滝の裏の洞窟探索
洞窟に入った俺達は違和感を覚えた、明らかに人が住んでいた形跡があること。
それも一人や二人じゃなく何十人もの集団で暮らしていた形跡だ。
缶詰めの空き缶に水筒、寝袋や銃まで落ちてる。
「防空壕ってやつ?」
「内戦の時のものでしょうね、まさかこんな辺境の観光地にあるとは」
「おい!どうでもええねんんなもん!さっさと失踪事件の犯人捕まえんのが俺らの仕事やろ!」
「修学旅行じゃねえんだよガキ共」
流石に修学旅行でこんな悪趣味なチョイスはしないだろ、そもそも犯人って人なのか?
「おっモンスターいるど」
「ここは選ばれし戦士の皆さんの腕前を見せてもらおうやないか!」ニヤニヤ
「もう終わってるよ?」
「はっ?」
脳筋がゴブリンとインプの群れを全滅させ血と内蔵、引きちぎられた体のパーツが散乱している。
「弱すぎてつまんねーど」
「チッ!調子に乗んなや!化けの皮剥いだるぞ!」
「何と戦ってんのさ?」
嫌な雰囲気のまま俺達は奥へ進むが元々居住区だけあってほぼ一本道で仕掛けもなくあっさり奥の部屋まで辿り着いた。
「中には誰もいません···少なくとも生きてる人は···」
「おい···?どういう事やねん?」
魔法で中を覗いた神官の言い回しに俺はある程度の結末を察しドアを開ける···
「遅かったようです···」
「ひぃやああああ!」
中には何体もの人とモンスターの死体が転がっていた全員血を吸われているようだ。
「全員行方不明者と一致しますね···」
「···一旦街に戻ろっか··」
「だど···」
流石の脳筋もショックを受けているようだ···集められた神剣の連中は腰を抜かして動けないようだ。
こうして後味の悪さを残し俺達の初ダンジョン探索は幕を閉じた。
だがこれがこれから始まる事件の序章に過ぎない事を俺達は知らなかった。
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