第ニ百二十五話 暗躍するもの
「ぐおおおおお!」
痛さに転げまわる化け物を見て、今がチャンスだと感じ魂斬りを今度は化け物へ向け放った。
「させないよ!」
今度は化け物の前にアリエルが立ちふさがり、両手をこちらに向けて突き出し現れた大きな魔方陣は、こ漆黒の大きな盾へと姿を変えてこちらの攻撃を防がれてしまう。
「まぁ気付くよねマナの木の騎士ならさ。だが気付かれても問題ない。人数はこちらの方が多い上にエネルギーは無尽蔵にあるんだ。君が劣勢であることには変わりがない」
確かに人数の面では負けているものの、マナの木を封じなければ不味いと感じ、力をそちらに回している分言うほどこちらが劣勢でもない気がする。
何より魂斬りで攻撃されると困るというのを見て、こちらがしないままでいる訳はなかった。
相手が大勢を立て直さないうちに、再度魂斬りを今度は木の上へ向けて放つ。軌道を見て化け物は飛び上がり防いだが、わざわざ待ってやる必要もないので木へ向け連発する。
さすがに飛行は出来ないらしく、当てられるかと思いきや例の盾が出てきた。
「こっちは二人なんでね……くっ!?」
再度上空へ放ちつつ距離を詰め、魔神の三又槍をアリエルへ向き突き出す。咄嗟に魔方陣を出しこちらを押し留め、その間に化け物がダメージを追いつつ戻ってくる。
相手は二人かもしれないがこちらは一人でも二振り、それもとんでもなくレアな武器を持っているので、攻撃面では引けを取るはずがなかった。
槍でアリエルを攻撃しつつ、剣でマナの木の開放を目指し魂斬りを放つ。化け物は攻撃を体で受けながら、なんとか主であるアリエルを守ろうと懸命に走っているものの、そんなことをさせるはずもなくこちらも攻撃を繰り返す。
この間、アリエルも化け物を回復させながら自分も守るという、重労働をこなし続けている。ここまでくれば体力勝負となるだろうが
「う、うぅ……」
アリエルが大賢者として勇者クロウと共に、魔神ラヴァルと戦った経験があってもそれはアリエルの経験であり、乗っ取っているアライアスの経験ではない。
アライアスは昔で言うマナの木の騎士候補であり、魔法が使えない魔法に慣れていない体のエルフである。中身と違うのに魔法を常時使用、それも魔族の王が作った馴染みのない高度な魔法を使えば、無事で済むわけがなかった。
徐々に顔色が悪くなり魔法の強度も落ちて来て、しまいにはこちらの攻撃を受けきれず吹き飛ばされる。アリエルを心配してか化け物はマナの木に構わずに、急いで彼の元へ駆け寄った。
この機会を逃す手はないと先ずはエリザベスの確認をするべく、急いでマナの木の麓に駆け寄る。
ーコ……チ、……ペ……ント……木に……
微かに聞こえた声からペンダントを気に近付ければいいんだな、と考え剣と槍を置いてペンダントを外し近付けた。
―ありがとうございますコーイチ。魂斬りを当ててくれるよりは、こちらの方が復帰が速いので助かりました。
直ぐにいつものエリザベスの声が聞こえて安心したものの、現状は理解しているかと聞くともちろんですという。
―エルフの人間族に対する仕打ちなどは、魔族からエルフが教えられ浸透してしまったもので、彼ら魔族は以前からエルフを支配におくことを目論んでいました。
エリザベスたちはそれをオベロンさんたちから聞き、共にエルフへの魔法使用権をはく奪し、そのエネルギーを魔族除けにしようしたことで、魔族は手を出せなくなったようだ。
アリエルの要請に応えたのは魔族除けを解除するためであり、マナの木が封じられたことで弱まり魔族が来ているかもと言った。
「呑気に止まっている暇があるのかしら?」
どこかで聞き覚えのある声がしたと同時に地面が割れ、青白い肌に青く腰まである長い髪、ボンテージを着た目の赤い美女が現れる。
職業:エルフの里代理総督
役職:エイレア(総督補佐官)
ヴァルドバ(食材調達班隊長)
士元勇太(モンスター討伐班隊長)
エイミー(総督補佐官)
ジンネ・ダーント・ミエナ(環境調査班)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(資産運用班)
アルヴたちダークエルフ(モンスター討伐班)
パルダス(総督直轄兵)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント




