七夕の短冊(1)
短冊
7月の上旬、私は行きつけのスーパーのサッカー台付近で七夕の短冊が吊るされた笹を見つけた。私も小さい頃に幼稚園で願い事を短冊に書いて吊るした記憶がある。その時なんて書いたかは覚えていない。覚えていないということは大したことを書いていなかったのだろう。もしくは普通過ぎてインパクトが欠けていたのだろう。
さて、みんなはどんなことを書いているのだろうか。私は気になってひとつひとつ短冊を見た。
短冊の多くには健康でいられますようにという願い事が書かれていた。他には成績が上がりますようにといった勉学系、戦争が無くなりますように、平和で過ごせますようになどといった平和を願うことが書かれていた。恐竜になりたい、妖精になりたいといった非現実系の願い事もあった。その中にひとつ面白いものを見つけた。
ハブラシになりたい
はて、なぜこれを書いた人はこんなことを書いたのだろうか。おそらく書いたのは小さい子供だと思う。幼稚園や保育園に好きな子がいたのだろうか。その子に近づきたいが近づけない。あーあ、自分がハブラシだったら毎日近づけるのになんて思って短冊に願いを書いたのだろうか。もしそうならちょっと、いやかなり変態だ。
歯を磨くのが好きだ。自分の歯を磨くだけでは飽きた。他の人の歯も磨いたい。だからハブラシになりたいと思って願い事を書いたのだろうか。もしそう思ったのなら歯医者さんになりたいと書いた方が良かったのではないか。もしくは口腔外科で働きたいと書くべきだ。
ハブラシがモチーフのキャラクターが好きだから、私もハブラシになりたいと思って願いを書いたのだろうか。なら可愛い理由である。
私はハブラシになりたいとは思ったことない。ちなみに恐竜にも妖精にもなりたいと思ったこともない。
実はもうひとつ面白い願い事が書かれた短冊を見つけていた。その短冊にはこう書いてあった。
トマト欲しい
青果担当か店員に言えよ。ここスーパーなんだから。