますってえぇぇ!!」
「お…前に…この…世…界を…救ってき…て…ほしい…のじゃ…」
「…?なぜ僕に?僕にそんな力は…」
「あぁ…ない!」
えーー!?じゃあホント今なぜ僕に頼んだ!?
「だ…が、お前に…は…ゴフッ!」
多量出血および呼吸困難により長老死亡。
「長老ーー!!!なぜ大切な事言う前に死ぬんですか!?……ハッ!まさか、魔王か!?長老が僕に何かを言うのを阻止しようとして……ゆるさんぞ、魔王よ!!!」
ビートは自分の思い込みで旅立ちを決めたのだった。
「あ、テレビ消すの忘れた!」
お前もう帰れ!!!