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転生おじさん立志伝~一国一城の主を目指して~  作者: 田島久護
エルフの里潜入の章・序

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第六十三話 普通なんてない

「ヴァルドバがあの時より早かったら、俺は勝てないと思うけどなぁ」

「そうでもない。コーイチは変だから勝てる気がしない」


「変か」

「変だ。これまで人間族と何度も戦ってきたけど、そんな気になったことない。だから付いて行くことにした」


 俺は異世界から転生して来た人間なんだよ、なんて言っても信じないだろうなと思いつつ、ヴァルドバは何となく俺が違うと本能で気付いている気がした。


今のところ転生してチート能力があった感じは無いし、恩恵を感じていることもないので、具体的に何が違うのか聞かれても困るから黙っておこう。


「冥府渡り(デッド・オア・ダイブ)が無ければ大丈夫じゃない?」

「初戦でダメだった。本気で戦うならそれもあるから余計無理。黒騎士と同じで戦いたくなかったけど、仲間にしてくれて何より御飯が美味しいから戦わない」


 初めて会った頃の粗暴さがないよねと聞くと、ご飯があって安心して寝れるのは大事だと力説される。元の世界でもご飯も住むところもない人が、自暴自棄になって暴れる事件が発生することもあったので、ヴァルドバの言葉は説得力があった。


 話しながらも作業は順調に進み、ペグを打ち込んでしっかり固定し寝床は確保完了した。色々あってすっかり忘れていたが、食事をすることを大きなお腹の音が鳴ったことで思い出す。


地面が剥げている場所へ移動し石を集めて円になるよう置き、そこに森へ戻って拾ってきた木の枝を入れ、キャンプセットにあった火打石を使って火を起こした。


次いで石で描いた円の両端に金属の二股になった棒を差し込み、一番上に棒を渡し両端にあるてっぱりを双方に噛ませる。こうすることで棒に通しぶら下げて、火に当てることが出来るようにした。


首都を出る時に今日消化する用の肉と穀物を買っており、さっそくハンゴウに水と穀物入れ一番上の棒に通し火に当て、肉は串を差して火に当てながら焼く。


この世界での野宿は初めてだけど、昔虐め騒動後に父親とキャンプに行ったことがあり、その時の記憶がある程度フォローしてくれて助かった。また使う道具も同じような物で助かる。


「お腹空いた」


 エイレアが空腹に耐えきれず、荷車から降りて来てこちらに来てそう言うので、待ってたよと言いながら肉を渡すと泣きながら食べ始めた。


辛くても腹は減るし食べないと生きていけない、そんな当たり前の現実を受け止めながら飯を食う彼女を見て、昔の自分を見ているようで懐かしくなる。


三人でもくもくと食事をした後に水で喉を潤し、テントはエイレアに使わせ俺たちは外で寝ることにした。幸い気候は暖かく敷物もあったので、荷車はヴァルドバへ渡して自分は地面に寝転ぶ。


敷物があるとは言え下は地面なので快適とは言えないが、満天の星空を眺めながら眠れるという点は素晴らしい。元の世界でも生きる為に犯罪以外の仕事は何でもやったので、その経験が異世界に来てもすんなり入れた理由だろうなと考察する。


何しろ就職氷河期でもあったので、すんなり行ったことは人生で一度もない。だから困難の連続なんて日常だった。今こうしていることに不満はないけど、いつかのんびり暮らしたいなとは思っている。


今回の件が終わったら少しはそういう時間も取れるだろう。そんな時間を楽しみにしつつ目を閉じた。土が少し柔らかい御蔭で寝返りも何とか痛みが少なく済み、途中で起きることなく陽が昇って眩しさで目が覚める。


「おはよう」


 一人で片付けを始めているとエイレアが起きてきた。顔を見ると目が腫れており寝ぐせも凄いので、ゆっくり休んでて良いよと告げるも気を使わなくて良いという。


強がっているだけなのは分かっていたが、それでも立ち上がろうとする意気を買い、片付けを手伝ってもらうことにする。


昨日の事なのでやはり頭に残っているし、立ち上がる力になる言葉を掛けたくなって、俺のことを話し少しでも足しにしてもらえればと思った。


「俺はご存知の通り普通の人間族じゃないし、その上記憶喪失でおじさんだけど何とか生きてる。俺にとってエイレアはエイレアだから、魔法が使えなくたってそれが普通だ。普通なんて人の数だけあって良い、と俺は思う」

「何それ面白くない」


「もう少し面白く言った方が良かったか。俺は異世界から転生して来たとか」

「馬鹿ね」


 敢えて彼女の顔を見ずに俺はテントの片付けに入る。ヴァルドバも起きて来て手伝ってくれ、起きたサジーに朝ご飯を食べさせつつ荷車に荷物を入れていく。


冒険者ランク:シルバー級

職業:二刀流剣士(初級)

魔法:生命力変換オーラヒール

   冥府渡り(デッド・オア・ダイブ)

仲間:エイレア(エレクトラ王妃の妹のエルフ族)

   ヴァルドバ(ワーウルフ)


所持品

メイン武器:ソードブレイカー・右

サブ武器:ソードブレイカー・左

     クリスタルソード(王妃がエルフの里から持ち出した秘剣。追憶のペンダントが無ければ抜けない。鞘のベルトを肩から斜め掛けし背中に背負う)


防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)

アイテム:エリナから貰ったリュック

    (非常食各種、水、身分証、支援金五十ゴールド、地図、治療セット箱)

     キャンプ用品一式     

     水晶の荒粒

     追憶のペンダント(エレクトラ王妃から借りた物。マナの木の持ち物?)

     砥石一式

     鉄くずの入った袋


所持金:二十三ゴールド

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