帰還
「結局あの騎士崩れ何で追放されたのさ?」
「確かにこんな男でも選ばれし戦士の一人、それをあそこまで追いつめる程の実力者を追放する意味がわかりません」
あんたら守ってたからだよとは言わんでおく、大人だからね~。
「マテウスは···」
おっ?何か訳有りか?見た目はただのチンピラだったけど、冤罪を被せられたとか悲しい過去があるとか···
「騎士団の資金を賭博に注ぎ込み追放されました」
ただのクズやないかーい!人は見た目が9割!ハッキリわかんだね。
「しょーもな···てかそんな奴を団長に選んだ奴も処分しろよ···」
「···陛下です···」
あっ(察し)
申し訳なさそうに話す姫
「大丈夫?貴女の国?」
「く···暗い話はそこまでにしてご飯にしましょ~!」
空気を変えるため出来上がった食事を運ぶ俺
「遅いどんだけ待たせんだよ、もう腹ペコ」
「早く運びなさい愚図が」
「飯だーオデも手伝うどー!」
「私も運びますわ!」
「良いよお姫様、コイツらの仕事なんだから」
絶対俺が戦士に選ばれたの性格面も考慮されてるよね?並みのメンタルだと発狂ものよ?
こうして夜はふけていった。
そして翌日、王都に到着し市民から熱烈な歓迎を受ける。
「選ばれし勇者様バンザーイ!」
「魔法使いちゃん可愛い~!」
「神官さん踏んで~!」
何か途中から変な言葉が聞こえて来たけどまぁいいか。
「おぉ!さすが選ばれし戦士様方だ!我が娘ブリジットを助け出してくださり感謝いたすぞ!」
まぁ俺らはあんたのせいでエラい目にあったけどな。
こうして1000万デル(日本円にして1億円)を受け取った俺達は城で豪華な食事を振る舞われ1泊する事になる。
そして夜が明け出発のため街に下りた
「騒がしいですね?」
「人がたくさん集まってるよ」
人集りの方に行ってみると
「この者は蛮族と通じブリジット姫を害した不届き者だ!これより陛下の名の元に刑を執行する!」
「どうか命だけはお助けください!死にたくない!糞が何で俺がこんな目に···」
見物人に話しかける俺
「何かしたんですか?彼」
「おお戦士様!あいつは騎士団時代からマテウスの取り巻きだった奴でな、賭場の借金を肩代わりしてもらう代わりにブリジット様の警護に隙のある時間を教えてたらしいぜ」
「とんでもない奴ですね」
あんな王様だけど締めるべき所はしっかりと締めるな、王族誘拐に荷担したのだ連座で処されないだけ温情だろ。
「嫌だぁー!」ザシュッ!
容赦なく刃を振り下ろす処刑人、まさに芸術。
恐怖と絶望に顔を歪めた罪人の首は落ちる。
狂気に沸く観衆、まぁ市民のガス抜きと言う意味もあるんだろうね。
「ザルとか言ってゴメンね兵士のみんな」
「何言ってんだどオメェ?」
脳筋に心配されながら俺達は街を出た。
読んでくれてありがとうございます!