第ニ百二十四話 化け物の正体と魔法のからくり
要するに生まれ持ったものではなく、人工的に作られたような、例えば魔法によって強制的に力を与えられたように見える。
「寂しいことを言うね。彼は君に対する恨みを増幅させた結果、誕生した化け物なんだよ?」
誕生した化け物と言うことは、お前がそれを作ったのかと聞くとそれ以外に何があると返され、クイズ大会でも開くのかと再度聞き返したところ、化け物が俺の名を連呼しながら襲い掛かってきた。
誰なのかは知らないが、明らかに異常な状態であり辛いだろうと思い、ここは一思いにと気を剣に通し振りかぶる。
「ああ言い忘れてたけどそれは君が解任した、前里の交渉人とかいう男だよ。君の技で強制的に解除したら死ぬかもしれないね」
アリエルの言葉に彼の顔が頭を過り、攻撃できずに横へ転がり相手の攻撃を避けた。彼の言葉通りならアライアスの父親と一緒に居なかったのは、アリエルの魔法で化け物に変えられ、里のエルフを襲ったからではないかと考える。
確かに彼は俺が解任したことで恨んでいただろうし、里の皆に対しても恨みを抱いていてもおかしくは無かった。恨みの力を利用されて化け物となってしまったなら、それは俺の責任であり止めを刺すのも役目だろう。
化け物になった彼の猛攻はすさまじく、どうやったらこんな強化が出来るのかと思い、視線をアリエルに向けると掌が光りそれが化け物に向いている。
「ふふ……僕が補助魔法で君を助けていれば、魔神ラヴァルはもっと早く倒せていただろう。もっともマナの木やオベロンたちには、僕の目的は薄々勘付かれていただろうから、十全なフォローが出来たとは思えないけどね」
予想はしていたものの、やはりマナの木やオベロンさんたちの影響を無視し、魔法を行使しているようだ。種明かしをしてくれないものかと思い、ダメ元で聞いたところ君のお陰だと言われる。
「君が人間族の国で暴れている時に魔族と会っただろう? あの時の連中に僕も接触してね。いたく君にご執心のようだったから、計画を話して協力を求めてみたんだけどあっさり了承してくれたよ」
魔族? と思ったがそういえばイリスを送り届ける旅の中で、魔族の女性などに襲撃されたことを思い出す。最近は異種族と言えば主にエルフだけだったので、魔族のことはすっかり忘れていたが、そういえば彼らも魔法を使っていた。
ひょっとして今は魔術粒子ではないものを使用し、魔法を使っているのかと聞くと
「ちょっと惜しいね。魔術粒子は全ての魔法の源だから、それ無しでは魔法は使えない。君はこの世界のことを知らないだろうけど、魔法にも色々種類がある。今僕が使っているのは魔族の魔法なんだ」
そう教えてくれる。さらにオベロンさんたちに魔術粒子を枯渇させられても、魔法そのものの使用を禁じられても、魔族が開発した魔法ならある特定の条件下ならば、優先して使用することが可能だと種明かししてくれた。
「いくら妖精王でも神ではないから、別の種族である魔族の王が開発した魔法を、条件下で発動させてしまえば封じようがない。ちなみに条件と言えば今この場にあふれているものだよ」
魔族の王が開発した魔法で、この場にあふれている物を糧とするなら、それはもう一つしかない。恐らくそれを多く使用するために、エルフの人々を殺したり痛めつけて回ったのだろう。
こうなると相手は無限に力を使用できる気がしたが、ふとマナの木から声が聞こえてこないことに気付く。
話を聞いた限りでは魔法をガンガン使えるだろうに、目の前の化け物と補助呪文でサポートする程度なのは、ひょっとするとマナの木を抑え込んでいるからではないだろうか。
そう考え確かめるべく化け物の隙を突き、マナの木へ向けて魂斬りを放つ。行けるかと思ったものの、化け物が追って走り出し追いつくと気の刃に飛び込み、自分がダメージを受けることで阻止するという荒業を見せてくる。
職業:エルフの里代理総督
役職:エイレア(総督補佐官)
ヴァルドバ(食材調達班隊長)
士元勇太(モンスター討伐班隊長)
エイミー(総督補佐官)
ジンネ・ダーント・ミエナ(環境調査班)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(資産運用班)
アルヴたちダークエルフ(モンスター討伐班)
パルダス(総督直轄兵)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント




