第二百十三話 エルフの里の惨状
「コーイチ!」
「任せたぞ勇太! 皆はエルフの里へ!」
勇太の声に頷きそう告げて右手を挙げて皆を誘導する。アルヴたちは残ろうとしたのが見えたので、勇太の邪魔をするなと叫んで腕を振り来るよう促した。
ここから先は妖精たちの邪魔も効かない凄腕魔法使いと、異世界転生し戦場を駆け抜けてきた歴戦の勇士との戦いであり、他の人間たちは邪魔にしかならないだろう。
「さて、次は何が出てくるかしらね」
エイミーはそう言いつつ武器を取り出し襲撃に備えてくれる。エイレアを見るとこちらを見て微笑み、まっすぐ前を見て手綱を握った。
気持ちを立て直せて偉いぞと言いつつ肩から手を離し、浮いていたクリスタルソードを左手に取り、槍と剣の二刀流状態になりながら里の門をくぐる。
ーようやくお出ましか、勇者よ。
どこからともなく聞こえてくたアリエルを探すべく、エルフの里の中を走るが酷い状況に目を覆いたくなった。なんとか瓦礫を撤去し建築へとなった綺麗な状態から、魔神が暴れた時よりも酷いものになっており、筆舌しがたい光景が広がっている。
「エイレアとエイミー、それにパルダスとアルヴの隊はエルフの里の人たちの救助を頼む」
「「はっ!」」
恐らく呼んでいるのは俺一人だろうと考え、皆には救助を優先するよう指示を出した。エイミーを見ると持っていた武器をしまい、手を振って見送ってくれる。
もう少し手強くない相手であれば連れて行きたいが、さすがに危険すぎる相手なので今回は我慢してもらう。
移動しながら里の家の間などを探し回るもどこにもおらず、残された場所はもう一つしかなかった。
坂を駆け上がり辿り着いたマナの木の麓には、見慣れない三メートルくらいの背丈の化け物と共にアライアス、ではなく彼の命を助けるために入ったという、彼の祖先の大賢者アリエルがいる。
「やぁ遅かったね」
まるで友達と待ち合わせでもしていたかのように、こちらに対して手を挙げてアリエルは微笑んでいた。人々は倒れ燃え盛り崩壊する里にそびえ立つ、マナの木の元でそれをやっているのだから、異常としか言いようがない。
随分楽しんだようだなと聞くと、そうでもないと笑みを崩さず返してくる。
「やはりエルフは弱くなったよね。マナの木を敬わず身内を蔑ろにし、友好的だった人間族まで敵に回す。それでいったい誰が助けてくれると言うのか」
寂しそうなうな笑みに変わり呆れたように言うアリエルに対し、俺が助けに来たと言うとそうかとだけ言った。
ここまでやれば里もまた復興を一からやり直しだし、エルフも数を減らしただろうから気が済んだだろう、そう聞くとまだ終わっていないと言う。
「何度も言うが僕の望みはエルフを亡ぼすことだ。本当は魔神ラヴァルが現れた時に滅ぶべきだったのに、僕は家族と未来を信じて勇者に協力して助けてしまった。何の因果か知らないが、地獄のような未来を見てしまったからには、助けた僕自身が後始末をするしかない。それがせめてもの償いだ」
「勝手なことを言うな。もうその手の話はこっちはうんざりするほどやったし、被害者のアルヴたちは前を向いて新しい国に目を向けている。いつまで過去のことをごちゃごちゃ言い続けるつもりだ? お前が辛い目に遭った訳じゃないのに殺戮を正当化するな」
「言うじゃないかコーイチ。魔神を倒して良い気になっているようだけど、今度はどうかな?」
アリエルは横にいる巨大な化け物に視線を向けると、それは俺の名を叫びながら連呼する。化け物に名前を教え込んで連呼させるなんて言い趣味じゃないな、と苦情を言うと教えたわけじゃないという。
この子に覚えはないのかと言うので、あいにく化け物の知り合いはいないと返す。無理やり筋骨隆々にしたのか血管があちこちから浮き出ており、さらに紫色の肌は微妙に色を変えていて、何かの種族とは思えなかった。
職業:エルフの里代理総督
役職:エイレア(総督補佐官)
ヴァルドバ(食材調達班隊長)
士元勇太(モンスター討伐班隊長)
エイミー(総督補佐官)
ジンネ・ダーント・ミエナ(環境調査班)
ミケ・ザ・キャットとお供二人(資産運用班)
アルヴたちダークエルフ(モンスター討伐班)
パルダス(総督直轄兵)
騎乗馬:サジー(白毛の小さめの馬)
名産品:里の川魚の干物(予定)
人口:二百人
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
魔神の三又槍
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント




