第百話 呪い解除とレベルアップ
―習練により生命変換、魂斬りのレベルが上がり、効果量と威力が上がり消耗量が下がりました。こちらも使用を気をつけてくださいね。
二人を見て皆で良かったと感動している時、エリザベスの声が聞こえてくる。戦いの中でなくともレベルアップするのかと思い、今後も使えるところでは細かく使用して習練して行こうと思った。
「お客様、こちらのことでお待たせして申し訳ありません。お代は結構ですのでどうか我が宿にお泊りください」
親子で喜び終えた後でエルザの父親はそう言ってきた。病気が治ったことに喜びお礼をしたいのは分かるが、この宿の状況や二人の格好を見るとそうですかとは言えない。
何より働いた報酬を得ずにタダでするのは、労働の価値を下げてしまうので良くないと思っているので、運が良かっただけだからと言って断ることにする。
「いえ、お代はお支払いさせて頂きます。確実に治る保証が無いものでしたので、治ったのはあなたの運が良かったのでしょう」
「私の運が良いと言っても、あなたが来てくれなければ幸運も訪れなかったでしょう」
「ですが労働の対価は受け取るべきです。宿があることで我々冒険者は心から休むことが出来ますし」
「私たちの宿の心配をなさって下さるのは有難いのですが、一人の子の親として礼節も弁えない姿を見せたくないのです。どうか、私のわがままをお許しくださいませんでしょうか」
生活は決して楽ではないだろうに、礼節を重んじ弁える姿に侍のような感じを受け驚いた。仲良くなって協力してもらいたいという下心を抱き、一か八かの方法を試みたこちらが恥ずかしくなる。
ここは彼の心意気に対し嘘を吐くのは失礼なので、こちらも正直になるべきだと考え、そのまま理由を話すことにした。
「お父さん、恥ずかしながら俺は病気が治ったら、いつか森の中に家を建てる際に協力してくれないかな、という思いをもって行いました。なのであなたの気持ちは受け取りますが、お代は払わせて頂きます。エルザもあなたのその姿勢だけでなく、仕事も誇らしいと思っているでしょうから、対価は受け取ってください」
「森に建物を建てるのですか?」
「そうなんです。出来ればあまり森を切り開かずに家を建てて生活してみたいな、と思っていまして」
「コーイチは一応タウマス王と私の姉さまであるエレクトラ王妃から、人間族以外の土地に国を建てる許可を貰ってるのよ。色々事が終わったらそれに取り掛かるから、要するに仕事を頼みたいってわけ」
エイレアが横からそう言ってフォローしてくれる。王様たちの名前を出すのは気が引けるが、どこの誰か知らない人間よりは話を聞いてもらいやすいか、と考え心の中で感謝した。
今回の件を達成しイリスを送り届けた後は、国を作るのであれば酸いも甘いも嚙み分けていく。その中で皆で生きる為には泥をかぶる日も来るだろうし、知らない者に勝手に名前を出されることもあるだろう。
名前を出したからには二人に泥がいかないよう、細心の注意を払って話を進めようと思った。
「エレクトラ様が姉さま……? あなたはまさかエイレア様ですか!?」
「……恥ずかしながら。姉さまのような誇れる人物じゃないので、そこは忘れてもらって……」
アライアスを見て客観的に見れたのか、エイレアから自分のこれまでの行動を恥じるという言葉が出て、ヴァルドバと見合い笑顔で頷いた。
「おい、何でも良いから部屋に案内してくれたまえ。僕は疲れたんだ……いたっ!? 誰だ叩いたの!」
皆がほっこりしている中、相変わらずアライアスは自分らしさを発揮し空気をぶち壊し、後ろにいるラオックに後頭部をはたかれる。
アライアスの言葉にエルザと父親は気付き、慌ててこちらを部屋に案内してくれた。それぞれ一室ずつ案内してもらった後で、親子からお茶の席に招待される。
冒険者ランク:シルバー級
職業:二刀流剣士(初級)
魔法:生命力変換→Lv.2
冥府渡り(デッド・オア・ダイブ)Lv.2
魂斬り (ソウルスラッシュ)→Lv.2
仲間:エイレア(エレクトラ王妃の妹のエルフ族)
ヴァルドバ(ワーウルフ)
所持品
メイン武器:ソードブレイカー・右
サブ武器:ソードブレイカー・左
クリスタルソード(王妃がエルフの里から持ち出した秘剣。追憶のペンダントが無ければ抜けない。鞘のベルトを肩から斜め掛けし背中に背負う)
防具:布の服・ズボン・革の靴(初期装備)
エルフのマント(裏面に魔法陣が隙間なく掛かれ、表はど真ん中にウロボロスのマークが入ったマント)
アイテム:エリナから貰ったリュック
(非常食各種、水、身分証、支援金五十ゴールド、地図、治療セット箱)
キャンプ用品一式
水晶の荒粒
追憶のペンダント(エレクトラ王妃から借りた物。マナの木の持ち物?)
砥石一式
鉄くずの入った袋
メメリカ草(痺れ消し草の粉末一袋)
所持金:十九ゴールド




