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あなたの基本的人権を停止します ~目覚めたら美少女の豚にされていました~  作者:


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1/1

あなたの基本的人権を停止します

その日、高部祐一は豚になった。


首輪を嵌められ、ご主人様の側でブヒブヒ鳴くだけの下品な豚。


この場所に足を踏み入れた瞬間から、もう人間ではなくなっていた。


「あなたの基本的人権を停止します」


深紅の瞳がうっとりと祐一を見つめる。唇の奥に、ギラリと光る牙を尖らせている。


床に転がっている祐一は、状況を飲み込めずにいた。埠頭にいたと思ったら、次の瞬間には見知らぬ場所で目を覚ました。


十数メートルはある高い天井。絢爛な装飾が施された巨大なシャンデリア。体育館ほどの広い空間。大理石の床。壁際に並ぶ槍持ちの兵隊。


そして、祐一を見下ろす赤いドレスの少女。


声が出ない。身体が動かない。


今の祐一に許された自由は、眼球運動で、観察、することだけだった。


「あなたは今日から私のお人形さん、わかった?」


「……」


ドレスの少女は、靴を脱いで素足を露出させる。


肌白く華奢な右足を祐一の頭上に運び、そこで静止させた。


「返事」


「……ァ……ガ……」


喉が焼ける。首の中が燃えて、言葉が押し止められる。


ひり出そうとするたびに熱量は増し、息をするのもままならなくなっていく。


少女は一瞬だけ顔を緩め、それから僅かに頬をつり上げた。愉悦の表情。


状況を満喫している。祐一の苦しみを理解してなお、自分の欲望を優先させた、そんな顔だ。


「躾のなっていない悪い子はお仕置きだぞ」


少女の生足が、祐一の顔面に落ちる。


指で目をこちょこちょとくすぐり、踵で唇を弄くり回す。土踏まずが鼻っ柱を圧迫して、もげてしまいそうになる。


「ほーら、ほーら、返事はまーだ?」


恍惚としながら愉快に笑う少女。自分の顎に指を当てて、声に合わせて顔を振る。


楽しそうに足を擦りつける少女。漏れ出た涎に踵をべっちょり濡らしてもまだ止めようとしない。


何分間そうしていただろうか、祐一の感覚が麻痺してきた頃、ようやく足が止まる。


いつの間にか、少女の隣にメイド服を着た侍女が立っていた。


「フランシェーヌ様、その男は首輪の影響で鳴くことが出来ないのかと」


少女――フランシェーヌは、わざとらしく手をぽんと叩く。


「あらいけない、わたしったらどうしましょ。ごめんなさい、大事なことを忘れていたわ」


そう言ってフランシェーヌは足を離す。


すぐさま侍女が屈み、足の汚れを拭き取ってから靴を履かせた。


その間、白々しい笑みを浮かべながら、祐一を見下ろしていた。


「フランシェーヌ様、よろしいですか?」


「ええ、楽しませてもらったわ」


侍女が祐一の喉に触れる。指先が淡い光を放ち、ぼわっと首全体を包み込む。


光のほのかな熱を感じていると、すぅっと風通しがよくなる感触がした。


詰まっていた泥が取り除かれ、爽やかな清風が吹き抜ける。


徐々に光は弱まっていき、フッと消える。


同時に手が離れ、侍女はフランシェーヌの背後へと戻っていった。


「ご苦労様」


侍女は無言で頭を下げる。


フランシェーヌは彼女の元に行き、優しく頬に口づけをした。それから、何事もなかったかのように視線を祐一に戻した。


「発言を許可するわ」


息を荒げ、目を気持ち悪いくらいに見開きながら祐一は言った。


「もっと踏んでくださいフランシェーヌ様!」


ドMの快楽に彼は目覚めていた。


「……フランシェーヌ様、その男は殺しましょう」


侍女が腰からナイフを取り出し構える。フランシェーヌはそんな彼女を制した。


「ま、待ちなさい、勝手は許さないわ」


フランシェーヌは目を輝かせた。


「ねえあなた、踏まれたいの?」


赤い目が見開き、口元が半開きになる。涎が垂れて、侍女が口元を拭う。


息を荒げ、頬が赤く染まる。酷く興奮したフランシェーヌは、前屈みになって何度も瞬きをした。


「踏んでください!」


祐一の渾身の叫びが、ホールにこだました。


侍女は殺気をむんむんに滾らせ、フランシェーヌは妖艶に笑った。

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